取り調べ可視化 自分用メモ

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@TriggerJones42

取調の可視化って連呼されてるけど、可視化の前提条件の整備をしないで実施しても余りいいことないぜ。20日間、毎日数時間も取り調べる事件は案外多くもないだろうけど、その半分くらいは確実にやってるんぢゃねぇの。んなもん、録画したら弁護人もチェックが大変だよ。

2010-10-27 00:20:11
@TriggerJones42

もっとも、可視化の意義は、「取調を録画されている」という心理的圧力を官憲側に常にかけることにあるんだろう。カメラが回っているという事実だけで、ちったぁ行儀は良くなるわね。その意味では、弁護人の立会を認める方策も同じ効果を期待できる。こっちの方が税金はかからない(笑)

2010-10-27 00:23:58
@TriggerJones42

が、弁護人にしてみれば、毎日幾時間単位の取調なんかに立ち会ってるヒマなんかねぇから、結局は録画になるだろう。で、録画による「上品な取調」が実現すれば、一見世の中バラ色っぽいが、そうもいかねぇ。

2010-10-27 00:26:43
@TriggerJones42

散々反論として言われていることを繰り返さず、おれなりの問題点を挙げておく(つっても、誰かが言ってるはずだけど)。それは、裁判員裁判が実現した今でもなお、にほんの刑事司法は事実認定や量刑を決するにあたり、被告人らの主観面つまり内心の中身を非情に重視していることだ。

2010-10-27 00:30:51
@TriggerJones42

「おれはやってねぇ」という争点はさておき、「おれは殺すつもりで刺したんぢゃねぇ」「おれは鞄の中に麻薬が入ってるなんて知らなかった」「おれは××と共謀なんかしてねぇ」、事実認定でもざっとこのくらいは被告人の内心が問われる場面がすぐに挙げられる。

2010-10-27 00:34:53
@TriggerJones42

有罪認定ができたとしても、量刑を決するには、「計画的犯行なのか」「確定的殺意か、未必の殺意か」「動機は怨恨なのか」とか、これまた被告人の内心を解明しないといけない、という運用が全く変わっていない。とくに、犯罪の動機に対する固執ぶりは、異常と言ってもいいのではないか。

2010-10-27 00:38:52
@TriggerJones42

被告人の内心を物証などの「客観的証拠」のみによって「解明」するのは容易ではない。動機なんてのは、最終的には犯人が語ってくれないとどうしようもない。そもそも、動機を第三者が理解できるように理路整然と語れるくらいなら、犯罪なんかやらねぇと言ってもいい。

2010-10-27 00:42:51
@TriggerJones42

ってことは、こうした被告人や(有罪と認定された)犯人の内心の解明にとことん固執している限りは、取調か被告人質問かの選択はできるかも知れないけど、いずれにせよ最終的かつ直裁的にはとことん問い詰めるしか術はない。

2010-10-27 00:46:08
@TriggerJones42

動機、動機って騒がれると、どうしたって被疑者あるいは被告人を問い詰める時間はたくさん欲しくなる。世間がそれを求めている。だから、捜査だって世間様の期待に応えるべく、しょうがねぇけど長時間の取調をやらないと怒られちゃう。 

2010-10-27 00:50:04
@TriggerJones42

うだうだ書き過ぎたけど、結論は、いわゆる「精密司法」を諦めないと、長時間の緻密な取調は不可避だ。もっとも、「精密司法」が裁判所由来なのか、検察由来なのか、それはおれにはちょっとわかんない。いずれにせよ、「綺麗にまとまってる調書」は、「精密司法」上の事実認定、量刑には必要だった。

2010-10-27 00:53:16
@TriggerJones42

裁判員裁判が始まって「核心司法」とかの概念が提唱されているが、おれには中身がよくわからん。それに、どうなんだろう、まだ裁判員裁判も「精密司法」と決別しきれてはいないのではないだろうか。

2010-10-27 00:54:37
@TriggerJones42

取調が何十時間で済んでいる国なんてのは、そもそも被告人や犯人の内心を解明する執着度が、日本とは比べものにならないほどあっさりしているのではないだろうか。このあたりは外国の刑事司法に明るくないので、甚だ心許ないが・・・

2010-10-27 00:56:28
@TriggerJones42

内心に固執するかどうかをおいても、おそらく取調時間が日本よりずっと短い国では、「ポイントになる点」を立証する証拠を集めて、あとは法律家が法廷で「点と点を結ぶ線を引く」弁論を展開することで、事実認定をやっているのではないだろうか。

2010-10-27 00:59:06
@TriggerJones42

想像でものを言ってもしょうがないから、比較法的なことはもう言わないけど、とにかく日本の刑事司法は「全てを解明せよ!」の「全て」が文字通りであるところが問題だと思う。もちろん、被害者が真実を知りたいというお気持ちは理解できる。が、そのために長時間の取調が行われるとしたら、どうするか

2010-10-27 01:02:16
@TriggerJones42

取調の可視化を実現するためには、その大前提として、とくに被告人らの内心の徹底解明に固執する「精密司法」による事実認定を諦めないといけない。そして、これは法律家だけが決められることではない。国民にその是非を問う必要がある。

2010-10-27 01:04:36
@TriggerJones42

だから、おれは、可視化導入の前に、「真実の解明のハードルを下げることを国民は納得できるか」を真剣に議論してもらいたいと思っている。可視化の是非を問うのは、それからだ。

2010-10-27 01:06:15