「セカイ系とは何か」実況読書 2章

前島賢著「セカイ系とは何か」の、読書メモです。2章。
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望月茂 @motidukisigeru

さて、2章では、エヴァの流れから、萌えと美少女ゲームの系譜について書き起こされる。美少女萌えの興隆については、エヴァからの流れもあるとは思うが、様々な流れが合流した結果だと考える。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:01:52
望月茂 @motidukisigeru

一つは、美少女/学園漫画の流れだ。それこそ「うる星やつら」から「ああっ女神さまっ」から色々連なる美少女が押しかけて同居もの。もう一つは、「ときメモ」「同級生」をはじめとする、ギャルゲ、ストーリーエロゲの流れだ。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:02:30
望月茂 @motidukisigeru

美少女エロゲのストーリー化の場合、要は、容量の問題である。容量がない内は、面倒くさい手続き→ごほうびCG、といった、野球拳の延長的なものしか作りづらかった。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:05:37
望月茂 @motidukisigeru

物語、ストーリーを描こうにも、フロッピーディスクに入る分量じゃ、そんなものはやりようがなかったわけだ。このへんは、パソコンのスペックの向上と共に、ゆっくりと変化していった。特に、Win95以降、CD-ROMが一般化されると爆発的に変化する。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:07:26
望月茂 @motidukisigeru

実際のところ、Win98以前のエロゲにも、ストーリーが印象的なのは数多い。個人的に思い出深いのは、蛭田氏の諸作品。同級生ばかりがよく出るけど、他にも沢山。そのへんは、 http://bit.ly/9YvyjG あたりが資料になるか。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:20:29
望月茂 @motidukisigeru

インターネット以前なのと世代交代とで、資料・評価が残っていないだけで、ストーリー性のあるエロゲには、長く豊かな系譜がある。より一層の研究が待たれる。 今の世代の人で、ノベルゲーム以前のエロゲにストーリーがなかったと思うなら、それは誤解ということで。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:24:52
望月茂 @motidukisigeru

もちろん、前島も書いているとおり、ノベルゲームが「背景+立ち絵使い回し」という、偉大な省略技法を発見したことで、容量的にも製作コスト的にも、長いストーリーのある物語を作りやすくなり、そうした流れを作った、というのは無論、正しい。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:27:38
望月茂 @motidukisigeru

とまれ、美少女ブームの興隆は、アニメ・ゲーム・漫画・ライトノベル等の複合的な流れだったとは言える。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:33:32
望月茂 @motidukisigeru

エヴァの美少女ブームへの流れだが、以下、個人的な感想というか回想。今でこそ、綾波は、オタク受けする記号満載のキャラとして認知され、実際そうだとも思うが、登場した時は、結構、衝撃的、新鮮だった。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:35:40
望月茂 @motidukisigeru

確固とした自分の信念があり、主人公に媚びないところは、従来のオタク臭い美少女とは違う、という感触があったのを覚えている。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:36:42
望月茂 @motidukisigeru

もちろん、あれはあれで色々な意味で媚びているキャラなわけだが、視聴した当時の自分の感想は、そうであったということだ。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:37:25
望月茂 @motidukisigeru

むしろ、アスカのほうが、登場した時は、わかりやすい勝ち気ツンデレ(……って言葉もまだ無かったが)なので、「恥ずかしい」と感じたのを覚えている。せっかくここまで硬派な展開だったのに、これ? と、不安に思った。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:38:15
望月茂 @motidukisigeru

娯楽作品は、視聴者の欲望を反映するが、一方で、欲望が、あまりにもモロに出ているキャラクターは、最初、見ていて居心地が悪くなる。そういう意味で、居心地が悪かったアスカだが、後の展開で深く掘り下げられてゆく。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:39:48
望月茂 @motidukisigeru

(壊すとこまで描写しちゃうのは今から考えると反則だがまぁ)そうやってキャラに深みを感じると、そのキャラが、単なる欲望の反映ではなく、一人の人間として感じられるようになり、居心地の悪さが減る。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:40:50
望月茂 @motidukisigeru

そのようにして、エヴァという作品を見る中で、アニメ的美少女への、抵抗が減った視聴者は、当時の俺含め、かなり多いと思う。それが、美少女ブームの下地を作った面はあるだろう。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:41:44
望月茂 @motidukisigeru

「美少女が人類最前線のパイロット」という、オタ欲望丸出しの設定について、エヴァは、様々に描写を深めることで、抵抗を減らしていった。一度、減ると、今度、似たような設定がでてきて、エヴァほど細かく描写しなくても、なんとなくオッケーになるものだ。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:43:14
望月茂 @motidukisigeru

さて、前島は、リーフビジュアルノベルシリーズが、「雫」「痕」と来て、「To Heart」で物語的側面は後退していると書いている。これって、そうだろうか? #sekaikeitoha

2010-02-18 00:45:40
望月茂 @motidukisigeru

「To heart」でも、各ルートでは、主人公が、学校で少女と出会い、仲を深め、学園生活の中で、お互いの問題を解決して、恋人同士になったりならなかったりする、という物語は存在している。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:46:44
望月茂 @motidukisigeru

思うに、前島が言いたいのは、直列性と並列性であろう。「雫」や「痕」は、各ルートが大きな物語の一部分になっており、全部通して遊ぶことで全体の設定が見えてくる、という仕掛けになっている。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:47:33
望月茂 @motidukisigeru

そのために、特に「痕」では攻略ルート順が固定された、直列の物語となっていた。一方の、「To Heart」は、それぞれのルートはおおむね並列で独立しており、複数ルートを遊ぶことで見える部分ももちろんあるが、そこまで重きは置かれていない。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:50:37
望月茂 @motidukisigeru

実のところ、これも、容量の問題である。容量増加に伴い、登場キャラを増やせることになったはいいが、そうなると、一人で全ルートを作るのは大変で、分担作業が必要になってゆく。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:52:23
望月茂 @motidukisigeru

分担で作業する場合、それぞれのルートが、ある程度独立していたほうが作業しやすい。複数の脚本家が協力して、かつ綿密に絡み合ってるストーリーを作るのは、えらい大変なのは言うまでもないだろう。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:53:17
望月茂 @motidukisigeru

分担作業は、実は、萌え記号とも関連する。違う人間が書けば同じキャラでも微妙に性格が変わったりして違和感が出やすい。そうした時「ピンクのアホ毛」という記号や「特徴的な語尾」があれば、誰が描いても書いても、「同じキャラ」と認識されやすいということだ。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:55:14
望月茂 @motidukisigeru

前島は、「To Heart」で、「性的なシーンを見ること」が目的ではなく過程となり、「たわいもない日常生活」を楽しむことこそが目的となったと言っている。基本的にはその通りである上で、先にも書いたとおり、容量に阻まれた形でその方向性は昔から存在していた。 #sekaikeitoha

2010-02-18 00:59:09
望月茂 @motidukisigeru

1985年の「天使たちの午後」にしてからが、学園生活で恋愛で妹がいて悪友がいて…というテンプレを備えている。エロゲにおける学園ラブコメは連綿として進化し続けており、容量および技術の点で「ToHeart」で一つのブレイクを遂げたというのが正しいだろう。 #sekaikeitoha

2010-02-18 01:05:06
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