#リプよこしたヤツらで殺人事件

康一君 @hqLsjDR84w

「キャ――？？」声を張り上げようとした裕は目を見開いた。口をやぬに塞がれたのである。咄嗟に振りむこうとしたが、その前に背中に鋭い痛みが走った。「（そういう……！）」力なく倒れ込んだ裕は、やぬの表情を見てその意図を察した。「（第一発見者役を！）」

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第一発見者――発見時の詳細を話す役回りでありその後被害者になる確率も高いが、それが女性である場合は探偵役に落ち着かせてもらえる。その話のヒロインにさえ転じることができる。「（自分だけいい思いを！）」 死に行く裕から痛みは消え、ナイフを取り出していた。「バッ、やめ」「やめない」

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その後、通りがかった赤髪という男が三つの死体の第一発見者となった。第一発見者というかぶっちゃけ第四発見者なのだが、第二と第三は死んでいるし、第一は自分で開け放しにしたのも気付かず「（始まってもうたやんけー早いやろー）」とか思ってるので、一応第一発見者ということになった。

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あと彼はファッションホモなので、ヒロイン役にはならなかった。 ていうかエド少年は寝ていた。 そのぐっすりっぷりは安堵ゆえであるのか、はたまた飲んでいるとだんだん眠たくなってきた飲み物ゆえか。

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　赤髪（@YJSNP1）――【第四発見者】 　第四発見者のクセに第一発見者ぶっている上に、吐いてるキャラが他にいるのに死体を見て吐いたはずかしい青年。 　ファッションホモの時点ではずかしいのだから、恥の二乗である。

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死体が見つかったのだからペンション内の人間が集まる。酔い潰れている連中と、なぜか吐いている少女と、なぜか寝ている少年以外は集まる。 というか殺人事件の関係者になるという自覚があった以上、ほとんどが集まれるよう準備をしていたのだ。

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「酔っててもいけるやろ」とかぬかしていたアホが、余裕でいけなかっただけだ。ペンション主人であるプロトオーガがユーリンとレモンドに「同行者の方々は？」と尋ねたが「酔ってます」の一言で受け入れられた。全員予想できていたのだ。

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「ていうか主人さん、それすごいですね」「ああ、うん殺人事件が起こるっていうから」「わかるけど、それ主人が犯人のパターンですからね」思わず指摘した宿泊客・玉美は映画好きであった。「そういえば」映画好きだからこそ提案をする。「最初の被害者が犯人ってパターンもありますよね」「たしかに」

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全員で六代目の死体を蹴り倒した。裕とやぬの死体は見るからに新しかったので放っておき、六代目の死体だけ蹴った。なんだか身体が変な方向に曲がるようになった。ゴム人間の如し。

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　プロトオーガ（@zYiky9KVqk）――【主人】 　男性。ペンションの主人。仮面を被っている。 　玉美（@BallBeautiful）――【宿泊客】 　男性。映画好きの宿泊客。

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「ちょっと外の風を浴びてきます……」そう言って、宿泊客の一人であるアイドル・ＤＡＩは現場を離れた。死ぬほど怪しかったが、ド凹みしている美人に怪しいとか言うと死ぬ役になりそうなので全員指摘しなかった。誰一人追わない間にＤＡＩは大浴場で手首を切った。

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仕方がなかったとはいえ、死体を蹴ったアイドルが光の舞台に立つことは許されない。二度とあの舞台に立てないのであれば、ＤＡＩは死を選ぶ。ＤＡＩは根っこまでアイドルであった。仕方がなかったのにね。ほんとに、仕方なかったのにね。

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　ＤＡＩ（@j1Wv59wPk2）――【アイドル】 　現役女子高生アイドル。 　いかなる理由があろうと、根っからのアイドルである彼女に死体を蹴ったという罪は重すぎた。悲しい物語だぜ。

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酔いが覚めてきたけしかすは、酔いに酔ったアホどもしか部屋にいないので憤慨する。なんかついに透明な液体を吐いているヤツさえいる。こうはなりたくないものだ。しかし憤慨したが酔いが残っているのですぐに忘れて大浴場に向かった。酔ってるときの風呂は気持ちがいいのだ。

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しかし気を付けなければならないのだが、泥酔中の風呂は気持ちいいと同時に危ない。まあでも先に誰かいるみたいだし、危ないときはそいつがなんとかしてくれるだろう。そう思って、けしかすは湯船で寝た。湯船に顔がつかる。

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もはや死体のＤＡＩに止める術はない。湯船のなかでけしかすの鼻と口からこぽこぽと出てきた気泡は次第に弱くなり、ついに止まった。読者の諸君も酔ったら風呂はやめような。じゃあの。

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その後、らいと、ぬわの順に目覚めたのだが、全員が全員大浴場に向かい、湯船につかり、「まあ一緒にいるのがなんとかすんだろ」と思い、そのまま死んだ。にぎやかなことだ。

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風呂場に四つの死体が転がっていることなど知る由もなく、場面は殺人現場に戻る。いやだって人死んでるのに風呂入んねえだろ。常識でもの考えろって。しかし客はどいつもこいつも「（探偵役いないのかよ）」と思っているので、別に話も進まない。

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とりあえず適当に「死体を動かすな」だの「現場をそのままにしとけ」だの、それらしいことをやっていたのだが、いい加減長い。探偵役、ちょっと前フリ長い。なのでプロトオーガはメイドであるけろめに、飲み物を持ってくるよう指示した。 すると、フルウとむららぎの二人が付き添うと志願した。

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　けろめ（@GOn9rNo1ts）――【メイド】 　けだものロリメイド。 　獣の耳と尻尾を隠して働いているのだが、最近ネコミミストのおかげで獣人の立場が少しずつよくなってきて喜んでいる。 　いつかネコミミストに会ってみたいが、ペンションに探偵はヤバいので黙っている。

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「コーヒーは僕が入れるんで、フルウさんはカップを用意してください。むららぎさんは」 指示が終わるより早く、むららぎの手がけろめの首にかかっていた。 「ごめんね。君みたいな子どもが精一杯頑張っているのは応援したいんだけど――」その言葉をけろめは最後まで聞くことができなかった。

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「君みたいな子どもが精一杯頑張っているのは応援したいんだけど、子どものほうが殺しやすいからね」けろめは最後まで聞くことができなくて正解だった。

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がしゃんと持ってきたカップを全部落とし、フルウが声を張り上げる。「犯人だ！　犯人だ！！」「そう、犯人は僕だ」言って、むららぎは頬を緩める。「（犯人が判明すればミステリーは終わる。これ以上の被害者を出すくらいなら、とりあえず一人殺して全部僕が殺したことにすれば――）」

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終わらなかった。「この人殺しめ！　死ね！」フルウは予期せぬ事態に遭遇すると慌てるタイプだったのだ。「あっ、ちょっ、まっ」待たない。カップの破片のおっきいヤツをガンガン投げられて、倒れ込んだところをそのまま顔掴んで破片に顔面ぐりぐりされた。

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「はー……っ、はー……っ」血塗れのキッチンで肩を上下させながら、フルウは正気に戻った。「なんてことをしてしまったんだ……」「あっ、人殺しだ」最初の犯人だコールを聞いてやってきた３ｇたそが写メってた。やっぱり慌てて飛び掛かったが、３ｇたその金属バットにボッコボコにされた。