【はち恋】公式アフターストーリー企画:第七週目『鮎川彩香』まとめ

スマートフォン向け恋愛タッチアドベンチャーゲーム『はち恋』サービス終了に伴い、 twitter公式アカウントにて公開中のアフターストーリー企画です。 公開が完了した各ヒロイン毎にまとめを作成します。
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『はち恋』アフターストーリーとは?

まとめ 【はち恋】公式アフターストーリー企画:第一週目『小西陽奈』まとめ スマートフォン向け恋愛タッチアドベンチャーゲーム『はち恋』サービス終了に伴い、 twitter公式アカウントにて公開中のアフターストーリー企画です。 公開が完了した各ヒロイン毎にまとめを作成します。 1152 pv 4

第七週目『鮎川彩香』アフターストーリー、開始!

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午前最後の授業を少し早めに抜け出して屋上を見回すと、給水塔の影のあたりに、艶やかな長髪が風になびくのが見えた。 「いたいた、彩香先輩ー!」 「あら、真人クン……?」 まどろみから覚めたばかりのぼんやりした目で、先輩が振り返る。 #はち恋AS

2014-02-17 10:55:31
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「昼休みには少し早いんじゃない? んもう、悪いコね☆」 「それ、先客の先輩には言われたくないんですけど……」 「ま、こんなに天気がいいんだもの。仕方ないわよ。真人クン、ドンマイ♪」 僕の発言は華麗にスルーである。さすがのマイペースぶりだ。 #はち恋AS

2014-02-17 13:03:44
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「ま、まあ……そういう事でいいです」 ツッコミは諦めて、ひとまず彩香先輩の隣に腰を下ろした。 今日ここに来たのには、昼寝じゃない、ちゃんとした目的がある。 先輩に、あるモノを見せに――。 #はち恋AS

2014-02-17 15:11:16
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「それで、私に見せたいモノでもあるみたいだけど何かしら?」 と、僕が切り出す前に先を越されてしまった。 「ふ、不意打ちで心読むのやめて下さいよ!!」 「ふふっ。そろそろ慣れてくれてる頃かと思ったんだけど☆」 #はち恋AS

2014-02-17 17:07:43
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相変わらず先輩には、転がされているというか、からかわれているというか……。 アゲハと揉めていた一時はしおらしかったけど、今ではすっかり前と同じペースで、僕はオモチャにされている。 元気を取り戻してくれたのは、嬉しいんだけどね。 #はち恋AS

2014-02-17 18:02:28
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――本当の先輩と向き合って、死神アゲハと対峙してから、もう2週間が経つ。 何もかもまるで夢みたいだったけど……今、僕の隣にいる先輩が、全て現実だったことの証明だ。 #はち恋AS

2014-02-17 19:33:00
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毎日一緒に登下校して、デートもして。 そんな当たり前の恋人同士の日常が、今の僕達二人には幸せでたまらなかった。 #はち恋AS

2014-02-18 10:56:32
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たまに、異様に冷たい視線を背中に感じることもあるけれど……。 僕がしっかりしている姿を見せ続ければ、あの死神――先輩の友人も安心してくれるだろう。 ……と、思う。思いたい。 #はち恋AS

2014-02-18 13:32:34
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僕はひとつ咳払いをしてから、改めて切り出す。 「えっと……持ってきたのは、これなんです」 小脇に抱えた紙袋から、そっと鉢植えを取り出した。 そう、僕の背中を押してくれた、あの占い師に貰った鉢植え。 #はち恋AS

2014-02-18 15:06:26
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鉢植えの事は誰にも言わずヒミツにしていたから、人に見せるのはこれが初めてになる。 はずだったんだけど……。 「あら……コレを私に見せたかったの?」 彩香先輩のリアクションは、あまりにもあっさりしすぎていた。 #はち恋AS

2014-02-18 17:16:53
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というよりも……その反応はまるで、僕が見せる前から鉢植えの事を知っていたかのようで。 「えーと、一応説明しますけど……これは路地裏で占い師に貰ったモノで……」 先輩はにっこり笑ってうなずきながら僕の話を聞いている。 #はち恋AS

2014-02-18 18:22:22
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間違いない。これはからかわれてる時の空気だ……。 「せ、先輩……まさかとは思いますけど、この鉢植えのこと、知って……?」 彩香先輩は少し考えるような素振りをみせてから、わざとらしく思い出したように話し始めた。 #はち恋AS

2014-02-18 18:58:29
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「その花のコトは詳しくないけど、持ち主の占い師のことは、よく知ってるわ」 「……えええええええええっっっ!!??」 予想の更に上を行く答えに、僕は両手で大事に持っていた鉢植えを取り落しそうになった。 #はち恋AS

2014-02-19 11:34:30
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僕の運命を変えたあの不思議な占い師が、彩香先輩と知り合いだったなんて……ってことは、まさか? 「じゃあ、もしかしてあの人も死神……だったり、するんですか?」 ふと脳裏に沸いた疑問を、先輩に恐る恐るぶつけてみる 。#はち恋AS

2014-02-19 13:16:42
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「あら、真人クンにしては察しがいいのね♪ そうよ。彼女も死神なの」 「あっさりと衝撃の事実を!!??」 これまた予想を超えた答えに愕然とする僕のリアクションを見て、先輩はとても楽しそうに笑った。 #はち恋AS

2014-02-19 15:04:44
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「ま、こんなモノをキミに渡すくらいだもの。……よっぽど変わり者の死神ね」 笑いながら、先輩がぽつりと呟く。 #はち恋AS

2014-02-19 17:01:13
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「うーん……人生、意外なところで超常現象と出会ってるんですね……」 僕は思わず頭を抱えた。 でも、そもそもあの鉢植え自体が不思議の塊みたいなモノだし……持ち主がたとえ超自然的な存在でも、まあ、おかしくはないか。 #はち恋AS

2014-02-19 18:03:59
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「ふふっ。誰も気付いていないだけで、世界は不思議で溢れているものよ?  キミの周りは特に、だけどね」 意味深なことを囁きながら、僕の肩にもたれかかってくる先輩。 #はち恋AS

2014-02-19 19:10:46
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「彩香先輩みたいな不思議なら……僕は大歓迎です」 そう言うと、鉢植えを持つ僕の手に先輩の柔らかい手のひらが重ねられた。 「頼もしいわ、さすが私のダーリン♪」 そう。あの占い師が死神だからって、何も悪いことがあったわけじゃない。 #はち恋AS

2014-02-20 11:10:31
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むしろ彩香先輩と恋人同士になれて、アゲハの件も乗り越えることができて……。 このたった数カ月の間に、僕は自分でも信じられないくらい成長できたんだ。 #はち恋AS

2014-02-20 13:03:35
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「彩香先輩。もしよかったら、占い師の死神にお礼を伝えてくれますか?」 「あら、どうして?」 「先輩と恋人になれた事とか、アゲハを説得できた事とか……。  鉢植えが僕に勇気をくれた事、すごく感謝してるって、伝えたいんです」 #はち恋AS

2014-02-20 15:14:13
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もちろん直接お礼を言いたくて、何度も路地裏を探しに行ってみたんだけど……。 なかなかタイミングが合わずに、結局一度も出会えていないままなのだ。 #はち恋AS

2014-02-20 17:14:49
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先輩は僕の言葉に、少しだけ目を見開いたように見えた。 「お礼? 本当にそれでいいのかしら。だって相手は死神なのよ?」 更に予想外に、占い師について突っかかるような反応だ。 「もしかして、真人クンの事を騙してるのかも……」 #はち恋AS

2014-02-20 19:04:44