【はち恋】公式アフターストーリー企画:第八週目『麻生茜』まとめ

スマートフォン向け恋愛タッチアドベンチャーゲーム『はち恋』サービス終了に伴い、 twitter公式アカウントにて公開中のアフターストーリー企画です。 公開が完了した各ヒロイン毎にまとめを作成します。
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『はち恋』アフターストーリーとは?

まとめ 【はち恋】公式アフターストーリー企画:第一週目『小西陽奈』まとめ スマートフォン向け恋愛タッチアドベンチャーゲーム『はち恋』サービス終了に伴い、 twitter公式アカウントにて公開中のアフターストーリー企画です。 公開が完了した各ヒロイン毎にまとめを作成します。 1151 pv 4

最終週『麻生茜』アフターストーリー、開始!

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「茜ーっ! がんばれー!!」 グラウンドを風のように駆ける茜の姿に、自然と応援の声が出る。 退院から約2週間でみるみるうちに回復した茜は、部活にもすぐに復帰した。 大会を控えた今、茜の手首には、僕が新しく作ったミサンガが揺れている。 #はち恋AS

2014-02-24 11:14:29
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あの大事件を乗り越えて、ようやく戻ってきた日常。 茜と一緒に過ごす時間の何もかもが嬉しくてたまらない……はずなんだけど。 茜が目を覚ましたあの日から、僕の中に、どうしても消えない違和感が残っていた。 #はち恋AS

2014-02-24 13:00:27
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あの日――病室に舞い落ちた、一枚の真っ白い羽根。 締め切っていたはずの部屋に落ちてきたその羽根は、僕が手に取った瞬間、まるで溶けるように消えた。 #はち恋AS

2014-02-24 15:11:02
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その時、僕はふっと記憶の一部が抜け落ちてしまったような、不思議な感覚に陥った。 最初は単なる気のせいだと思ったけど、なぜかその感覚が頭に染み付いて、今も忘れられずにいる。 あれは一体、何だったんだろう……。 #はち恋AS

2014-02-24 17:04:56
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「よっ、真人! 今日もやってるな~♪」 ……と、背後から突然現れた克也が、からかうように肩を小突いてきた。 難しい考え事は一時中断。いつもと変わらない克也の軽いノリに、僕も自然と笑顔に戻った。 #はち恋AS

2014-02-24 19:01:48
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「当たり前だろ、僕は茜の応援団長なんだからな?」 「うっわ!! ごく自然な流れでノロケやがった! 真人のくせに生意気ー!!」 よろめきながらわざとらしくショックを受ける悪友は放っておいて、再びグラウンドに目をやる。 #はち恋AS

2014-02-25 11:12:30
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なんと克也のお邪魔が入ったせいで、肝心のゴールの瞬間を見逃してしまっていた。 既にトラックを走り終え、こっちを見てむくれている茜とばっちり目が合う。 これは後々大目玉だな……克也が。 #はち恋AS

2014-02-25 13:02:22
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「茜の奴、露骨なんだから……あっ、克也に向かってあかんべーしてるぞ」 「おっと、カミナリが落ちる前に、お邪魔虫はこの辺で退散した方がよさそうだな」 克也は肩をすくめると、茜の視線から逃げるように小走りで校門に向かっていった。 #はち恋AS

2014-02-25 15:02:53
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「たまには俺にも構えよ~! あーあ、次は誰にアタックするかな……」 肩を落としてヒラヒラと手を振る克也の後ろ姿を見送っていると、 懲りずにまだ誰かに声をかけるつもりなのか、知り合いの女の子の名前をブツブツ呟く声が聞こえた。 #はち恋AS

2014-02-25 17:04:49
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「彩香先輩か、のあちゃんか……桐島は怖いし、春日丘はもう帰ったし。  竜崎さんなんて恐れ多いし、一年のあの子も早退してたしな~」 その克也の言葉が、とても不自然なことのように胸に引っかかる。 #はち恋AS

2014-02-25 19:01:58
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いつも通りのお調子者で、女の子が大好きで……なのに何だろう? 明らかに、何かが足りない。 僕だけじゃない、多分みんなが思い出せずにいる"何か"。 #はち恋AS

2014-02-26 11:03:57
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それが何なのか……ずっと気になっているのに、僕が言葉にしたら不安にさせてしまいそうで、茜にも相談できないでいた。 だって茜は僕の大切な恋人で、たった一人の、幼馴染なんだから。 #はち恋AS

2014-02-26 13:02:05
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僕が再び考え事をしていると、陸上部の練習終了を告げるホイッスルがグラウンドに響き渡る。 「……こんな顔してたら、茜に心配されちゃうな」 頬を一発ぱちんと叩いて、待ち合わせをしている校門へと急いだ。 #はち恋AS

2014-02-26 15:04:20
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「お待たせ真人ー! っと、帰る前に……ハイ、これ!」 部活を終え、ユニフォームから制服に着替えた茜と校門前で合流するなり、突然右手を差し出された。 「これは?」 「えへへ……ちょっと遅くなっちゃったけど、新しいミサンガ。あたしが作ったの」 #はち恋AS

2014-02-26 17:00:40
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茜の右手からころんと出てきたそのミサンガは、なんというか。 糸がところどころほぐれて、絶妙にねじれた……かなり不格好なものだった。 何故だろう……以前茜にもらって、病室で切れたあのミサンガとは、だいぶ出来上がりが違う。 #はち恋AS

2014-02-26 18:01:10
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とはいえ、茜が不器用なのは今に始まったことじゃない。そんなに不自然ではない……はずだ。 「う、うわあ……さすが茜、不器用炸裂って感じだね」 「もーっ! ウルサイわね!! そう言うと思ったわよ!!」 素直な感想を述べると、容赦なく肩をひっぱたかれた。 #はち恋AS

2014-02-27 11:01:16
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「おっかしいなぁー……前のやつは、もう少しうまくできてたのに」 「家庭科部とか桐島さんとか、器用な人に手伝ってもらった方がよかったんじゃない?」 僕がそう言うと、茜はぱっと頬を染める。 #はち恋AS

2014-02-27 13:01:53
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「ま、真人にあげるんだから、一人でちゃんと作りたかったの!」 なんて、すごく嬉しいはずなのに。僕の心の奥の違和感が、どうしても拭えない。 「ミサンガって、もっと簡単に作れたような気がしたんだけど……」 #はち恋AS

2014-02-27 15:08:01
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その茜の言葉で、僕は確信した。 やっぱり僕たちは、あの病室で羽根を拾った瞬間から、欠けてしまった何かを思い出せずにいる。 忘れるはずなんてない、大切な……すごく、大切なものだったはずなのに……。 #はち恋AS

2014-02-27 17:00:44
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僕の表情が曇ったのに、茜は気付いたようだった。 「……ねえ、真人。新しいミサンガには何をお願いする?」 「うーん、そうだなぁ……」 こんなにも曖昧なこと、願い事にしてもいいのか少し迷ったけれど。 今、これ以外に奇跡を望むほどの願い事はないと、僕は強く思ったから。 #はち恋AS

2014-02-27 19:07:55
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「とても大事なことを……思い出せますように、かな」 茜は僕の願い事を噛みしめるように、微笑んでうなずいた。 きっと二人とも、ずっと感じていた違和感は一緒だったんだ。 それほどまでに、僕たちにとって大切な何かを――一瞬でも早く、思い出してあげたかった。 #はち恋AS

2014-02-28 11:11:01
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「うん……すぐに、叶うよ。ゼッタイ」 「そうだね、こんなヘロヘロのミサンガだし、切れるのも早……あ痛っ! 冗談だってば!」 後頭部に一撃、相変わらず容赦のない茜のツッコミに、どこか安心さえ感じる。 そうして二人で笑い合いながら、願いを込めてミサンガを手首に結んだ。 #はち恋AS

2014-02-28 13:04:35
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「きっと、すぐに思い出せるよね」 「当たり前! だってあたし達のミサンガは、どんな奇跡も起こしちゃうんだから!」 力強い茜の笑顔。この笑顔に、僕は何度も救われてきた。 #はち恋AS

2014-02-28 15:11:16