【羽生結弦選手のインタビューに対するツイートに端を発した精神医学的議論について】

主に自分用の健忘録です。 「NHKのニュース見ているのだが、羽生くんのインタビューでの話がすごい。自己分析がすごい。神田橋條治先生のコツ3部作に出てくる、観阿弥の心のメタ自分の話とまったく一致する。というか、これだけ長い対面インタビューでこれだけの内容を話せるってすごいな。恐るべき19歳。」 という私のツイートに対して、いろいろな方から反応をいただきました。 観阿弥・世阿弥に始まり、神田橋條治先生、安永浩先生、中井久夫先生と話は展開していき、様々な連想がありました。 私自身大変勉強になったので、まとめました。
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ミ☆リ @minori_ironim

@en_katsu @eutonie 安永浩先生の理論は素晴らしいものです。「ファントム空間論」などは一見難解ですが、「精神科医のものの考え方」ではその理論を大変平易な言葉でわかりやすく読むことができます。安永理論の全体を掴んでから姿勢覚について読むと大変理解が深まります。

2014-02-24 13:32:31
ミ☆リ @minori_ironim

@en_katsu @eutonie ちなみに、「精神科医のものの考え方」に収録されている「ファントム空間論」は、こちらのページで全文読むことができます。ぜひ。 http://t.co/cHBMiJaRT5

2014-02-24 13:35:25
ミ☆リ @minori_ironim

神田橋條治先生、中井久夫先生、安永浩先生は、本当に大好きな精神科医です。この方々の著書を必死に読むことで大変成長させていただきました。文章を読み書きする訓練にもなりました。手元にはまだまだ読んでいない著書がたくさんあるので、一生かかってでも読みたいです。

2014-02-24 13:39:16
ミ☆リ @minori_ironim

そもそも、それらのいろんなことを理解しようと思って、そのためにはぜひラカンを読まないといけないということになって、ラカンを読むにはソシュールを読まなくてはいけない、ソシュールを読む前には言語について学ばなければいけない、ということになって、そこらへんで止まっている。ああ。

2014-02-24 13:44:30
縁活 @en_katsu

確かに、そうですね! QT @minori_ironim: @en_katsu @eutonie そうでしたね。ただ、安永浩著作集は手に入りにくいのと、安永先生のお考えを一通り知ったうえで読んだ方が理解が深まるので、「精神科医のものの考え方」という著書をお勧めします。・・・

2014-02-25 00:13:52
縁活 @en_katsu

ご紹介、ありがとうございます! QT @minori_ironim: @en_katsu @eutonie ちなみに、「精神科医のものの考え方」に収録されている「ファントム空間論」は、こちらのページで全文読むことができます。ぜひ。 http://t.co/wFv51PHZj2

2014-02-25 00:16:59
縁活 @en_katsu

中井久夫著『徴候・記憶・外傷』P29に、中井先生の解説が掲載されています QT @minori_ironim: @en_katsu @eutonie 「ファントム空間論」などは一見難解ですが、「精神科医のものの考え方」ではその理論を大変平易な言葉でわかりやすく読むことができます。

2014-02-25 00:32:28
ミ☆リ @minori_ironim

安永先生の理論は一般には難解とも言われていますが、この本では身近な話題からファントム空間論まで、大変平易で温かみのある言葉で書かれており、素晴らしい書だと思います。 RT 確かに、そうですね! QT @en_katsu @eutonie 「精神科医のものの考え方」という著書を…

2014-02-25 00:37:32
縁活 @en_katsu

安永先生は、安永フアントム理論の“神主”中井先生の師の一人であり、あの名著、神田橋條治著『精神科診断面接のコツ』発刊後も、神田橋先生の陪席を許可され、臨床を信頼された方 QT @minori_ironim: 神田橋條治先生、中井久夫先生、安永浩先生は、本当に大好きな精神科医です。

2014-02-25 01:10:45
ミ☆リ @minori_ironim

以下、中井久夫「徴候・記憶・外傷」から。

2014-02-25 14:38:06
ミ☆リ @minori_ironim

「微分的メタ世界」の開示は晦渋ね形態を取りがちである。私にいえるのは詩である。詞が「メタ世界」でなければ、どうして詞でありえよう。「詩とは言語の徴候優位的使用によってつくられるものである」ーこれが私の詩の定義である。

2014-02-25 14:40:50
ミ☆リ @minori_ironim

しかし夢の世界とは何であろうか。遠い昔、ヘラグレイトスが、白昼意識の世界を「コイノス・コスモス」(共通世界)とし、夜になると「イディオス・コスモス」すなわち「そのひとかぎりの世界」に帰ってゆくと言っている。これがT・Sエリオットの『四つの四重奏』のエピグラフになっている意味は

2014-02-25 14:46:04
ミ☆リ @minori_ironim

あまり考えられていないようにみえる。詩人はあの詞が「コイノス・コスモス」と「イディオス・コスモス」との往復から成り立っているといわんとしているのではあるまいか。

2014-02-25 14:47:21
ミ☆リ @minori_ironim

ところで記号的、比例回路的・ウェーバー=フェヒナー的世界において予感あるいは余韻に相当するものは何であろうか。かりに、それを現前世界の「風合い」と呼ぶことにすれば、それは、たとえばわが国の美学にいう「渋み」であり、あるいはカミュこ『異邦人』における「世界の無関心なやさしさ」

2014-02-25 15:01:25
ミ☆リ @minori_ironim

というものがそれに当たるのであろう。まとめて雰囲気と言おうか。現前世界の「味わい」であり、世界の側の共通感覚である。

2014-02-25 15:02:19
ミ☆リ @minori_ironim

(中井久夫『徴候・記憶・外傷』むちゃくちゃ面白いです!)

2014-02-25 15:15:01
ミ☆リ @minori_ironim

(安永浩『精神の幾何学』も持っているので読んでみます!)

2014-02-25 15:20:23
ミ☆リ @minori_ironim

(木村敏のante festum、post festum、intra festumはまさに先日主治医と話したばかりであり、intra festumは私そのものである。P28、29の図解は視覚的感覚的に理解を深めることができる。)

2014-02-25 15:23:19
ミ☆リ @minori_ironim

どういう形で、記憶が私の「無意識」の中に持続しているのかは、いうことができない。もし、私の中にあるものが同時に全部私の意識の中に出現し、私の現前に現れたならば、私は破滅するであろう。それは、四次元の箱を展開して三次元に無理に押し込むようなものだろう。

2014-02-25 15:29:02
ミ☆リ @minori_ironim

中井久夫『徴候・記憶・外傷』より「1徴候 世界における索引と徴候」読了。P28の「安永ファントム理論私解による図解」はコピーして持ち歩こうと思う。自分が今どこに在るかよくわかると思う。

2014-02-25 15:42:30
ミ☆リ @minori_ironim

これまた、一部の患者に反復してみられる、幻覚や妄想を中心とする発作的出現においては、ある程度の強度に達すると「ねむけ」という身体性からの救いの手が差し延べられて、目覚めた時には発作が消えているが、恐怖に襲われている人には忘我が許されていない。

2014-02-25 16:37:16
ミ☆リ @minori_ironim

しばしば泣き叫び、スリルを求め、時には自分を傷つける。これは身体性への必死の呼び掛けと見ることができよう。

2014-02-25 16:38:12
ミ☆リ @minori_ironim

幻覚や妄想は「他極」の近くで起こっている。剥き出しの恐怖は、発病の最初にみられるが、これは「自極」の近くで起こる。おそらく、対象極に近づくことが「健康化」なのであろう。うっかり、人に「自己をみつめて」というと、この底知れない恐怖に患者を直面させてしまうことになりかねない。

2014-02-25 16:41:27
ミ☆リ @minori_ironim

実際には、「自極」の近くと「他極」の近くとのあいだを、自由に往復するような柔軟な対人的相互作用が望ましいのであろう。

2014-02-25 16:42:40
ミ☆リ @minori_ironim

以上、中井久夫『徴候・記憶・外傷』より「1徴候 世界における索引と徴候」からの抜き書きでした。本当に面白かった。毎日少しずつ読もうと思います。

2014-02-25 16:44:21