お玉さんのほぼ日刊御手洗潔レビュー(5)

お玉さんによるほぼ日刊御手洗潔レビュー。 『レオナからの三通の手紙』、『さらば遠い輝き』、『後書きという名のお礼状』、 『里美上京』、『ボストン幽霊絵画事件』、『石岡くんゆーかい事件』、『最後のディナー』、 『御手洗くんの冒険 ブローフィッシュ教殺人事件』、『鈴蘭事件』、『Pの密室』の10本を収録。 続きを読む
2
お玉と毒のぬまち @ottama709

『ボストン幽霊絵画事件』に関しては、久しぶりにロープが登場して、そんなこと可能なのかΣ(゚д゚lll) レベルでの、島田荘司の平常運転ちっくな、ムチャクチャな利用方法がステキ♡ …ぐらいしか褒めるべきところが無いのですよね。 〜メロディの短編の中では見劣りするわよね

2014-03-03 00:22:11
お玉と毒のぬまち @ottama709

看板に連続して放たれた銃弾、そんな奇行から、そこで行われたであろう事件を推察する前半部分、そこのテンポが良すぎて、後半の事件がどうでもよくなるのが難点。 お話の求心ポイントが幽霊絵画のそれではなく「御手洗潔が何故犯人の名前を知り得たのか?」という謎の方にシフトしちゃってるんよね。

2014-03-03 00:23:35
お玉と毒のぬまち @ottama709

そして、幽霊絵画事件が何の引っかかりも無く解明された後、御手洗潔がどのようにして犯人の名前を知り得たのかが語られるのだが……、あ、ああ、……、こ、これは、ヒドスギルよ(>人<;) こんなしょうもない推理を作品のカーテンフォールに持ってくるんかいな……。し、島田荘司……

2014-03-03 00:23:56
お玉と毒のぬまち @ottama709

というか『ボストン幽霊絵画事件』……、幽霊絵画事件のパート、いらないんじゃないの? 前半部分のテンポの良さとユーモアはかんなりオモロ〜なのに(>人<;) もう、あの描写から犯人の名前を宣言して、一気にアレを壊してしまえば……。下手に引っ張るから、なんぢゃこりゃ、になっちゃうのよ

2014-03-03 00:24:20
お玉と毒のぬまち @ottama709

作品で一番気になった謎がアレすぎることや、あの家事からの死体発見の下りの緊迫感の薄さ、幽霊絵画事件のだからどうした感、親子間の感情のすれ違いのあまりにも掘り下げが少ない模様等……、この作品の後半部分は擁護できないよねぇ。 前半部分の御手洗潔とビリーのやり取りは見るべき点は多いのに

2014-03-03 00:25:09
お玉と毒のぬまち @ottama709

出来の悪い短編だけで済めばいいのだが…… コレ、短編集『御手洗潔のメロディ』の印象そのものになってるんよね。〜メロディって収録作品に統一感が無く、目玉となる作品が存在しない作りなので、一本のモヤッとした短編が、他の短編の良い印象を蝕む……。そんな負の感情を引っ張っちゃう

2014-03-03 00:26:11
お玉と毒のぬまち @ottama709

『御手洗潔の挨拶』や『御手洗潔のダンス』は個人的な好き嫌いはあれ、これは酷すぎるΣ(゚д゚lll)という作品(『舞踏病』ですら意外性からの緊迫感が)が存在してないのに対して、『御手洗潔のメロディ』は、少なくとも本格探偵小説要素を期待して読んだときの物足りなさが、ありすぎなのよね。

2014-03-03 00:28:00
お玉と毒のぬまち @ottama709

『IgE』の面白さ(よく読むと穴だらけだけど、とにかくインパクト抜群!)から得られる〜メロディの印象が、『ボストン幽霊絵画事件』の不出来さで覆い隠され塗りつぶされるのよね。 また、その後に『さらば遠い輝き』がトリになっちゃってるから、〜メロディのわけのわからなさが増幅されるの……

2014-03-03 00:28:22
お玉と毒のぬまち @ottama709

『ボストン幽霊絵画事件』での前半部分、奇行を推論で紐解いて一つのカタチを作り上げる面白さ、や、会話の掛け合いの面白さが、8年後カタチを変えて『傘を折る女』に継承されている、と考えることで、気分を落ち着けることとしよう……。 あと親子関係についての掘り下げは、あの短編で花開くし……

2014-03-03 00:28:40
お玉と毒のぬまち @ottama709

さて、ほぼ日刊御手洗潔レビューその26『石岡くんゆーかい事件』を語るときが遂に来た! 1998年10月、今井ゆきる単行本『ちっぱーみたらいくん』収録。 な、何と、島田荘司がマンガ原作に挑戦なの……Σ(゚д゚lll)21ページの悪夢 http://t.co/7yeusC8Wzz

2014-03-03 00:38:22
拡大
お玉と毒のぬまち @ottama709

今井ゆきるさんが描いていた御手洗シリーズのパロディ漫画。それに感化された島田御大(御大という呼称はキライだけど、今回だけはコレを使っちゃうよ)が自らの手で描き下した漫画原作。 レオナが石岡クンを誘拐して、開放の条件として結婚を迫るそんな内容。 お、御大……Σ(゚д゚lll)

2014-03-03 00:38:39
お玉と毒のぬまち @ottama709

喜んでエビフライを食べる御手洗。 石岡クンの身代金は975円。 女言葉を使うから犯人は女の子と推理する御手洗。 レオナの新作映画「魅せられて日本海」 やっぱりズれてる石岡クン。 シャンプーハットを使って頭を洗う御手洗。 お、御大……Σ(゚д゚lll)

2014-03-03 00:38:57
お玉と毒のぬまち @ottama709

な、何かね、ギャグのセンスがいちいち古臭いのですよ御大は……(>人<;)(エビフライの中に脅迫状とか……。パンで殴られて気絶する石岡クンとか……) なまじっか今井ゆきるさんのパロディ4コマが面白い出来上がりなので『石岡くんゆーかい事件』のパートが痛々しくて、痛々しくて……

2014-03-03 00:39:32
お玉と毒のぬまち @ottama709

ホモ疑惑を全力否定する、そんな御手洗さんを見られるのが……、このマンガ原作の読みどころかしら? マンガということで御手洗潔がちょっとアクティブに描かれているので、ストレートに感情表現ができるのね( ´ ▽ ` )ノ

2014-03-03 00:39:54
お玉と毒のぬまち @ottama709

さて、ほぼ日刊御手洗潔レビューその27『最後のディナー』をお届けに上がりました。 1998年10月、今井ゆきる単行本『ちっぱーみたらいくん』収録が初お目見え。 very Best10では5位でした。 しかし、原稿用紙230枚の作品を短編と読んでいいものやら……(>人<;)

2014-03-06 23:48:00
お玉と毒のぬまち @ottama709

今回の御手洗潔マラソンにおいて、再読で印象が変わった作品が何本かあったのですが(『アトポス』とか『切り裂きジャック〜』とか、この後予定の『鈴蘭事件』とか♫)、今回の『最後のディナー』程、受け取り方が変化した作品はございませんでしたよ〜。 俺、この作品、かなり好きだわ♫

2014-03-06 23:48:31
お玉と毒のぬまち @ottama709

つまり15年前のお玉さんは、「本格ミステリ」の書き手としての島田荘司に期待して『最後のディナー』を読んだわけなのね。 その視点だと「人前で決して食事をとろうとしなかった老人が、何故、石岡クンにディナーをご馳走しようとしたのか?」という謎は、あまりに刺激が少なかったりする。

2014-03-06 23:48:54
お玉と毒のぬまち @ottama709

ま、ひと繋ぎに見えた事柄が、それぞれ独立した要素の連鎖であり、その間の飛躍の鮮やかさにテクニカルな部分があるので、決してミステリ的に(広義のそれに近いが)遜色のあるものではない。 初読では事件の展開が終盤に偏りすぎてるなぁ〜、と感じたのだが、 ……くっ、昔のお玉の目は節穴だったわ

2014-03-06 23:49:26
お玉と毒のぬまち @ottama709

さて今回の『最後のディナー』に関してはいつも以上にネタバレ全開、しかも、いつもはある程度肉抜きして、まとめていたのですが(えっ!)、今回は思ったことの垂れ流しでいきますよ。(それでも60%くらいだが!)……そこんところヨロシク♫

2014-03-06 23:52:19
お玉と毒のぬまち @ottama709

『最後のディナー』は大田原という老人のお話である。 彼の対立軸として石岡クンの存在が置かれている。このエピソードにおける石岡クンは、関係当事者であり、物語の記載者でありながら、同時に大田原という主人公を浮かびあがらせるための一つの装置として機能しているのだろう。

2014-03-06 23:52:55
お玉と毒のぬまち @ottama709

お話の冒頭、石岡クンはインターネットや携帯電話といった最新の技術に対して嫌悪感を抱いている様子が描かれている。その延長線上に英語への苦手意識が置かれているのは容易に想像できる。 里美ちゃんとの関係性のため英語教室へ通いマヌケっぷりを発揮する石岡クンは、喜劇的である。

2014-03-06 23:53:15
お玉と毒のぬまち @ottama709

対して大田原老人が英語教室に通うのは何故かしら? と言う問いかけは、序盤で、キリスト教の外国人信者との親睦のため、という理由が述べられている。 そして、極めてナチュラルに、石岡クンへの問い掛けから「大田原老人が人前でご飯を食べない」という謎をフューチャーした物語へ、シフトしてる

2014-03-06 23:54:23
お玉と毒のぬまち @ottama709

キリスト教うんぬん、は物語を読み終わったとき方便であるということがわかる。 また、脳梗塞による口の不自由というデータ→なので人前で食事をしない→よって英語も上手く喋られない そんな思考誘導を石岡クンの推理を交えて、作者は読者に印象づけている。

2014-03-06 23:54:42
お玉と毒のぬまち @ottama709

脳梗塞は老人という属性を象徴している。老人であることが、技術の取得を阻害している理由である、と読者へ思わせている。 けど、ランドマークでの会話から彼が相当のインテリであるということ、話の後半のアレに関わる内容から、後半の知識がつい最近勉強し習得した知識であるということが分かるの

2014-03-06 23:55:10
お玉と毒のぬまち @ottama709

老人は使命感から英語教室に通っているのだ。 そして、インテリ老人がスムーズに英語を習得できない理由が、 「英語が彼の人生における傷である」 ということがハッキリとは書かれていないが、見えてくるわけだ。 その傷からの因果が老人の使命感へ繋がっているところに、グッと来るのだ。

2014-03-06 23:56:09