@amuchan01 おかえりなさいませ!まずですねぇ!わたしが注目した御手洗潔の矛盾、そう「エルキュール・ポアロの矛盾」からいきましょうか!!
2012-08-11 19:17:15まず、『占星術』『斜め屋敷』『異邦の騎士』と読んで、高校時代のブブミツ少年が気づいた、御手洗潔の矛盾。それは『占星術』ではおなじみ?のホームズを御手洗がディスるシーンでした。講談社文庫版ではP225~P231辺りですね。新装版などはわからないのでご了承を。
2012-08-11 19:23:32そこで、石岡君が御手洗に「ホームズ意外には何か読んだのか?」と聞き、様々な古典の探偵役の名前を挙げます。しかし、御手洗はとぼけながら知らないと答えます。ただ、ここで少しおかしな描写があったのです。
2012-08-11 19:25:35ブラウン神父やファイロ・ヴァンスと同時に、クリスティの「エルキュール・ポアロ」の名前を挙げた時です。それに対し、御手洗は「二日酔いしそうな名前だ(講談社文庫P231)」と返しています。私は正直、「あぁ、クリスティ読んでいないんだな」くらいにしか考えていませんでした。
2012-08-11 19:27:26つづいて『異邦の騎士』の話題に移ります。これはあらすじにも書かれているので、言いたいですが、あえて伏字にします。この事件は一年前の話です。語り手もいつもと違っていますね。さて、私は旧講談社文庫版しか手元にないのでアレですが、このP380。犯人が去った後に御手洗がこういいます。
2012-08-11 19:31:53「僕はいつも思うんだ。クイズは、作るより解くほうが何倍もやさしいんだ。(略)真の芸術家がいるとすれば、それはホームズやポアロなんてやからじゃなく~」←こうです!ここ!ホームズの名前を出すのはわかります。ただ、ポアロ!ここ!
2012-08-11 19:34:54ぶぶみつさんの説を聞くにあたって不安なのは今手元に「占星術」「斜め屋敷」「異邦」も無いこと。今、研修で我が根城を離れてるからいかんともしがたい。記憶で追いきれなかったら、また明日本屋に行こう。
2012-08-11 19:35:03何故『占星術~』の時にポアロの名前を知らないようにしていたのに、それより一年前の、いいえ!『異邦』の事件が完全解決したのが1978年の8月3日で、『占星術』にて石岡君が御手洗を尋ねるのが1979年の4月1日なので正確には約9ヶ月です!たった9ヶ月ですよ!
2012-08-11 19:37:49これを一度、桑原モリポタタル氏にお聞きしたところ、前述の『占星術』のくだり、ほかの探偵役は「言葉を濁している」のに対し、「ドーヴァー警部」だけ「はじめて聞いた」と返しています。そう、ブラウン神父やヴァンスに関しては皮肉で返しているのに、ドーヴァー警部だけ「はじめて聞いた」です!
2012-08-11 19:42:48さて、ここで皆様にはhttp://t.co/x0qWl8kKこちらのサイトを見ていただきましょう。このドーヴァー警部!とにかくもう御手洗が嫌いそうな要素満載の警部なんですよ!(笑) 権力に溺れ、人前で下品なこというわ、とにかく俗物中の俗物探偵!
2012-08-11 19:44:37ここで言える結論。それは御手洗潔は「ミステリが大好きなマニア」だったのではないか?ということです。本当は、ブラウン神父やポアロも読んでいるのですが、ホームズと同じように愛憎溢れる想いがあるため、あのようにディスったのではないか?
2012-08-11 19:47:10ただ、ドーヴァー警部は自分が嫌いなタイプだったため読むのも嫌になったと…このような仮説が成り立ちます。さて、ここから入れ替わりに踏み込んでいきましょう。
2012-08-11 19:47:46【『御手洗潔シリーズ』のネタバレ注意】御手洗潔「事件年表」がこちらのサイト様で明かされています。http://t.co/KbVIcUHD ネタバレ満載なので、こちらは事件の年代だけ引用させていただきますね。
2012-08-11 19:49:30まず私が違和感を持ったのは、『斜め屋敷』以降の御手洗。『暗闇坂』『水晶』『眩暈』『アトポス』『龍臥亭事件』ととにかくこの辺りから、「解決」が雑、もっといえば大掛かりなトリックと「偶然」という要素に頼りすぎるという島田荘司特有の(あえてこう言わせてもらいます)欠点が出てきました。
2012-08-11 19:52:26「占星術」で挙げられているドーヴァー以外の名探偵を御手洗は知っている、というのは自分もそう思っています。「占星術」の御手洗は気分が欝屈していたため、石岡くんの言葉に対し、名探偵を茶化すような皮肉混じりの応酬をしたのではないかと。
2012-08-11 19:53:15『占星術』のあの大技や『斜め屋敷』あの密室トリックには、多少の「偶然要素」はあっても、まだ読者が理解できるレベルでした。それはトリックの美しさはもちろんですが、謎と人物関係が密接に結びついているからなのですね。ただ、これ以降は「謎」と「解決」が分離している印象を受けるのです。
2012-08-11 19:54:22これはあくまで自分が感じた違和感です。そして御手洗の人物像。『異邦』の喫茶店でやる演説や、『斜め屋敷』に表れた時の変人ぶりも、ユーモア溢れる喋り方をしていたので、あの思想も面白かったのですが、『暗闇』以降はとにかく社会性の強い思想、皮肉が多くなります。
2012-08-11 19:57:24