ビットコインは救世主か破壊者か

2月28日、ビットコインの取引を停止したMt.GOX(マウントゴックス)の代表が会見、東京地裁に民事再生手続きの開始を申し立てたことが明らかになりました。仮想通貨・ビットコインとは一体何なのか、経済コラムニストの佐々木一寿さんがその本質に迫ります。
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考え得る価値暴落のシナリオ

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ただ、ビットコインは国家や経済圏が流通させる通貨と決定的に異なり、法的強制がなされない。何かの拍子で利用者が激減すると、価値が限りなく低くなる可能性も。そのとき、管理者のいない仮想通貨であるビットコインは、打ち手を講ずることが不可能。 http://t.co/yZS1kjMdWs

2014-03-01 22:52:52
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中国当局の使用禁止のような例は、今後も出てくるだろう(すでにインドやタイなど)。法的社会的リスクを恐れ、本来ならばビットコインへの旺盛な需要が見込まれる当該国の富裕層が保有を断念し、ビットコインの価値が暴落する可能性も。 http://t.co/DdjHHMUDcK

2014-03-01 22:57:15
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暴落の可能性で次に考えられるのは、熱心な使用者への摘発である。仮想電子貨幣への介入は難しいとしても、違法性のあるものの取引行為は取り締まることができる。最近でも、マネーロンダリング疑惑でビットコイン関係者が摘発されたばかりだ。 http://t.co/C82dvuTdZD

2014-03-01 22:59:52
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また、昨今の「盗難」事件などの影響により、その管理上の信頼性が揺らいでも、当局は積極的な手立てを講ずる義務はなく、ビットコインの使用を忌避する一般人が増えることも考えられる。これは、直近の価格急落の主原因と目されているリスク。 http://t.co/xzasnPvD0l

2014-03-01 23:01:27
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もうひとつの想定は、ビットコインの寡占による価値低下。ごく少数の人間が仮想電子通貨を大量に持っていることが判明した場合、その少数者の思惑どおりにされてしまうという懸念が出てきて、ビットコイン離れが進む可能性がある。 http://t.co/Sb1BsGs9eG

2014-03-01 23:03:46
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FBIは今、ビットコイン設計者に次ぐ大量保有者とも噂されており、FBIの振る舞い如何により、価値暴落が現実味を帯びるかもしれない。さらに言えば、FBIの今後の振る舞いはいろいろな意味で注目に値する。 http://t.co/BMk9qxfzna ビットコインは救世主か破壊者か

2014-03-01 23:07:15
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現状で法律的に根拠がないビットコインを財産として認めるかどうか。認めた場合、FBIが所有する170億円相当のビットコインの処理の仕方に注目が集まる。認めない場合、ビットコインの流通量が減り、交換レートに大きな影響を与える可能性も。 http://t.co/1EfkPwPtrA

2014-03-01 23:11:24
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希少性とネットワーク外部性、この2つの相反する力学の影響を受けたビットコインの動向は、ますます予測が難しく、また複雑化してくるように思われる。 http://t.co/2bNf0YTRyu ビットコインは救世主か破壊者か

2014-03-01 23:12:29

マクロ経済的視点からの考察

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ビットコイン自体の価値、利用者としての使い勝手をこれまで見てきたが、これはミクロ経済学的な視点である。つぎに、ビットコインという存在の、マクロ経済に対する影響を考察してみよう。 http://t.co/5AkvaxZEvE 新しい仮想電子通貨を経済学的に考察する(佐々木一寿)

2014-03-01 23:14:28
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ビットコインを新たな通貨として考えるとき、これはマクロ経済学的には「通貨供給」として認識される。既存通貨との交換レートが成立している以上、ビットコインの流通量は、そのままま新たなマネーサプライだと考えることができる。 http://t.co/nQfbOo1Gue

2014-03-01 23:15:20
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ビットコインの発行数量は、最終的には約2100万枚となる。暗号解読により取引履歴を付け足す際の取引記録の最小単位を「ブロック」と呼び、追加の21万ブロックごとに供給量は半減していく。現状での発行量は約1200万枚ほどだ。 http://t.co/RqLWtBS73V

2014-03-01 23:22:57
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1ブロックは10分ほどで処理されるように暗号の難易度設定は調整されている。つまり現状で21万ブロックを通過する時間は約4年で、2140年後に最後の供給が終わる。 http://t.co/Zco1P8HVAR ビットコインは救世主か破壊者か 新しい仮想電子通貨を経済学的に考察する

2014-03-01 23:24:50
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ビットコインの供給量は、ここ4年間は約10分に25単位の期間に入っており、現状でおよそ年12%増えている計算になる。これは実質的にマクロ経済学でいうところのインフレ率だと考えることができる。 http://t.co/AdNinKJNGS 新しい仮想電子通貨を経済学的に考察する

2014-03-01 23:25:31
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ビットコインの供給量設計は、当初の4年で通貨の拡充を速やかに行い(全供給量の半数を発行)、その後は4年ごとにインフレ率を漸減させていく仕組み。これは新興国の経済を早回しにしたミニチュアモデルとして、かなりの相似性を示しそうでもある。 http://t.co/USAlkTR8Sq

2014-03-01 23:28:06

ビットコインの累計発行済枚数

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理論面では優れている面もあるとして、運用面はどうか。懸念としては、まず、経年的に先進国的な問題を抱えることになる(成熟化問題)。原理的な設計を変えられない限り、金融政策に相当する施策が原理的に打てない。 http://t.co/7hyWxeTXep ビットコインは救世主か破壊者か

2014-03-01 23:29:25
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裁量的な金融緩和や引き締めができないと、ビットコイン通貨圏の市場規模の増大や縮小の余波をプライスの大きな上下動で調整されざるをえない可能性が高い。 http://t.co/hV8Ae66NB1 ビットコインは救世主か破壊者か 新しい仮想電子通貨を経済学的に考察する

2014-03-01 23:30:38
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また、最終的にインフレ率は0になるが、いま先進国のコンセンサスである最適インフレ率が2~4%ということを考えると、最終的にはデフレ経済となってしまうと予想される。 http://t.co/lElvl99L9W ビットコインは救世主か破壊者か 新しい仮想電子通貨を経済学的に考察する

2014-03-01 23:37:51
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ビットコインは退蔵されやすく、経済活動が滞りやすくなるということは、ポール・クルーグマン氏をはじめ多くのマクロ経済学者によっても主張されている。 http://t.co/Vk5ixcYz0D ビットコインは救世主か破壊者か

2014-03-01 23:38:25
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仮に1BTC=1000米ドルとし、現状で1200万BTCが流通しているとすれば、その規模は1兆円を超え、最終的には2兆円規模となる。今後、ビットコインの交換レートが高騰を続ければ、世界経済としても無視できないものになるかもしれない。 http://t.co/w9G0gfyzvk

2014-03-01 23:41:14
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これまでと明らかに性質の違うマネーサプライが増大した状況に、世界の金融当局担当者はどう対応していくのか。まさにかつてない壮大なマクロ経済学的実験を目の当たりにする時代が到来するかもしれない。 http://t.co/Q0PBa4dAgp ビットコインは救世主か破壊者か 佐々木一寿

2014-03-01 23:42:28

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リンク WEDGE Infinity(ウェッジ) ビットコインは救世主か破壊者か Mt.GOXの騒動が注目を集める、仮想通貨「ビットコイン」。その本質に迫る。