市川 大河氏『ごちそうさん』クライマックス第廿弐週感想纏め

【い草の味】 (いくさのあじ)  昭和廿年参月拾参日から八月拾五日正午過ぎまでの物語。
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市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん ちまきの由来をめぐる、和枝とめ以子のボケツッコミ会話をも飲み込んで、泰介が「最期の寿司」を食べ、め以子と並び寝るシーンへと。泰介が語りだす。「もし、死ぬとしたら誰を守りたいか」戦時中は国民が全員、愛する人や家族を人質にとられ、自己犠牲する事を強制させられていた。

2014-03-07 12:51:16
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「生きている事は生かされているという事」だからこそ「ごちそうさん」なのだ。それは食材にされた命への礼節だけではない。そこで自分の「食」のために尽力でもてなしてくれた人に対する、人間賛歌の言葉「僕は、僕にそれを許さなかったこの時代を、絶対許さへん」死に別れていく家族

2014-03-07 12:53:55
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「時代」に「国家社会」に引きはがされ、殺される母と息子が抱き合う。シリーズ冒頭で描かれた「焼け跡で笑顔で給仕するめ以子」は、ひょっとしたら「家族の全てを失っため以子」が見せた「やせ我慢と希望の笑顔」なのかもしれない。そこできっと交わされる「ごちそうさん」

2014-03-07 12:56:30
Relaxcat-moo眞實探究 @1193moo

"@ArbUrtla: #ごちそうさん「生きている事は生かされているという事」だからこそ「ごちそうさん」。それは食材にされた命への礼節だけではない。そこで自分の「食」のために尽力でもてなしてくれた人に対する、人間賛歌の言葉「僕は、僕にそれを許さなかったこの時代を、絶対許さへん」

2014-03-07 12:57:44
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 希子からの手紙を開封するシーンでの、強烈な日差し。その中で見つかる一枚の写真。まるで『二十四の瞳(54年)』での、子ども達との写真。そして最愛の息子・活男の戦死。天皇国家は、大日本帝国は、こうして「ささやかな家族と愛」を武器に変え、殺し続けて戦争を続けたのだ。

2014-03-07 13:00:07
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 僕は昔から「社会で威張っているのは男だが、本当の意味で『社会を紡ぐ』のは、子を産み育てる女性の側なのだ」と信心してきた。戦争という「男性社会の自業自得」がどれだけ「大事な家族の命」や「兵隊という男の命」を奪っても、女性は子を産み育て続ける。め以子やふ久のように。

2014-03-07 18:02:07
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 次々と送られてくる赤紙。そして「まずは」活男から届き始めた死亡報告。この展開に息を詰まらせた人にお勧めが、木下恵介『二十四の瞳(54年)』市川崑『ビルマの竪琴(56年)』橋本忍『私は貝になりたい(59年)』政治思想信条なんかどうでもいい。戦争は有益な事などないのだ

2014-03-07 18:15:49
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 闇の中で茶碗飯をすするめ以子。帰らざる活男。煽り気味の5つのカットがそれぞれの「表現の意味」を持ち、項垂れてうめく「こんなことのために、御飯作ってきたんとちゃう!」それはエゴの吐露ではない。「見返りを求めない愛」などない。「見返り」を「手応え」に変えれば誰もが解る

2014-03-08 12:47:58
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん オレンジの灯は部屋の天井で輝く。しかし全く何をも照らさないシーン設計。夜道を行くめ以子。和枝はめ以子の心情を「過去形で」語る。亡妻さんが亡くなった時、やはり僕も「これくらいでは死ねんかった」森下節は人間の心情の根柢と真理を描く。人は絶望「程度」では死ねないのだ。

2014-03-08 12:50:32
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「活っちゃん、お腹のすかん国には行かれへん!」ここまで1カット「活っちゃんも、戻ってきた方がナンボかえぇんちゃうかな!」ここで顔のUPでワンカット。そのゆっくりした演出に、追い打ちをかけるように和枝が胸ぐらをつかむ「死に悲しんでいる間にお前も殺しているのだ」泣く。

2014-03-08 12:53:49
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「あの子を殺したのは私です」め以子の台詞とほぼ同じ台詞が。30年以上前の角川映画『人間の証明(77年)』のクライマックスにも存在した。『人間の証明』でも、母に息子を殺させた要因は「戦争」であった。「見送って、最後は一人になりはるお人や」ごちそうさんを受け取りながら

2014-03-08 12:56:44
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 愛した息子の死を、封筒の形で抱きしめるしかないめ以子。「生きよう」という願いは、かくも人を強くするのか? 子を産み育てる女性ゆえか?季節が巡ってもなお、め以子は「ごちそうさんの元」となる作物の収集に笑顔を見せるしかない。そして……愚かな皇軍の惨めな敗戦。終わる狂気

2014-03-08 13:00:14