ヨウジョスレイヤー【ラスト・ロリータ・スタンディング】#4

幼女、脱がすべし!なテキストカラテの三番煎じくらい。最終話。
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うぃんこさん @koiflachuchu

ドウグ社のリボンはアラミド繊維で構成され、容易く破れはしない!そして空中ではいよいよ、ブルーシートが無慈悲なオリガミ・シルエットを完成させつつあった……フェニックスの姿を!「ウ……ウオオオオオオオーッ!」ソニックブームは無意味な叫び声を上げた。胸中を満たすのは過去の記憶…… 22

2014-03-03 16:36:11
うぃんこさん @koiflachuchu

ヤクザバウンサー時代、ヨウジョとなる前のソニックブームは未成年略取と売買を受け持っていた。さらってきた子供に「お兄ちゃん」と呼ばせ、一緒にままごとをしたあの日を……売られていく子供たちのマグロめいた目の数々……!ヤモト・コキは荘厳ですらある動きで、ソニックブームを指差した。 23

2014-03-03 16:39:12
うぃんこさん @koiflachuchu

「……プリキュア・ロイヤルレインボーバースト!行け!」巨大なフェニックスのオリガミがソニックブーム目掛けて虹色の光線を吐く!インガオホー!「サ……サヨンナラー!」ソニックブームの叫びは、激しい閃光と爆音を伴う爆発にかきけされる!そして、最後の砦であるぱんつも消滅!羞恥! 24

2014-03-03 16:44:17
うぃんこさん @koiflachuchu

ヨウジョ三人の乱闘の結果、机と椅子が散乱した幼稚園の食堂で、ヨウジョスレイヤーとヤモト・コキは対峙した。ヤモトの目は消耗によりやや虚ろで、ハイライトは無い。園児服はボロボロで桜色のぱんつは丸見えだ。乳首の露出を右手で押さえている。その胸は、平坦であった。 25

2014-03-03 16:54:27
うぃんこさん @koiflachuchu

「……ドーモ、ヨウジョスレイヤーです」フジキドは淡々とオジギした。ヤモトはヨウジョスレイヤーを見返した。「ドーモ、ヨウジョスレイヤー=チャン。ヤモト・コキです」その表情は伯父に引き取られるも凌辱の限りを尽くされ、大事にしていたヌイグルミを捨てられた少女めいて悲壮であった。 26

2014-03-03 16:57:31
うぃんこさん @koiflachuchu

「あれをすべて、オヌシ一人でやったのか」フジキドが問う。道中、脱がされたクローンショウジョの裸体を指した問いである。「アタイがやった。攻めてきたから」ヤモトは頷いた。そして力なく付け加える。「……もう無理みたい」「そのようだな」(((……ぬがせふじきど、このこわっぱを))) 27

2014-03-03 17:01:07
うぃんこさん @koiflachuchu

(ナラク)(((こやつについているのはシ・ヨウジョだ。わらわはこやつをようしっておる。しょうもうしきったいまならば、こんなたやすいしごとはないぞ……さあ、ぱんつをぬがせ……)))ニューロンの彼方からナラク・ヨウジョの舌足らずな声が届く。(黙れ)フジキドは撥ね付けた。 28

2014-03-03 17:04:23
うぃんこさん @koiflachuchu

ナラクが狼狽える(((なにをばかな!?ふくしゅうをとげよ!)))(復讐?この娘を脱がすことがか)(((……すべてのヨウジョをぬがせ!)))(オヌシは考え違いをしている。私はオヌシの欲望ではなく私の目的を果たすのだ。この娘はロリコンヤに連なるものではない) 29

2014-03-03 17:07:22
うぃんこさん @koiflachuchu

ドクン!フジキドの右目から血の涙が流れ出す!(((しつぼうさせるなフジキド!すべてのヨウジョをぬがさぬか!ぬがせ!)))ゲンドーソーの封印、さらにその後のケンカにおける精神的制圧を経てなお、いまだ残るこれほどの暴威!フジキドは血の涙を拭う。そしてヤモトに言った。「行け!」 30

2014-03-03 17:10:49
うぃんこさん @koiflachuchu

(((なんたるだらく!だらくのきわみ!かつてのおぬしはさようななまぬるいてぬかりとむえんであった!)))(黙れ)フジキドはニューロン内のナラクにデコピンする。(手抜かりなど無い。これまでも、これからも)(((いかせばいずれかこんをのこすぞ)))(ならばその時に脱がすだけだ) 31

2014-03-03 17:14:24
うぃんこさん @koiflachuchu

ヤモトは後退り、そして、もう一度無言でフジキドにオジギした。そのあと素早く踵を返し、駆け去って行った。後に残されたフジキドは再現なく赤い涙を流す右目を押さえ、震えながら膝をついた。もう片方の手が額にデコピンを打ち続ける。繰り返し……狂ったように。 32

2014-03-03 17:17:38
うぃんこさん @koiflachuchu

数日後、アサリはプリキュアのオリガミを手に取り、自室のベッドでぼんやりしていた。あの日、ヤモトが折ってみせたプリキュアの一つだ。アサリはそれを胸に当て、無言で嗚咽する。 34

2014-03-03 17:22:12
うぃんこさん @koiflachuchu

その時だ。コン、コン。ベランダのサッシ窓が鳴った。アサリは寝巻きの袖で涙をぬぐった。コン、コン。音は控えめに、だが、繰り返し鳴る。アサリは一瞬それを恐れた。だがすぐに思い当たった。ショウジ戸を引き開ける。 35

2014-03-03 17:24:36
うぃんこさん @koiflachuchu

「前後ヘリへようこそ!」「アイエエエ!」アサリは思わず叫んだ。窓の外にはヘリコプターからラベリングするガスマスクの男。そしてガラス窓がガスマスク男の鈍器で叩き割られる!「アイエエエ!アイエエエ!」「ドーモ、お嬢ちゃん!これから俺達とヘリの中で前後だ!ウィーピピー!」 36

2014-03-03 17:27:39
うぃんこさん @koiflachuchu

「アイエエエ!嫌だ!嫌だーッ!」ここは三階だ。助けなどこない。来るとしても同様にヘリを持ったマッポか湾岸警備隊。あるいはニンジャ……あるいは……「助けて!助けてヤモト=チャン!」「ヘヘヘ!まあそう喚くな!優しくしてあげるからよ!ヘヘヘ!ヘヘヘハハアバーッ!?」 37

2014-03-03 17:30:50
うぃんこさん @koiflachuchu

ガスマスク男の頭が爆ぜた。「アイエエエ!」アサリは思わず叫んだ。悲鳴ではない。歓喜である。眼前のゴア風景などどうでもいい。「ドーモ」家のベランダに飛び乗ってきたヤモトに、アサリは臆面もなく抱きつくのだった。「ヤモト=チャン!ヤモト=チャン!怖かった!怖かったよう……」 38

2014-03-03 17:34:19
うぃんこさん @koiflachuchu

「大丈夫」ヤモトは優しく言った。「今日はアイサツに来たんだ」「アイサツ?ねえ、お茶を入れるよ、入って」ヤモトはしかし、静かに首を振る。「今ここで長居すると辛くなるから、お茶はいい」アサリは無言で頷いた。あの日、偽の避難訓練を扇動した責任を取って、ヤモトは幼稚園を辞めたのだ。 39

2014-03-03 17:39:13
うぃんこさん @koiflachuchu

「明日会おうって言ったのに、ごめん」ヤモトは言った。彼女はしばらく言葉を探していた。やがて続けた。「アタイ、一緒にいたらアサリ=チャン達に迷惑をかけてしまう。アタイは……いけないんだ。一緒にいたら」アサリは涙をこらえてヤモトの話を聞いた。 40

2014-03-03 17:43:28
うぃんこさん @koiflachuchu

アサリにもヤモトの身に降りかかった異常な出来事を薄々理解することは出来ていた。あの日、ショーコ転入の二週間前、アサリを守るためにヤモトがファック&サヨナラ目的のロリコンヨタモノ達を殺害したその一部始終を、彼女ははっきりと見ていたのだ。 41

2014-03-03 17:47:03
うぃんこさん @koiflachuchu

だから、アサリは無理に引き止めてヤモトを悲しませまいとした。それでも、「……もう、ずっとサヨナラ?」アサリは聞かずにはいられなかった。ヤモトは首を横に振り、「きっと帰ってくる。アサリ=チャンに何かあったら、どこからでも駆けつける」そう言って、アサリの手を取った。 42

2014-03-03 17:49:39
うぃんこさん @koiflachuchu

「サヨナラ、ユウジョウ!」アサリはとうとう涙を流した。だが笑顔を作り、答えた。「ユウジョウ!」ヤモトはアサリの手を最後にもう一度強く握ると、ベランダから軽々と手すりに飛び移り、夜風に園児服をたなびかせた。「……イヤーッ!」隣の建物に向かって、彼女はその身を躍らせた。 43

2014-03-03 17:52:46
うぃんこさん @koiflachuchu

ヤモトが夜の闇にかき消え、見えなくなった後も、アサリはベランダに出たまま、しばらくそうしていた。 44

2014-03-03 17:56:23