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茂木健一郎 @kenichiromogi
連続ツイートをお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、最近話題になったあの賞について。
茂木健一郎 @kenichiromogi
あす(1)学生の頃から、映画を良く見ていたけれども、ハリウッドやアカデミー賞には、どちらかと言えばアンチだった。ありがちな話だけれども、ミニシアター系の映画を愛好していたのだ(ヴィスコンティやベルイマン、タルコフスキーとかオルミ、エリセ、あるいは小津、溝口、成瀨)。
茂木健一郎 @kenichiromogi
あす(2)だから、アカデミー賞はガッデム! な感じだったのだけど、時代は流れ、こっちもまろやかになったというか、映画界の地図が変わってきたというか、最近はハリウッドの大作も喜んで見るし(大抵飛行機が多いけど)、アカデミー賞も普通に興味持つようになった。これって堕落?
茂木健一郎 @kenichiromogi
あす(3)そのアカデミー賞だけど、世界で一番有名な映画賞、くらいの認識は誰にでもあるだろうけど、その細かい仕組みについては、あまり考えていなかった。それで、2012年にTEDに参加するためにロングビーチに行った時、ちょうどNBCで生中継をしていたので見ながら考えた。
茂木健一郎 @kenichiromogi
あす(4)アカデミー賞というと、レッド・カーペットや、着飾ったセレブたちや、スポットライトやフラッシュ、という華やかなイメージが浮かぶ。しかし、一番肝心なのは、果たしてどうやってあの賞は決まっているのだろうか、という選考のプロセスであるはずだ。
茂木健一郎 @kenichiromogi
あす(5)それで、2012年のTEDの際にロングビーチで生中継を見ている時に初めて知ったのだけれども、あれって、数千人? いるアカデミー会員が、一人一票で投票し、単純に一番多い票を集めた作品、俳優が、それぞれの部門のオスカーを手にすることになっている。
茂木健一郎 @kenichiromogi
あす(6)しかも、投票の結果、どの作品がオスカーに輝いたかということは、票の集計を担当する会社の少数のチーム以外、誰も本当に知らないのだそうだ。あの、封筒を開けて、中から紙を取り出す瞬間まで、アカデミー賞の運営者も、候補者も、メディアも、誰も誰が受賞者か知らない。
茂木健一郎 @kenichiromogi
あす(7)もう一つアカデミー賞で感心したのは、「作品賞」(best picture)は、英語で撮られてさえいれば、ハリウッドだけでなく、世界のどこで作られた映画でも対象になるということ。実際、数年前の『スラム・ドッグ・ミリオネア』は、確かインドと英国の合作映画だったはずだ。
茂木健一郎 @kenichiromogi
あす(8)賞の授賞式が華やかなのはいいことだし、賞金が多いのも素敵だが、すべての賞の生命は、作品がどのように選ばれるかというそのプロセスにあり、結果として選ばれた作品のクオリティにある。アカデミー賞の選考過程は、この点において、一つの哲学を表していて見事だと思う。
茂木健一郎 @kenichiromogi
あす(9)すべての会員による投票で、集計過程に一切運営側がかかわらないことで、賞の公正さと価値を高める。対象とする映画をハリウッド村以外のすべての映画作品とすることで、普遍性を担保する。このような選考過程の品質保証があって初めて、レッドカーペットの華やかさが成立している。
茂木健一郎 @kenichiromogi
以上、連続ツイート1185回「アカデミー賞はなぜ、すごいのか」でした。

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