短編集「テイルズ・オブ・ジ・エイトミリオン・ヨウジョストーリー　１」より「デイ・オブ・ザ・ロブスター=チャン」

雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

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▽雀：雀が「ロブスターをヨウジョにしよう」と言い出した時は正気を疑った。だが彼は本気だったので、僕はサイバーパンク的考証を行った。ロブスター、ロブスター、ロブスター、それを打破する幼気…結果としてそこに現れたのは、これから始まるヨウジョスレイヤーだった。▽

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短編集「テイルズ・オブ・ジ・エイトミリオン・ヨウジョストーリー　１」より 「デイ・オブ・ザ・ロブスター=チャン」

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ブンブブブンブーン、ブンブブブンブンブーン、ブンブブブンブーン、ブンブブブンブンブーン。湿ったベース音が、「泳がない日がない」とミンチョ体で書かれた錆だらけのシャッターの隙間から漏れる。上空を舞うロリコンデバガメツェッペリンの盗撮カメラも、この建物の中までは届かない。　1

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この施設は、ネオサイタマにある温水プール施設であり、油断ならないショウジョ組織のひとつ、マグロ・スイエイ・クラブの練習所なのだ。シャッターを開ければ、壁に掛けられたビート板、浮き輪、「マグロになる」と書かれたショドーが健全な本質を語る。　2

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タイル張りプールサイドの水際に、白Tシャツとハーフパンツのショウジョが８人。ただならないアトモスフィアが室内を支配し、ビート板の上に正座する彼女の額に浮かんだ緊張の汗が流れる。その幼気の奥にはイルカを描いた壁があり、少女たちの幼気と合わさって神秘的なアトモスフィアを醸し出す。　3

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「ざっけんなこらー…この中に１人ぃ…」水着を着た部長のアザワが、ポンプ式の大型水鉄砲を持って言う「薄汚ねえヨゴシヤが紛れ込んでやがるですぅ…私の服を汚しやがった女ですぅ…」。…正座する８人のショウジョたちは全員、アザワのただならぬ怒りに圧倒され押し黙っていた。　4

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「だってめこらー…？」アザワはおもむろに背を向ける。白Tシャツの背には、「薬物前後」のショドーが刻まれている。ヒワイ！裏路地を歩けば即座に襲われかれないシチュエイションである。しかし…ショウジョたちは口を割ろうとしない。　5

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アザワは正座ショウジョたちの前を苛立たしげに歩き回る。天井から吊るされたスピーカーからは、古ぼけたノイズと共に、このサツバツとした状況にはどこか不似合いな楽曲が漏れ出す。ブンブブブンブーン、ブンブブブンブンブーン…アカチャン…イェー…アカチャン…ブンブブブンブーン…　6

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「すっぞこらー…」アザワが突如発射する！「うわーっ！」ショウジョの一人が胸に水を浴びる！ナムアミダブツ！ショウジョの服が透ける！「突き落とすですぅ…」とアザワ。後ろに控えていた無表情のショウジョ４人が水に濡れたショウジョをプールに突き落とした。　7

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「名乗り出ないなら順にプールに沈めるですぅ…私はそれだって構わないですぅ…全員濡らせばみんな仲良く襲われますぅ…」ハイライトのない目で威圧するアザワ。「ヤルキ＝チャンです！」恐怖に耐えかねたショウジョが、隣のショウジョを指差した。「ヒッ！」ヤルキは声を詰まらせる。　8

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「ヤルキてめっこらー…」顔を真っ赤にして怒り狂ったアザワが、ヤルキの胸に銃口を突きつける。「んあッ！」目を剥くヤルキ。両肩をショウジョに掴まれ、強引にプールサイドに立たされる！ナムサン！「アイエエエエエエ…」嗚咽するヤルキ！　9

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「誰の差し金ですかコラー…ロリコンヨタモノと取引したんですかコラー…ブッダも怒りますよコラー…」アザワは吐き捨てながら銃口を引き抜く「答えないと、次は替えの服も濡らしますよコラー…」。「ぐすっ…ぐすっ…本当にごめんなさい、全部洗いざらい話します…今回の件はヨロシチ…」　10

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恐るべき黒幕の名を吐こうとしたその時！いずこからともなくバレーボールが飛来し、ヤルキの額に激突した！「アイエエエエエエ！」バランスを崩すヤルキ！さらにいずこからともなくバレーボールが飛来し、ヤルキの額に激突した！「アイエエエエエエ！」ヤルキはプールに落下した！　11

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「ドーモ、ロブスターです」突然更衣室のフスマが開きヨウジョが姿を現した。その両手にはロブスターめいた恐るべき断ち切りバサミが握られていた。「ざっけんなこらー！」水鉄砲を発射するアザワ！「いやーっ！」連続後転で水を回避するロブスター！バケツやはさみを構えるショウジョたち！　12

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「まずいことになったわね…」プール再度の隅で佇むナンシー・リーは呟いた。その身体はタイトなサイバー水着によって胸元などが強調されている。ハッカー兼インストラクターの彼女はショウジョの服隠し事案の顛末を確認するため、スイエイ・クラブを見守っていたのだ。　13

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水しぶきがナンシーの金髪を滴る。ニューロンがチリチリと危険を告げた。ショウジョたちのため、タオルの補給へと用具室へ走る。「ハァーッ！ハァーッ！」とにかく走っているので、オイランのように白いナンシーの肌を紅潮する。 14

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「いやーっ！」ロブスターはその辺のビート板を何枚も投擲！「アイエエエエ！」次々プールに墜落するショウジョたち！タツジン！「なまッこらー！」水切れを起こしたアザワは、腰からはさみを抜き接近戦を挑む！「いやーっ！」紙一重のダッキングでかわし、断ち切りバサミで襟を切るロブスター！　15

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「んあッ！」そのまま服を抑えて後ずさりするアザワ。今の一撃でTシャツを破壊されたのか、はさみを握った右手は胸を隠すため、動かすことができない。インガオホー！そのままロブスターはアザワをプールの中に叩き込み、首だけを出して押さえ込んだ。「アイエエエエエ！」　16

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だが流石はスイエイ・クラブ部長である。アザワは羞恥心に苦しみつつも、ロブスターに食って掛かった。「誰の差し金ですかこらぁー…マグロ敵に回したらただじゃ済まねえですよこらぁー…」「馬鹿が。貴様らは大会で勝ちすぎた。スポンサー様を怒らせたのだ。私を派遣したのはヨロシサ…」　17

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恐るべき黒幕の名が告げられようとしたその時！いずこからともなくバレーボールが飛来し、ロブスターの額に激突した！「アイエエエエエ！」バランスを崩すロブスター！さらにいずこからともなくバレーボールが飛来し、ロブスターの額に激突した！「アイエエエエエ！」　18

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「わっしょい！」赤黒いスモックを纏った謎のヨウジョが、更衣室から突如出現し、空気を切り裂くような３連続前転と共にエントリーした。そして一瞬の隙も無いオジギを決める。「ドーモ、ロブスター＝チャン。ヨウジョスレイヤーです」「ドーモ、ヨウジョスレイヤー＝チャン。ロブスターです」　19

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「ヨウジョ…脱がすべし」ヨウジョスレイヤーと名乗ったヨウジョが低く押し殺した声でそう告げると、「幼」「脱」とプリントされたパンツが見えた。「そんな…ヨウジョスレイヤー＝チャン、何故…あなたがここに…」ロブスターはプールから上がる。Tシャツの下にはロブスターめいた赤い水着だ。　20

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「いやーっ！」ハサミを構え駆けこむロブスター！だが機先を制するようにヨウジョスレイヤーがビート板を投擲！「いやーっ！」「ぐわーっ！」ロブスターの胸に叩きつけられる！ヨウジョスレイヤーはさらに駆け込み、エビ反り固めを決める！「いやーっ！」「ぐわーっ！」体がエビめいて反る！　21

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「ぐわーっ…ギブな…ギブな…」足の関節の大半を決められたロブスターは、両手のハサミをチョキチョキと鳴らしながら泣き喚き、コウサンして脱衣した。「うわーん！…サヨナラ！」ヨロシサン製薬の放った恐るべきヨウジョは、そのままヨロシチャン製薬の武装送迎バスへと逃げ帰った！　22