『新潟の海に住む生きた化石ヌタウナギ』西山 真樹さん/サイエンスカフェにいがた第75回
ハイギョ。シーラカンスと近い仲間です。肺を持っていて、空気呼吸しています。このなかまが進化して、陸上生物になったと言われています。そのほかにも、西山さん自作のぬいぐるみたちがいっぱい!会場のみなさんにはこれから、ゆっくり見てもらいます。 #ngtsc
2014-03-15 16:13:44休憩
ここで、司会の大和さんから、西山さんに質問。ヌタウナギを食べたことありますか?美味しいの ? 答え:実験で使い終わったものを自分で焼いて食べたのですが、きちんと前処理をしなかったせいか、いまいちでした。歯ごたえはすごいです。 #ngtsc
2014-03-15 16:25:23後半開始
ここから、進化のお話です。カンブリア大爆発!ニュートン別冊の生命史35億年の大事件ファイル がおすすめです。 大昔は背骨のない生き物ばかりでした。5億年前くらいに脊椎動物が出てきました。無顎類の大繁栄。 #ngtsc
2014-03-15 16:28:36そのあと、顎を持つ生き物たち 有顎類が大繁栄して、無顎類は追いやられてしまいました。いまは有顎類のなかのほ乳類が大繁栄している時代。いま、無顎類はヌタウナギとヤツメウナギの2つの仲間だけです。なぜ、彼らだけが生き残れたのでしょうか? #ngtsc
2014-03-15 16:32:46ヌタウナギが絶滅しなかった理由は?エサが取れた?すみかが良かった?子孫を残すよい仕組みを持っていた?ほかにもいろいろあるとおもうので、あなたの仮説を教えてください。西山さんは子孫を仕組みに注目しました。 #ngtsc
2014-03-17 12:06:13動物が子孫を残すしくみ=生殖。 ヌタウナギはオスとメスがかかわる有性生殖をします。ここからからだのホルモンのしくみのお話。 #ngtsc
2014-03-15 16:35:57脳下垂体から生殖腺刺激ホルモン GTHが分泌されます。GTHが生殖腺を刺激して、性ステロイドホルモンが分泌されます。たとえばエストロゲンはメスの体内で卵に栄養を溜めて大きくします。 #ngtsc
2014-03-17 12:06:27顎口類(ブリとかマグロとか)では、GTHと性ステロイドホルモンの仕組みがよくわかってます。無顎類ではまだわかってない。無脊椎動物では、ないらしい、ことがわかっているけど、研究が進んでない。 #ngtsc
2014-03-15 16:42:35GTH=生殖腺刺激ホルモン
西山さんが佐渡に行ってはじめてつくったぬいぐるみは ヌタウナギ!眼は退化、鼻の穴が一個!鼻の周りにはヒゲがはえてます。ドロドロの粘液を出すのは、からだの脇にたくさんある穴からです。 #ngtsc
2014-03-15 16:45:43ヌタウナギのGTHをしらべるために、親不知の漁師さんに採ってもらいました。水深130mくらいに生きているものを、生きたまま実験所へ輸送。そのまま12℃で飼育。 #ngtsc
2014-03-15 16:47:38顎口類では、GTHと性ステロイドホルモンとの間に、フィードバック機構があることが知られています。GTHで刺激された卵巣からエストロゲンが沢山でる(→卵巣の中の卵が十分に成熟する)と、GTHがもう要らない、という信号になり、GTH生産に抑制ががかる機構です。
6年間の研究で、ヌタウナギでも下垂体がきちんと働いていて、GTHとエストロゲンがきちんと働いていてフィードバック機構があることもわかりました。これは、今生きてる脊椎動物の手前でヌタウナギがこの仕組みを獲得したことによって、脊椎動物の大繁栄の基礎となったのではないか、 #ngtsc
2014-03-17 12:06:39