農業の貧困

諸農業問題に関して行ったツイートをまとめています
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zutabukuro @ClothSack

昨今の新自由主義的風潮において貧困は、貧困に陥ったその個人の努力不足だと言われます。しかし、ある産業分野の従事者における貧困(貧しさ)はその産業そのもののもつ性質によって引き起こされてしますのです。その産業分野とは、農業分野です。(続く)

2010-10-30 20:58:29
zutabukuro @ClothSack

農業分野は、なんと経済が発展するに従って相対的に貧困化(貧しくなる)せざるを得ないのです。その他の産業分野において経済発展は、所得の増加に繋がり豊かにするものです。では何故、農業分野は経済が発展すると貧しくなってしまうのでしょうか?(つづく)

2010-10-30 21:03:28
zutabukuro @ClothSack

それは、農業分野が生産している生産物の性質、農産物に生活必需な食品であるという性質があるためです。生活必需な食品には次の三つの性質があります。第一に所得の需要弾力性が低い(弾力的ではない)ことです。(続く

2010-10-30 21:11:48
zutabukuro @ClothSack

所得の需要弾力性とは、所得が増えた際に、あるモノの需要量がどれだけ増加するのかのかということです。その際の需要量の増加が大きいことを所得の需要弾力性が高い(弾力的である)、小さいことを所得の需要弾力性が低い(非弾力的である)と言います。(続く

2010-10-30 21:14:54
zutabukuro @ClothSack

生活必需な食品は、基本的に所得の需要弾力性が低い(非弾力的)です。例えば、所得が二倍になった際に、二倍の量の米を食べるようになる人はまずいません。対して、非農業分野(種に工業、サービス業)は、所得の需要弾力性が高い(弾力的)と言われます。(つづく)

2010-10-30 21:19:15
zutabukuro @ClothSack

そのため、所得が増加した際に非農業分野(種に工業、サービス業)の製品の需要の伸びは、農業部門の製品の需要の伸びを上回るのです。ここで、第二の性質を挙げておきましょう。第二の性質とは、価格の需要弾力性が低い(非弾力的)であることです。(続く)

2010-10-30 21:28:05
zutabukuro @ClothSack

価格の需要弾力性とは、先ほど提示した所得の需要弾力性の価格バージョンです。これは、価格が低下した際に、あるモノの需要量がどれだけ増加するのかのかということです。需要弾力性が高い(弾力的である)、需要弾力性が低い(非弾力的である)は所得の需要弾力性と同じく需要の増加量を示します(続

2010-10-30 21:32:50
zutabukuro @ClothSack

ここでも、農産物は基本的の価格需要弾力性は低い(非弾力的)です。例えば、価格が半分にになったとしても、二倍の量の米を食べるようにはなりません。対して、非農業分野(種に工業、サービス業)は、価格の需要弾力性が高い(弾力的)と言われます。(つづく)

2010-10-30 21:35:49
zutabukuro @ClothSack

つまり、農業部門の製品である農産物の所得・価格の需要弾力性は双方ともに低く(非弾力的)、対照的に非農業分野(工業、サービス業)の製品の所得・価格の需要弾力性は双方ともに高い(弾力的)だといえます。この性質の差が、農業分野と非農業分野のが経済発展から受ける影響の差に繋がります(続く

2010-10-30 21:46:14
zutabukuro @ClothSack

加えて、農産物が生活必需な食品であるということからくる性質の最後のものとして、食べられるモノであるという性質が追い打ちをかけます。食べられるモノであるということは食べてくれる人が少なくなれば、需要は小さくなります。(続く)

2010-10-30 21:51:58
zutabukuro @ClothSack

基本的に経済発展が進むにつれ(先進国になるにつれ)人口の増加は鈍化していきます。人口の増加が鈍化しても、非農業分野(工業、サービス業)の製品は一人が二つ持つことなどで需要の維持拡大ができますが、農業部門の製品である農産物の場合はそうはいきません。(つづく)

2010-10-30 21:55:32
zutabukuro @ClothSack

まとめると、非農業分野(工業、サービス業)の製品の所得・価格の需要弾力性は高く(弾力的)であり人口の増加率が鈍化しても需要をある程度維持拡大することができますが、農業部門の製品の所得・価格の需要弾力性は低く(非弾力的)で人口の増加率が鈍化することで需要の伸びが停滞します(つづく

2010-10-30 22:01:44
zutabukuro @ClothSack

これを、現代の先進国の状況に当てはめてみましょう。先進国は経済が発展し、所得の水準が高い状態になっているので、所得の伸び率が小さく需要弾力性が高く(弾力的)出なければ需要の大きな増加は見込めません。加えて、ほとんどの先進国は人口の伸び率が鈍化、或いは減少しています。(つづく)

2010-10-30 22:07:21
zutabukuro @ClothSack

各産業部分ともに技術革新が日進月歩で進行し、生産性の向上や新製品の開発に明け暮れています。ここで重要なのは、農業分野においては新製品(新種の作物)を作りだすのが他の産業分野と比べ困難な点です。生産性の向上という努力をした場合、一般的に供給量が増加するので価格が低下します。(つづく

2010-10-30 22:23:44
zutabukuro @ClothSack

このような状況では、製品の所得・価格の需要弾力性は高く(弾力的)であり人口の増加率が鈍化しても需要をある程度維持拡大することができる非農業部門(工業、サービス業)の、価格の低下を総需要の伸びが大きく上回りそれに伴って非農業部門従事者の総所得が増加していきます。(つづく)

2010-10-30 22:30:48
zutabukuro @ClothSack

それに対して、製品の所得・価格の需要弾力性が低く(非弾力的)人口の増加率が鈍化することで需要が停滞しやすい農業部門では、努力して生産性を高めるほど価格が安くなるので、それほど伸びない需要を価格の低下が上回り、農業従事者の総所得が減少してしまうのです。(つづく)

2010-10-30 22:39:57
zutabukuro @ClothSack

したがって、価格の低下を総需要の伸びが大きく上回り総所得が増加する非農業部門と、需要の伸びを価格の低下が上回り総所得が減少する農業部門の間に格差が生まれ、農業部門は非農業部門に対して相対的に貧困化(貧しくなる)してしまうのです。(つづく

2010-10-30 22:44:32
zutabukuro @ClothSack

昨今の農業政策は、小さくなったパイを少人数で食べろや需要ではなく供給を減らすことばかりを考えているように思えます。小さくなったパイを少人数で食べたとしても分野全体は貧困化していきます(最期の一人だけしか生活できません)、(つづく)

2010-10-30 23:00:06
zutabukuro @ClothSack

需要大きくすることではなく供給を減らすことばかりを主張しても、一度下がった物価は簡単にには上昇せず、しかも国内需要は減少ずる一方です。最も重要なのは需要を拡大する政策のはずですが、その全容が一向に見えてきません(水面下では動いていますが・・・)(つづく

2010-10-30 23:05:07
zutabukuro @ClothSack

農業従事者が他の産業分野に労働力移動すればよいという考える方がいるかもしれませんが、ことはそう単純ではないのです。今日はこの辺にしておきますかね。

2010-10-30 23:07:32