昨日発生していたサイトログインできない不具合は修正されております(詳細はこちら)

「千の想いを」~第一章・出撃命令・固定イベント#5~

タイムライン上で繰り広げられる読者参加型艦これ二次創作ストーリー『千の想いを』 ~第一章『出撃命令』~(固定イベント#5『千代田と千歳』) すれ違っていく艦娘たちの想いをここにまとめます。 ←前 http://togetter.com/li/642671 次→ http://togetter.com/li/645950 続きを読む
0
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

【第一章『出撃命令』固定イベント#5『千代田と千歳』開始】 【ドッグ2階集中治療室 1800】 【介入制限・介入不可】

2014-02-26 22:57:11
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

エレベーターを待つわけがなかった。階段を3段飛ばしで駆け上がる。1輪の花を手にゆっくりと上っていた子の脇をすり抜け、驚いた顔の相手に「ごめんねっ!」と伝えながら段差を登り切り、踏み込んだ右足のつま先を軸に90度方向転換する。きゅきゅきゅっ、と小気味良い音を残して廊下をひた走った。

2014-02-26 23:03:12
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

目当てのドアの数メートル前からブレーキ開始。前に進もうとする勢いが消え切る前からドアノブを掴み、扉を一気に開く。 「お姉っ!」 個室なのは知っている。なら大声出していいのかという問題はこの際無視をする。 見開いているお姉の目と目が合い、一気に胸から頭の先まで熱が駆け抜ける。

2014-02-26 23:09:22
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

「良かったぁっ! 大丈夫っ!? 痛いところ無い!?」 ベッドの傍に滑り込み、半身を起こしているお姉に顔を寄せる。抱き着こうとする意思と身体をギリギリで抑制させた。

2014-02-26 23:11:51
第十五支援艦隊 千歳 @titosedesu

千代田…。心配かけてごめんね。 私は大丈夫だから。

2014-02-26 16:30:44
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

微笑みと一緒に、あたしの頬に手を伸ばしてくる。触れられてお姉の体温を感じて、安心感が高揚感を超えてさっき生じた感情の熱をふわふわした何かに溶かしていく。 「心配どころじゃないよもう…!」 前髪の下に巻かれた包帯が一瞬だけ不安を煽る。頭部以外の怪我が無いのは知っているけれど。

2014-02-26 23:17:06
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

お? ことり、という音に背後を肩越しに見れば、窓際の丸椅子に腰掛けて天龍がリンゴの皮を剥いていた。あたしの存在に気付いていないような澄まし顔で、不自然な程丁寧に果物ナイフを動かしている。 「なんであんたが居るのよ」 思わず呟くけど、返事は来なかった。こっちを見ようともしない。

2014-02-26 23:21:18
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

皮を剥き終えてから芯を取り除き、身を完璧に8等分して皿に並べてから、天龍が立ち上がり出口へと歩き出す。

2014-02-26 23:24:07
第十五支援艦隊 千歳 @titosedesu

あ、ありがとう天龍さん。 もう行くの? 気にしないで居てくれていいのよ?

2014-02-26 16:31:53
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

…? お姉の言葉の中に、微かに「必死さ」とかそういう気配を感じた。どうしてもこの場に残ってほしいような、懇願に似た響きが。 相手は完全に無反応で、返事どころか足を止める素振りすら見せない。 …。 病室の壁際の荷物置き場に、大量の果物があるのに気付く。 昨夜は絶対に無かった。

2014-02-26 23:28:10
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

…。 歯ブラシやタオルなんかもある。雑誌も1冊。 「待ちなさいよ天龍。あんた今日の業務サボったのって…」 足は止めないまま、肩をすくめられた。

2014-02-26 23:32:18
第十五支援艦隊 天龍 @15tennryuu

龍田に頼まれただけだ。 後は千代田にでも切ってもらえ。

2014-03-02 10:51:00
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

「嘘ね」 天龍は嘘をつく時は相手の顔と目を見ない。ましてや、お姉が不在で龍田さんが多忙なのはわかるけど、倉庫整理の仕事があるのをわかっていてそんな頼みを龍田さんがするわけがない。 「本来あたしのすべき事でしょ、どうしてあんたが抜けてやっちゃうのよ…!」

2014-02-26 23:36:19
第十五支援艦隊 天龍 @15tennryuu

…サボリだって言っただろ。 なんでお前に譲ってやらなきゃいけないんだ。ふざけた事言ってんな。 じゃあな。

2014-03-02 10:51:52
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

それだけを言い残し、ノブを回して天龍が部屋を出て行く。 釈然としない思いを抱きながらも、これ以上は引き留めない。何を言ったって無駄だろうから。

2014-02-26 23:38:01
第十五支援艦隊 千歳 @titosedesu

天龍さん、本当にありがとうね…! 今度改めてお礼するから!

2014-02-26 16:32:52
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

聞こえていないわけがないのに、完全に無視してあいつが廊下に消える。ドアが閉じた後もしばらくそっちを見ていた。お姉の感謝に対しての態度が気に入らない。 不意にお姉の指先があたしの手の甲に触れた。あたしがそれに気付くのと同時に手を握られる。 …何か違和感を感じたけど気のせいよね。

2014-02-26 23:42:04
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

「ねぇ、本当に大丈夫? 無理とかしなくていいんだからね…!?」 身体と顔を改めて向けてそう伝える。ぎゅっと握ってくるお姉の手にもう片手を乗せて、もう離したくないとすら思えた。 なんだろう。どこが、とはっきり言えないけれど。 少し悲しそうなのはなんでだろう。

2014-02-26 23:46:24
第十五支援艦隊 千歳 @titosedesu

…ねぇ、千代田。 天龍さんから聞いたんだけれど…。 救助を放って本艦に戻ったって本当なの?

2014-02-26 16:33:40
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

心臓が。 ぎゅっと握り締められたかと思った。 「う、うん…」 全部任せた天龍にも、提督にも龍田さんにも何も言われなかったんだから大丈夫だと、自分に言い聞かせていた。 悪い事をしたんじゃないと、思い込んでいた。

2014-02-26 23:48:55
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

心臓の次は頭か。 ハンマーで叩かれたのかと思った。 どうして? どうしてって言われるの? 「…お姉が、お姉の事が心配だったからに決まってるじゃない」 駆け付けるのが正解だと思った。お姉が傷付いたのだから。 この瞬間まで疑わないようにしていた、信じていた。 それらが全部。

2014-02-26 23:51:16
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

それらが全部、壊れて崩れて踏まれて消えていく感覚。 「お姉が心配だったから…!」 あ、ヤバい。泣きそうだあたし。

2014-02-26 23:52:46
第十五支援艦隊 千歳 @titosedesu

それは嬉しいわ。本当よ、千代田。 でもあの時の私達の任務は、暁さん達を救助する事よ。 天龍さんが頼りになるのはわかってるわ。でも、それで全て任せていい理由にはならないわ。 もう二度とそんな事をしないで…?

2014-02-26 16:36:27