【twitter小説】水中に沈む花#3【ファンタジー】

スキュラの住む観光都市を訪れた二人の観光客。彼らはこの街の名物を観光しに来ましたが、二人はそこでアクシデントに見舞われます。小説アカウント @decay_world で公開したファンタジー小説です。この話は#4まで続きます
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減衰世界 @decay_world

 そして二人は外の赤い靄の中へ消えていった。靄は濃く、姿はすぐに見えなくなる。フィルは立ち止って扉を閉めると、辺りは静かになった。フィルの物だろうか、それともレッドの物だろうか。光源がひとつ神殿内に浮遊していた。 83

2013-11-01 17:09:28
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「グレイソフィア様、私はあのひとたちにあって間もないのですが、何故か信じられる気がします。何か大きな力を秘めているような、そんな予感が……」  グレイソフィアは語りすぎたのか、神像の輝きも無くなり黙ってしまった。しかし、その波動は心地よく、メギッサを安心させた。 84

2013-11-01 17:14:34
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 しばらくして、大きな地響きが神殿全体に響いていった。何が起こっているのだろうか? あの二人が何かをしたのだろうか。 ”ウオオオオオオオオ…………”  化け物の発する囁きが遠くから響いた。 85

2013-11-01 17:18:26
減衰世界 @decay_world

 あのひとたちは……何もかも……めちゃくちゃにして……ひっかきまわしていく……台風のような……。グレイソフィアの意思がメギッサに伝わった。本当にあの化け物を倒してしまうのだろうか。しかしレッドは湖に泳いでいった際に溺れているのだ。 86

2013-11-01 17:21:19
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 普通の方法ではまた溺れてしまうだろう。彼らは何をしようとしているのだろうか。しばらくして、さらさらとした水の音が聞こえてくる。その水の音は次第に大きくなっていく。濃い水の匂い。神殿の近くに水が流れているのだろうか? 87

2013-11-01 17:24:22
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 水音はすぐに轟音となり、神殿を揺さぶるほどの勢いとなった。メギッサはグレイソフィアの神像にしっかりと掴まる。次の瞬間……大量の水が扉を押し開けて神殿の中へ流れ込んできた。 88

2013-11-01 17:28:02