竹信三恵子『家事労働ハラスメント』岩波新書、2013年 書評

フォロワーのはと(@kotahato)さんが紹介した本を読んでレビューしてくださいました。まとめました。
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こたはと @kotahato

【第二章】貧困の温床となる専業主婦の巻。 杉並区で、待機児童をめぐるデモがあったこと覚えてる覚えてる。 ここで引用されている政治家の発言には、やっぱぐぬぬってなる。「子育ては本来家庭で行うもの」っていつのどこから来てるんだろう。昔ならむしろ近所という社会で育てていたと思うのだが。

2014-03-24 18:59:44
こたはと @kotahato

幼児の頃は忘れたが、幼稚園~小学校中学年までは、帰宅時に家の鍵が開いてなかったら隣のおばあさんのお家に遊びに行ってたな。我が家は共働きの三世代同居であったから、基本的に家には祖母が居た。祖母も居なけりゃご近所さんが居た。そうもいかない人や地域も多いよね…。

2014-03-24 19:02:22
こたはと @kotahato

低所得の夫&専業主婦=貧困主婦の話。 親の学力が低い→低賃金の仕事しかない=保育・家事を外注する余裕がない→専業主婦を選んだ、という家庭の場合、その親が勉強を教えられるか?と考えると、ここから更に将来の格差が生まれるという懸念があるのか。

2014-03-24 19:02:31
こたはと @kotahato

ビッグイシューは女性に販売させない話。女性でホームレスと分かると危険だから、だそうだ。確かに男性が売ってるとこしか見たこと無い。女性ホームレスは男性よりも隠れなければならない。隠れていると目につかない。そして存在することすら忘れられる…。

2014-03-24 19:02:58
こたはと @kotahato

【第三章】法制度について。 ああ国民健康保険料の話は我が身の話。たっかいんすよアレ。 所得税法五十六条、妻や家族の報酬は経費に入らない、とのこと。ほへー。会社勤めしてると自営業者のことが分かりにくいんですよね。

2014-03-24 19:38:49
こたはと @kotahato

 母も自営業で、出産直前まで働いてました。仕事が忙しい時期に妊娠なんかするなと怒られたという話を聞きました…。家事・育児・介護に加えて会社の営業・問い合わせ対応を一手に引き受け、更に自分の仕事として訪問販売も行っておりました。PTAもしてた。大人になって気づく凄さ。

2014-03-24 19:39:04
こたはと @kotahato

七生養護学園の話が出てる! (知ってる話題が載ってると、内容についていけてる感があっていいですね。)人形を使った性教育が「行き過ぎている」として処分された話。これを夫婦別姓制議論などからの揺り戻しの一つとして挙げているのですね。

2014-03-24 19:39:11
こたはと @kotahato

家族経営協定の話。 へー、そんな動きがあるんだ。 「必要な時に言ってお金をもらう」という形、多いけど、「文句言わずに出してるからいいだろ」に押されて「一々お伺いを立てなきゃいけない」「急に入用になった時どうするのか」「自分に遣うお金は欲しいと言い出しにくい」てのが隠れるんだよね。

2014-03-24 19:39:30
こたはと @kotahato

膿家脳の話とか読んでると、この節が爽やかすぎて(2ch脳)

2014-03-24 19:39:42
こたはと @kotahato

厚労省の「ニート」の定義に家事手伝いは入らない話。感覚的には納得しちゃうんだけど、それって「せめて家のことくらい手伝えよと言われたニート」と何が違うのかと言われると、脳内で勝手に家事手伝い=女性、ニート=男性、としちゃってるのよね。そして、「家事手伝い」は自立支援の対象外となる。

2014-03-24 19:39:55
こたはと @kotahato

まじめに読んでるのに 「M検」という性器を露出させて行う性病検査の実施 という行に差し掛かった瞬間に画像検索したよね wikipediaも読むよね よし、某防衛組織も民間軍事組織みたいなもんだし、M検しようぜ! ※まだ深夜じゃありません

2014-03-24 19:52:08
こたはと @kotahato

【第四章】男性の苦しみ。 夫の育児時間は、妻が長時間働いているかに相関するという話。面白い。 ジェンダー、専業主夫、ワーク・ライフ・バランスと何度波が来ても、不況なんかで容易く戻される。イクメンを企業に認めさせるには「育児で仕事の生産性が上がる」という方向で行くしか無い。切ない。

2014-03-24 20:04:58
こたはと @kotahato

私の彼は料理も掃除も好きだし、子供ができたらいっぱい一緒に居たいと言っている。でも、多分それは難しいなということが見えている。先輩社員は皆、いつも会社に居る。そんな働き方は嫌だと嘆くが、転職はどうなるか分からないし、今まで積み上げたスキルもある。彼が未来を悲観すると、私も哀しい。

2014-03-24 20:06:38
こたはと @kotahato

確かに乳児期はとても忙しいけれど、育児は産後一年で終わったりしない。幼児になっても児童になっても、いっぱい一緒に見ていたいと思う、それは父も母も変わらないんじゃないかと思う、のにな…。 働き盛りと出産時期が被るんだよ。ていうか仕事はいつでも休む暇が無いじゃないか。

2014-03-24 20:11:21
こたはと @kotahato

【第五章】ブラック労働。 「感情労働」。自分の感情を調節することを職務にする人々が行う精神・感情の労働を指す造語。そうそう、接客でいつも笑顔とか凄いスキルなのよね。…日本はスマイル0円、笑顔と愛嬌はタダや!の国だからな…。

2014-03-24 20:41:43
こたはと @kotahato

デンマークでは「利用者にとっては自宅だが、訪問介護者にとっては職場」だから家具の移動など、やりやすいように環境を整えてから訪問介護を開始する、とのこと。ふえー。そんな発想すらなかったわ…。”介護者が”移動しやすいようにはするけど。

2014-03-24 20:41:51
こたはと @kotahato

同居の家族が居るからこのサービスは受けられません→仕事辞めるor孫が就職せずに介護する 話…聞いててキツイ…。失礼な話、介護者がお亡くなりになっても、その家族の人生は続くわけで。そして現在の日本は、職歴の空白はものすごいハンデなのでありまして…。

2014-03-24 20:41:59
こたはと @kotahato

ブラック化するケア労働を上げる本章、ワタミ、よし牛から介護ヘルパーに行って、図書館司書に飛んで、風俗業界に着地した。家事の延長、ケア、対面して感情を整える労働。役所に相談しに行ったら、暗に風俗行けよ女だろと言われたという話も聴こえる昨今。うぐぐー… となったところで次の章へ。

2014-03-24 20:42:08
こたはと @kotahato

【第六章】海外での取組み。 正社員と同程度の時給を保証されたパートタイム労働を選んだオランダ。60年前は女性は公務員禁止で結婚したら退職する法律があったのですって。へえー。男女がフルタイムで働いて育児を公が担うスウェーデン。そして、インドネシアのメイド産業。

2014-03-24 21:03:37
こたはと @kotahato

日本も東南アジアからメイドを!て動きがありましたが、嫌な予感しかしない。 嫁いびりという単語がきっちり生存してる状態で、嫁より弱い立場の人が家庭という密室にいるなんて、嫌な予感しか。

2014-03-24 21:05:02
こたはと @kotahato

【終章】今後どうすべきか。 はい!出ました「主婦の家事労働を時給換算したらこんなに高い」! これを夫に言っては、「で?」とフフン返しされる図の多さよ!(※2ch脳)その試算よりも稼げなくなるから、パートに出ない方が得だね、ってなってきたやつ!

2014-03-24 21:30:01
こたはと @kotahato

正直「で?」ってなる。換算されたところでそのお金が手に入るわけではないから。外に働きに出たとして、その分の家事を男性が担ってくれる未来が見えないから。結局働きに出ることは、家事も仕事も両方やる、という過労を選ぶだけにしか見えなくなってるのです。このイメージ、どこから来たのか。

2014-03-24 21:31:16
こたはと @kotahato

個人の問題じゃないよ! 仕組みの問題なんだよ! という終章でした。そういう、一段大きな枠組で見ることって、なかなか自分ではできないのよね。本を読んで良かった、と思えるところ。

2014-03-24 21:31:26
こたはと @kotahato

【あとがき】う、うああ。「自分には関係ない」という周囲の反応のオンパレード。 家事と職場での労働は別。パブリックとプライベートは別。だから触れない。「家庭に問題が起きて大変」は考慮されても「家事と育児で大変」は考慮されにくい。皆そうでしょ、って。くっついてるんだけどな!

2014-03-24 21:31:50
こたはと @kotahato

おしまいっ。結構最近の本だったー。知ってる出来事がいっぱい出てきてすんなり入っていけたよ。もっとジェンダーとかフェミニズムの話がでてくるかと思ってたらそんなことなかった。仕組みを考える、ってところが興味深いというか、私の脳には新しかった。

2014-03-24 21:33:37