和尚と若僧2

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伊月遊 @ituki_yu

  「さ、あなたの好きな様に」 青年は再度喉を鳴らす。 そして、その豊満な乳房に震える手を伸ばす。 青年はその肉感に圧倒され、ただ怖々と女の乳房を揉みしだいていた。 女の艶っぽい声が部屋に響き渡る。

2014-03-30 15:17:25
伊月遊 @ituki_yu

瞬間、青年の頭の中が空白になる。 そして。 おきゃああああああああああああああああああああ。   ぱーん。 ぱーん。 ぱーん。 青年は喉から怪鳥の様な砲叩を絞り出しながら、女の胸を叩き続けた。 うどんの様に、狂ったかの如く。 打。 打。 打。 打。 打。

2014-03-30 15:20:51

 
 
 
 

伊月遊 @ituki_yu

  「それ以来、会ってないのぅ―――」 老僧は庭をじっと見つめている。 若僧は俯き、黙っている。 静寂が辺りを包んでいた。 長い長い間。 ゆっくりと若僧は顔を上げ、ぽつりと呟く。 「たまりませぬ」 「たまらぬな」 老僧は冷えた湯飲みの水面を見つめている。

2014-03-30 15:23:27
伊月遊 @ituki_yu

  と、雪が止んだ。 若僧は立ち上がり、何も言わず襖を開ける。 そして老僧をちらりとも見ず、襖の奥に消えていった。 ちちち。 駒鳥が空へと羽ばたく。 老僧はそれを追うように空を見上げる。 駒鳥が完全に見えなくなっても、老僧は空を見つめていた。

2014-03-30 15:26:05