孫泰蔵さんが、「日本が教えてくれるホスピタリティの神髄」を読んで考えたことまとめ
東京随一のラグジュアリーホテルとして一世を風靡したパークハイアット東京のGM(総支配人)を経て、ザ・ペニンシュラ東京を立ち上げた現GMのマルコム・トンプソン氏は、ホテルの「良いサービス」の定義として①予測、②フレンドリー、③柔軟、④パーソナル・タッチ、の4つを挙げている。
2010-11-01 09:29:15①「予測」:顧客のニーズを事前に察知し、顧客が「お願い」という前にサービスを提供することによって、まるでそのサービスがたまたまなされたかのように顧客がその労に気づかないのが、本当に優れたサービスである。
2010-11-01 09:29:22②「フレンドリー」:経営者であろうと誰であろうとできる限りサービスの現場に立ち、お客様と直接触れ合えるように心がけ、お名前で呼びかけたりきちんと挨拶をすることで顧客は驚くほど好感を持って迎えてくれる。
2010-11-01 09:29:29③「柔軟」:スタッフに責任と権限と裁量を持たせ(エンパワーメント)、顧客になにか問題が起きたときには、それを聞いたスタッフがただちにその場で臨機応変に解決する。顧客はスタッフの親しみやすさと前向きな姿勢を高く評価する。
2010-11-01 09:29:34④「パーソナル・タッチ」:現代の顧客は「このホテルは自分を客として大切にしてくれる」ということに至上の価値を置く。顧客の期待値を超えて満足と感動を届けるためにはホテルのスタッフ全員が顧客一人ひとりに心を配ることが最も大事である。
2010-11-01 09:29:39マルコム・トンプソン氏は、ホテルとは、顧客に幸福を届ける「サンクチュアリ」になるのが究極のミッションであると言い切る。サンクチュアリとは、人々が日常生活から抜け出して憩うことのできる聖域・保護区であり、明日への活力を取り戻す場である、と彼は定義している。
2010-11-01 09:29:45トンプソン氏「イギリスの詩人、サミュエル・テイラー・コールリッジの言葉を紹介しましょう。『人生の幸福とは、ささやかなことから成り立っている。笑顔、優しいまなざし、心からのほめ言葉、など』。スタッフが「楽しい」という感覚をお客様と共有することでお客様は幸福感を享受なさいます。」
2010-11-01 09:29:51彼は京都の旅館にいたく感動し、そこで「おもてなし」の心を学んだ。そして彼はホテルに日本の旅館のサービスコンセプトやエッセンスを取り入れ、融合させるべきだと確信した。それがパークハイアット東京やザ・ペニンシュラ東京の成功につながっていると言っても過言ではないだろう。
2010-11-01 09:29:57トンプソン氏「日本は江戸時代からの旅行大国であり、また、古くから湯治という心身をいやす伝統があります。そのような古くからの伝統・文化の厚みを継承した伝統的旅館はまさに「サンクチュアリ」であると言えると思います。」
2010-11-01 09:30:03彼は柊屋(ひいらぎや)の玄関に掲げられている一幅の額に感銘を受けた。「墨痕鮮やかに描かれた言葉は、次の四文字です。『来者如歸(らいしゃにょき)』。お客様には自分の家に帰ってきたようにくつろいででいただき、一家の主が旅から帰ってきたような気持ちで温かくもてなす、という意味です。」
2010-11-01 09:30:08トンプソン氏「ホテルもまた同じです。ホテルがお客様に対して言える、最も素晴らしい言葉があります。しかもそれはいちいち口に出さず、行動で示すべき言葉なのです。紹介しましょう。『お帰りなさいませ!戻っていらっしゃると思っていましたので、準備は万端に整えてあります』
2010-11-01 09:30:15彼の言葉には私たちが学べることもたくさんある。ホテルがもっと好きになった。マルコム・トンプソン氏著「日本が教えてくれるホスピタリティの神髄」(祥伝社)を読んで、今朝はこんなことを学んだ。
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