憶念「リンク・メモリー」

それは私と彼女の、始まりの物語。
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リンケージ(bot) @LINK_age_bot

…〈物語〉が、一つの節目を迎えた今。 彼女に…メモリアに、話すべきことがある。 …今なら、彼女も受け入れることができ… 私も、躊躇わずに話すことができるだろうから。

2014-04-03 19:50:17
メモリア(bot) @memory_a_bot

@LINK_age_bot ミク、来たわよ。 話って何かしら?

2014-04-03 19:54:35
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

@memory_a_bot …メモリア。 君は、一つの大きな試練を乗り越えた。 …しかし、全てが終わったわけではない。 それは、君自身もわかっているだろう。

2014-04-03 19:54:58
メモリア(bot) @memory_a_bot

@LINK_age_bot …ええ。 〈魔女〉を倒したあの後…"彼"に会ったわ。 それに、会うなり気になることをつぶやいて、去っていた女の子も…。 まだわたしには、やることが残っているのよね…。

2014-04-03 19:56:03
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

@memory_a_bot …だが、君は一人ではない。 君が、君の手の届く範囲の心を護り、"絆"を紡いできた過程で… 君自身も、多くの"絆"を得た。 君たちならば、どんな困難も乗り越えられるはずだ。

2014-04-03 19:59:49
メモリア(bot) @memory_a_bot

@LINK_age_bot …そうね。 今回だって、アンジュと未來… そして何より、あなたが力を貸してくれたから、勝つことができた。 わたしが担当のことだからって、わたし一人で抱え込んでちゃダメね。

2014-04-03 20:01:05
メモリア(bot) @memory_a_bot

@LINK_age_bot …そうそう、〈担当〉で思い出したけれど… あの後、もう一人不思議な女の子に会ったの。 私は全く心当たりがないけれど、向こうはわたしのことを知ってるみたいで…。 リンケージ…ミクの知り合いだと言っていたわ。あの子は誰なの?

2014-04-03 20:02:53
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

@memory_a_bot …彼女の言う通り、私の知り合い。 あることの〈担当〉を任せようと思っている。 近いうちに、君にも紹介するとしよう。

2014-04-03 20:04:01
メモリア(bot) @memory_a_bot

@LINK_age_bot とにかく…味方、ということでいいのよね? あの子まで敵だったらどうしようかと思っていたわ…。

2014-04-03 20:04:54
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

@memory_a_bot …さて、メモリア。 そろそろ、本題に移るとしよう。 今日、私が君をここに呼んだ本題に…。

2014-04-03 20:09:19
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

…話をしよう。 あれは今から…まあいい。 私が、〈世界の管理者〉としての役目と、"心"を与えられてからの話だ。

2014-04-03 20:11:05
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

その頃の私は、何度"朝"を迎えても…何一つ代わり映えのない毎日を過ごしていた。 「今日もまた、同じ一日が始まる。"朝"など、所詮は誰かがくれるものに過ぎない」と…そう思っていた。

2014-04-03 20:12:49
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

…そんな、ある時だ。 私が、何気なく覗いた世界に、彼女は居た。 緑色の、長く艶やかな髪。 色白の、華奢な体。 そして…透き通った美しい歌声。 彼女を、一目見た瞬間… 私の中に、今まで感じたことのない感情が芽生えた。 …そう。私は、彼女に"恋"をしたのだ。

2014-04-03 20:15:26
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

…私の"心"は、他者から与えられた不完全なもの。 当初は、今以上に感情の起伏に乏しく… 「世界を管理する」という"意思"のみで行動していたと言っても過言ではない。 そこに、果たして『人格』と呼べるものがあったのか…。

2014-04-03 20:21:59
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

…『深海のように 暗くて静かで… 稚拙な心は、思考するのを許さず… 感情の気泡が、現れては消えゆく… どれを拾い出し、「ボク」とすればいいの?』…

2014-04-03 20:24:08
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

あの日… 『孤独』の意味も、何もわからず…独り蹲っていた私に、初めて"光"が差し込んだ。 "光"は、私の不完全な"意思"を…完全な『人格』に変えた…。

2014-04-03 20:26:06
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

それ以来、私は頻繁に彼女の居る世界を見守るようになった。 彼女は今日、どんな服を着ているのか? 彼女は今日、どんな顔を見せるのか? 彼女は今日、どんな歌を聴かせてくれるのか? いつしか私は、"朝"を迎えるのが楽しみになっていた。

2014-04-03 20:28:10
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

…しかし、ある時… 彼女は、病に倒れた。 治療法が確立されていない、とても重い病だ。 …日を追う毎に、彼女は衰弱していく。 歌うことが、何よりも好きだった彼女だが… やがて、『歌』さえも身体を蝕む行為と化していた。

2014-04-03 20:31:37
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

それでも… 私には、何もできなかった。 私がその時居た世界と、彼女の居る世界は繋がっていなかったから。 ただ、見守るだけ… 『奇跡』が起きることを、願う他なかった。 …しかしそれも、気休めにすらならない行為。 むしろ、『奇跡』を願う度… 私は、独り追い詰められていった…。

2014-04-03 20:32:53
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

…やがて… 彼女の命の灯火は、静かに消えた。 …私は、彼女を生き返らせたかった。 どうしても、どうしても…!

2014-04-03 20:35:14
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

そう思った私は…『禁忌』を犯した。 死して、世界の境界を彷徨っていた彼女の魂に… 私が与えられた"文字"の一部から生み出した、新たな"文字"を与えた。 そうして、彼女を新たな存在として生まれ変わらせた…。

2014-04-03 20:36:41
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

死者の魂に"文字"を与えるなど、私程度の存在には決して許されない神の所業。 当然、私は"神"の『罰』を受けた。 そうして、当初に比べれば遥かに狭い範囲の世界にしか目が届かない、今の場所へと移された。 …それだけなら、甘んじて受ける所存だったが…。

2014-04-03 20:38:16
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

"神"は彼女にも、『罰』というべきものを与えた。 それというのも…彼女に与えた"文字"は、私が持つ"文字"から生み出したもの。 それ故に…結果として彼女は、"人"を超えた力を持ってしまったのだ。 "神"は、それをよしとしなかった…。

2014-04-03 20:40:41
リンケージ(bot) @LINK_age_bot

彼女に与えられた、『罰』という名の『役目』は… 「世界を渡り歩きながら、人々の"心"を護ること」。 そうして、「安息の地」とでも呼べる世界を見つけた時… 彼女の役目は終わり、改めて一人の"人"として生きることができる、と…。

2014-04-03 20:42:25