さぁ僕が考えた熊の話をしよう。

結城幸司さんによるお話です。 ちなみに、ヘペレはアイヌ語で生まれて一年以内の幼い小熊のことです。
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熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

僕はアペカムイにお礼を言って母さんの言葉を考えていたら、大きなアクビがでてスィエスィエ(ユルユル)してモコロモコロしてしまった

2010-11-07 15:04:05
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

目が覚めてポンムィと遊びにいってコタン(村)の子供たちと仲良くなって、木の実も沢山もらって夜はポンムィとモコロしたり、アペカムイと話したり

2010-11-07 15:06:57
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

楽しいな日々は何日も何日も続いた、ミチィははんの木でおしゃぶり作ってくれたり、ハポはポンムィの弟ができたと喜んでくれるしエカシはヒゲを使ってコショコシヨしてくれた

2010-11-07 15:11:16
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

楽しくて楽しくて何日も何日も過ぎて行った。僕は人間の世界が大好きになった、でも不思議な事にポンムィは小さくなって行く、ポンムィだけじゃなく

2010-11-07 21:47:01
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

他のコタンの人々も、チセも小さくなって行くみたいだ。僕はアペカムイに聞いてみたら『はっはっはヘペレそれはお前が大きくなったんだよ』僕は驚いた

2010-11-07 21:50:53
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

笑ったあとアペカムイは真剣に話した『ヘペレ、お前はカムイだから人間の何倍も育ちが早い、もうすぐこのチセの中で人間と暮らせなくなるだろう』僕は悲しくなった

2010-11-07 21:55:38
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

『さっきもミチィとハポが話していたがコタン全体から食べ物を貰わないと追い付けなくなってきた、ヘペレはよくたべるからね(笑)』僕は恥ずかしくなった

2010-11-07 21:59:03
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

『だからもうすぐエカシがその事をお前に話にくるだろう、既にコタンの中にお前の家は作り初めているからね』少しさびしかったが僕はアレスカムイ人間に育てられたカムイであるから

2010-11-07 22:03:08
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

母さんの言う人間との約束を守る事にした。すると入り口の方で咳払いをしながらエカシが若いアイヌを連れて入ってきた。僕はおとなしく首に縄をかけられチセを出ようとしたらエカシが

2010-11-07 22:07:18
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

「まるで私たちの気持ちがわかっているようだ、賢いヘペレだな」と言うと若い者はうなずいた。しかしポンムィだけは泣きながら「ヘペレを何処に連れてゆくの、ダメだよ、連れて行っちゃダメだよ」と泣いていた

2010-11-07 22:11:40
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

エカシは「もう一つの家族では、面倒見るのは無理だからコタン全体でヘペレを面倒みるんだよ」と言った。僕はポンムィをペロッとなめた。ポンムィは着いて来た。

2010-11-08 01:05:44
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

ヘペレセッとアイヌたちは呼んでいる四角いところに着いた。その建物の上に若い者が乗り下の若い者が縄を渡して僕をグイグイ引いていた。『上から僕を入れたいのかな』と考えた

2010-11-08 16:25:46
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

僕が嫌がると思ってたらしい、ヒョイと登ると上の若者はバランスを崩して下に落ちた。「あたたっ」と若者がお尻を撫でながら走り回ると皆いっせいに笑っていた

2010-11-08 16:29:58
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

エカシは「ヘペレの聞き分けの良さには参った参った」と白い髭をなでながら笑っている。さっきまで泣いていたポンムィも笑顔に戻って「ヘペレ毎日来るからね」と僕の大きくなった足を撫でた

2010-11-08 16:33:27
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

ここはコタンを見渡せる高い場所、遠くには僕の生まれた山も見える、チセよりは寒いけれど、僕の為に建ててくれたもの。私はアレスカムイ人間とともに生きるカムイであるから、何とも思わない

2010-11-08 16:37:44
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

それに晴れた夜には母さんの居る月とお話できる、皆が去ったあと月を眺めながらゆっくりとコタンの皆がくれた山葡萄を食べながらそれぞれのチセの灯りがゆれるような風を感じていた

2010-11-08 16:43:42
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

それからまた 楽しい毎日は続いた。毎日毎日コタンの皆が「ヘペレ、ヘペレ」って代わる代わる声をかけてくれた。アペカムイから人間の言葉を教わったので、話せないが話は聞けた

2010-11-08 16:48:10
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

端っこのチセの夫婦は喧嘩したりベタベタしたり、その隣のチセの子供は今日もおねしょして怒鳴られたり、はす向かいの女の子はムックリの綺麗な音を出していたり

2010-11-08 16:52:19
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

ポンムィは弓の練習ばかり、きっとミチィのような狩りの名人に成りたいんだな。ホントに人間は可愛くて素晴らしい生き物、丁寧で優しい生き物なんだなと僕は毎日毎日思っていた

2010-11-08 16:56:26
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

そんな毎日がつづいたある日、コタンの離れたところから、きいたことのない人間の声が沢山聞こえた。村に近づくとその中でも一番の年寄りが

2010-11-08 17:00:03
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

読みにくいヘペレをつづけますw…その中でも一番の年寄りが咳払いをコタンの外れですると、エカシの家からエカシの娘が出てきた。娘は丁寧に挨拶をすると他所のコタンのエカシは

2010-11-10 11:32:45
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

やっぱり丁寧に挨拶をして娘に手を携えて貰いながらゆっくりと歩き出した。私のコタンのエカシの家の中を見てみると、エカシの家族が身繕いをととのえ緊張している様子が見えた

2010-11-10 11:36:29
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

他所のコタンのご一行は代表のエカシの歩く早さにあわせ、ゆっくり歩調を合わせていた。『そう言えばアペカムイカムイが言っていた。アイヌはとても礼儀正しいからお客さまを丁寧にもてな』と

2010-11-10 11:40:47
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

他所のエカシの次にフチ(おばぁさん)若い夫婦そして子供たちが続いた、大人は歩調を合わせて歩くのだが子供たちはふざけながら棒っこを拾ってはつつきあいをしながらじゃれていた

2010-11-10 11:44:58
熊穴ファンタ爺ゆうきこうじ @kuma0423

その子供たちのひとりが私の存在に気づき私の小屋に近寄ってきた。「おい カムイ(羆)がいるぞ」と兄弟に声をかけたら三人の兄弟が私の周りに集まってきた

2010-11-10 11:48:43
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