暗礁艦隊

CF型マシニーカhir @hir_CF

爆弾を受けた駆逐イ級は木っ端微塵になる。瑞雲、爆撃機の面目躍如であった。 戦闘が終わったことを確認した山城は、瑞雲に周辺の偵察を命じる。水柱が上がっていた以上は何か攻撃されていたはずだ。と思っていたら水面に何か浮上してくる。提督指定の水着が大破した19だ。 #暗礁艦隊

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「大丈夫みたいね。…帰ろ」 瑞雲に帰投を命じ、とぼとぼと帰途に着く山城であった。 それにしても、と疑問が湧く。 こんな近海に深海棲艦が出るのは久しぶりだ。この地に鎮守府が出来て一通り掃討は終えたはずだったのだ。 まあ奴らは虎程度のサイズなので見逃す事はあるだろうが。 #暗礁艦隊

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「すっかり遅くなったな…」 田舎の闇は濃い。海岸沿いの道で自転車を走らせる少年は帰りを急いでいた。 どさっ 前方でに何かが倒れ込む。自転車は急ブレーキで止まった。 「おい、なんだ？」 怪訝な顔。 魚のような姿。甲冑のような外皮。仄かな発光。 「…え？」 目があった #暗礁艦隊

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ヤバい。ヤバいヤバいヤバいヤバい。 自転車の向きを直して大慌てで走り出そうとする。 ガシッ 衝撃。漕いでもペダルが動かない。見れば化け物が後輪を噛んでいた。自転車を捨てて走る。走る。走る。衝撃。 倒れる。今度は振り返らない。見なければ存在しないんだそうだいるはずが── #暗礁艦隊

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翌日通勤途中の地元民が道路の隅にあった血溜まりを見つけ、警察に通報。 現場を検分した警察は、道路に重量物が這ったような痕を見つける。深海棲艦の関わりが懸念され、現地唯一の鎮守府へ協力が要請された。周辺地域は騒然となっていた。 #暗礁艦隊

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「暇ですね姉さん」「暇じゃのう」左右非対称な緑の重巡姉妹が砂浜でカニをつついていた。周りには警察や猟友会の車両やテントが並び緊迫した雰囲気が満ちている。現在山中を捜索中の駆逐艦娘六人の後詰めである。先程まで偵察機も飛ばしていたのだが、不調のため妖精さんが整備している #暗礁艦隊

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現場の状況からして陸にあがったのは駆逐艦級。恐らくははぐれであろう。鎮守府の艦娘は数こそ少なめだが練度は高く、改造も十分に行われている。利根姉妹が暇なのも無理はない。万一の保険だからだ。更に沖にはちとちよ姉妹（甲）も警戒しているがこちらの出番もあるまい #暗礁艦隊

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「うう～やだな～」 10㎝連装砲を小銃のように構えながら、そろりそろりと歩くブレザーの少女。 中東からタンカーを護衛して戻ったと思ったらすぐこれだ。 人手不足なのは分かるが少し休ませてくれてもいいんじゃないかと思う。寄港地で散々食べ歩いたことを棚に上げ文月はぶーたれた #暗礁艦隊

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ガサッ 「え？なになに？こ、怖くしないから出ておいで～？」 慎重に近づいていく。 ガサガサ… ぴょこん 「ほえ？わ～。脅かさないでよ～」 顔を覗かせたのはタヌキだった。リスじゃないポモ！ 顔を綻ばせる文月。 「おいで～」 腰を下ろし手を伸ばす。 直後。文月の頭が砕けた #暗礁艦隊

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轟音が山に面した海岸にまで鳴り響いた。 「でかいぞ！」 重巡か。あたりをつけた利根は咄嗟に駆け出す。「姉さん私も！」「お前は本部を守れ！」 艤装を展開。重い。 重量分散の足しにするため、見かけ体積を増して浮力を得るための歪曲空間を広げる。走れるよう、スキー板型に変形 #暗礁艦隊

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ゴロゴロ 転がっているがおにぎりではない。 頭部全損で中破した文月は斜面を転がり落ちると木々を盾にしつつ後退。 その間も、もう一丁取りだして二丁連装砲で撃ちまくる。 視界の悪い森での戦闘は艦娘の感覚で言わせれば夜戦に近い。特に、こんな至近距離で重巡リ級と殴り合うあたり #暗礁艦隊

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木々をなぎ倒しながら化け物が迫ってくる。人間そのものの姿。胴体を鎧うのは黒の布切れ。対して両の腕には異様な大口径砲塔。生者に対する憎悪に満ちた瞳。いかなる陸戦兵器でも太刀打ち出来ぬ死神。 ─重巡リ級が姿を表した。 #暗礁艦隊

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発砲音。 リ級の頭がかくん、と横に曲がる。 そのおかげか、文月の胴体中央への照準は逸れ、真横にクレーターを作るに留めた。 慌てて逃げ出す文月を後目に、豆鉄砲で自分の邪魔をしてくれた小癪な犯人を探すリ級。─いた。数隻の駆逐艦娘がこちらに接近してくる。リ級は舌なめずりした #暗礁艦隊

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無造作に照準。発砲。 僅かに照準がずれている。修正。 再度発砲。やたらと胸の大きな駆逐艦に命中。爆発する。巨乳死すべし。慈悲はない。今も集中砲火を受けっぱなしだが、10㎝や12.7㎝ではパワーが足りない。せいぜい非装甲部分に多少のダメージを与えるだけだ。恐れるに足らず #暗礁艦隊

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文月が中破し浜風は大破。弾薬が誘爆したか。直せるかどうかも怪しい。 あれにはまともなやり方では勝てない。拾ってきた木切れの先に魚雷を括り付けると信管をセット。感度は最大限に鈍く。槍のように腰だめに構えると、三日月は待った。10m…5m…3m…今！！ #暗礁艦隊

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突き出される槍。衝撃。爆発─しない？ しまった！即席の魚雷槍は、その半ばをリ級に掴まれている。 何故気付かれたのか三日月は悟った。タービン音だ。何たる迂闊か。 せめてもの抵抗にと防盾で身を守り── 衝撃。暗転。 #暗礁艦隊

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重巡の体重で山の斜面を登るのは骨だ。故に利根は傾斜に対して斜めに駆けつつ交戦範囲を見下ろしていた。戦艦には劣るが高い視座だ。距離は重巡の射程からすれば無に等しいが、海上では不可能な素早さと小回りでああも動き回られては命中は期待できない。もっと接近せねば。 #暗礁艦隊

CF型マシニーカhir @hir_CF

また爆音。三日月が下腹部を文字通り消し飛ばされ、上半身が跳ね飛ぼうとして薄皮一枚で下半身に引っ張られて回転。頭からハードランディング。利根は発砲。ロクに狙いも定めぬままの砲弾をリ級はスウェーでかわす。死にかけの駆逐艦娘には興味を失ったのか、彼女は利根に向き直る。 #暗礁艦隊

CF型マシニーカhir @hir_CF

「ははっ、ふははははは！！」 楽しい。同じ鎮守府に所属する仲間が瀕死の重傷を負い、更なる被害を出そうとしているこの時に。艦娘は人間のナリをした化け物、戦闘機械だ。タービンは回転数を増し、体内の一切を司る妖精さんたちも興奮状態にある。最高だ。さあ、化け物同士殺し合おう。 #暗礁艦隊

CF型マシニーカhir @hir_CF

【名前は時雨です。可愛がってあげてください】 提督「あーもう。捨て犬か？……お、親方！ダンボール箱の中から女の子が！？」 時雨「すやすや……」 提督「ダメだだれも突っ込んでくれない！？これどうしよう……」 時雨「雨はいつか止むさ…むにゃ」 暗礁提督の誕生は、こんな風だった…

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

今夜は陸戦分を補充したい

CF型マシニーカhir @hir_CF

@ryorinovels 一応 #暗礁艦隊 にて陸戦挑戦しておりまするー。よければどうぞー

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

@hir_CF おおー、日本の山の中っぽい雰囲気が出てますな！ ジメジメしたスプラッタ描写も好きです。

CF型マシニーカhir @hir_CF

眼下に現れたのは緑の貧乳、もとい重巡。強敵だが、リ級はその知性を超越した闘争本能で弱点を見抜いた。主砲が右半身に集中している。魚雷は怖くない。通常の砲雷撃戦ではその弱点を突く事は不可能だがここでは出来る。そう、この陸の上なら。リ級は斜面に身を投げ出した。 #暗礁艦隊

CF型マシニーカhir @hir_CF

突如リ級が斜面を滑り降りた。主砲の再装填はまだだ。こんな時軽巡の14㎝砲なら！だがないものねだりしても仕方がない。咄嗟に眼球から探照灯を照射。夜間でも数キロ先を煌々と照らし出す激光。それは昼間でもリ級の照準を著しく狂わす効果はあった。 #暗礁艦隊