暗礁艦隊

CF型マシニーカhir @hir_CF

通り抜けざまのリ級の斉射は凌いだが左側に回り込まれた。 「対空砲、撃ちまくれ！」 足場が悪すぎる。旋回しようとするも足が地面にめり込むばかり。そこで再装填が終わる。 「撃てえっ！！」 狙いはリ級ではない。斜面だ。 轟音。 何百㍍もある軍艦を破壊する威力が大地を砕く。 #暗礁艦隊

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土砂崩れが起こった。 ただでさえリ級が好き放題に撃ちまくっていたのだからたまらない。土石流が全てを押し流していく。 反動で浮き上がった利根は空間歪曲を 利用、スキーの要領で滑った。 その先を、土石流に追われるようにリ級も滑り落ちる。その先は海岸沿いの道路だ。 #暗礁艦隊

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道路まで滑り降りてきた利根は、体重移動で右転回。道の横にあった岩との有り難くないキスを辛うじてボディタッチ程度に留める。 一方リ級はそれ程上手くはいかず、身を丸めて岩に激突。粉砕してしまう。全身にガタが来たのか、立ち上がるのが大儀そうだ。よく見ると片目が割れている。 #暗礁艦隊

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スピードを殺して振り返ろうとした利根は、ゆらり、と立ち上がってこちらに駆け出したリ級を見て方針転換。スピードを上げジグザグに走行開始。その真横を砲弾が通り過ぎた。スキーで平地を滑るのと同じ要領で両者共に走る。ダイレクトに反発力を返す地面では水面並み、35ノットの高速だ #暗礁艦隊

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@YamanekoOuka シュワルツェネッガー方式で豪快にアクションな撃ち合いさせてますなうちは

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アスファルトを砕きながら続く地獄のようなチェイス。利根は振り切ろうとするが、リ級は執拗に利根の左斜め後方へ食らいつく。 そこへ着弾。ごくわずかな時差で八発の20.3㎝砲弾がリ級を挟叉した。利根のものではない。遙か後方にいる筑摩からの援護射撃だ。 #暗礁艦隊

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筑摩の砲撃で陥没した地面に足をとられるリ級。そこへ飛来する瑞雲。倒れた重巡に避ける手立てはない。爆撃。更に15.5㎝砲弾が降り注ぐ。沖合のちとちよ姉妹からの援護であった。日頃から水上機母艦に15.5㎝三連装副砲は贅沢だと主張していた利根だが、これは撤回せねばなと苦笑。 #暗礁艦隊

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余裕を持って向き直り、もはや虫の息のリ級へと斉射。とうとうリ級は動かなくなる。 「やったぞ」 こうして周辺地域を恐怖に陥れたハンティングは終わりを告げた。 #暗礁艦隊

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「～～～～～」 警戒本部ではちょっとした喜劇が起こっていた。下顎より上のない文月が命からがら帰ってきた訳だが、お巡りさんが失禁するわ猟銃持った爺さんが泡吹いて倒れるわと大パニック。どうすんだこれ。 #暗礁艦隊

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取りあえず調達してきたフルフェイスのヘルメットを被せられる文月。浜風や三日月も残っていた駆逐艦娘達に背負われて山を降りると、そのまま鎮守府へ搬送されていった。入渠ドッグ行きだ。 #暗礁艦隊

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一方撃沈されたリ級の死体も使い道がある。こちらは工房へと担ぎこまれると早々に妖精さんたちが取り付く。 そのままトンテンカントンテンカン。 艤装を剥ぎ取り使える部分は残し、そうでない所は代替材料に置き換える。この辺の作業はルーチンワーク。手慣れた物であった。 #暗礁艦隊

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「そうか終わったか。お疲れ様。あとの警戒は隼鷹と交代してくれ」 携帯電話を置くと、執務机に突っ伏す提督。 「大変だったみたいだね。はい、どうぞ」 そういってお茶を差し出した秘書艦は時雨改二だ。改二のある駆逐艦は入手が容易なのもあって零細鎮守府では特に人気が高い。 #暗礁艦隊

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「予想では駆逐艦だったのにこの騒ぎだからな。死人が最初の少年だけで済んだのは幸いだった」 「皆無事だったんだ？」 「陸で助かったよ。浜風は殆ど残骸になってたそうだが中の妖精さんが何人か生き残ってたから再建できる。三日月と文月は一晩風呂に浸けておけば治るだろう」 #暗礁艦隊