読むスープ

パンダ番長 @panda_bancho

（続き２）私は思わず台所の窓を開けてしまった。この偉大なるライバルの表情を見たかったから。そして、マスクをして熱っぽい表情の……宇宙人？　私の記憶はそこで途切れている。次に気がついた時には４時間ほど経過していて、そしてスープの鍋が空になっていた。 #読むスープ

太楼（たろう）₍₍ 🍥 ⁾⁾@厄用妖冥宗 @iretaro

無造作にコートのポケットに突っ込んだ千円札を取り出して、自販機に滑り込ませた。花冷えに、コーンスープの黄色。コートのポケットの中には、増えた小銭がらじゃりじゃり鳴った。足下には桜色のつぶつぶ。 #読むスープ

読むスープ @soup_fantasy

今回集まった作品を一つ一つ読ませていただきながら、スープは案外孤独との親和性が高いということを感じました。集まった作品にはたったひとりで食べるスープはもちろん、家族や恋人同士の話でも、主人公や語り手の何かしら孤独を連想させるものがとても多かった。#読むスープ

読むスープ @soup_fantasy

時代でしょうか。いまや都心のあちこちでチェーンのスープ店を見かけるのは、孤食のさみしさを埋めてくれるような、体のためというより心に浸み込んで癒すような食を人々が求めているからでしょう。スープと聞くとあのイメージにみんなの意識が寄っていくのかもしれません。 #読むスープ

読むスープ @soup_fantasy

しかし孤独なスープの対極に、心をつなげるスープも多く、やさしいまなざしにほっこりしました。丁寧に切り揃え、コトコト煮込む手間と時間が素材を作り手の愛情に変える。気恥ずかしくもあるけれど、こうした素直さを備えた作品は（そしてスープは）垢抜けなくても強さがあります。 #読むスープ

読むスープ @soup_fantasy

どんなに洗練されたスープも、結局ベーコンと野菜とをごちゃごちゃ煮込んで粉チーズをたっぷりかけたミネストローネに叶わない、みたいなね。 #読むスープ

読むスープ @soup_fantasy

料理人の作ったスープがそういえば今回ほとんどなかった、と昨晩お話しましたが、それは単に書き手としての意識なのかな。よく文学賞の選評にある、三人称で書かれる物語が少ないということと似たような話。 #読むスープ

読むスープ @soup_fantasy

ファンタジーは別として、時間や空間を超える話が少なかったこともこれに近くて、地方や海外でのスープなんて設定もあるだろうし、ブイヨンを伸ばすように何十年もの時間を一気に縮めたり伸ばしたりもできそう。スープはその仕掛けをするに十分な素材だと思います。 #読むスープ

読むスープ @soup_fantasy

こんなスープの話も読んでみたかった、みたいなことをつぶやいてしまいましたが、それも本当に面白くてレベルの高い作品ばかりだったからです。もっとずっと読んでいたい、そんな気持ちです。 #読むスープ