アイヌの輪廻転生観。クマの蘇りなどなど @aynuitak_jiji さんのツイートまとめ

アイヌ語の【蘇る】という言葉を中心とした死生観、輪廻に関するアイヌ語爺 @aynuitak_jiji さんのツイート。とても興味深い内容だったので自分のためにまとめておきます。
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非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑥ 和人は地獄に落とすのは神とか仏の仕事にするが、アイヌは人の手で行うという事だな。さて人を殺したコマの場合は地獄に落とすのでも少し様子が違う。爪や歯を切って地獄の壁面を登れなくした上で、自分が殺した人の下にして埋める。

2014-04-20 17:05:16
非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑦ アイヌ語ではそれを表す toysokkar ne kar という表現がある。toysokkar は「墓の敷物」、ne 「に」、kar 「する」という意味だ。これは Aynu eper orwa an=rayke . Ne eper toysokkar ne an=kar

2014-04-20 17:09:23
非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑧ kusu toy ouri . 「人が熊に殺された。その熊を罰して爪や歯を切り死人の墓の下敷きとするため彼らは土を掘った。」 という文が実際の用例だ。

2014-04-20 17:14:01
非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑨ 先の例文はクラ・フチの昔の話の中で、そういう現場にでくわした砂沢家の先祖カスシテ・エカシが熊に代わってアシンペ(賠償)を支払いクマの死体を引き取る部分である。このように刑罰の減免がウコチャランケによる賠償支払いによる和解によってなされているのが面白い。

2014-04-20 17:21:37
非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑩ この話の先は、賠償額が大きかったため空知御三家の一つ砂沢家は悉く財産を失い貧乏になる。自分とは全く関係ないクマ、しかもその死体にそんな事をするのは愚かではと今の人は思うだろう。昔だってそんな事をする人はまずいなかったろう。

2014-04-20 17:27:53
非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑪ しかしカスシテ・エカシはクマの魂を永遠の地獄から救うという信仰があった。そしてこれは以降カスシテに繋がる一族の誇りとなった。そのカスシテ翁が贖ったクマに唱えたと言う祈りの言葉は、

2014-04-20 17:36:28
非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑫ Aynu es=rayke wa toysokkar ne es=sokkar=an korka kamuy es=ne kusu ku=kor ikor opitta asimpe ne ku=sanke ,es=uk=an .

2014-04-20 17:43:18
非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑬ Kamuymosirine es=omante- inawkor=as kor es=hopunire=an na . Neno ne yakun tane wano ci=utari iwor so kurka ci=koapkas yakka

2014-04-20 17:49:00
非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑭ ikaneypeka cianunkopasak no i=koinkar i=korpare yan ! 貴方は人を殺めて 罰を受けそうに なっていたが 貴方は神なのですから 私の宝 の全てを賠償に 払って貴方を受け取りました。 神の国へ 貴方をお送りする。

2014-04-20 17:57:38
非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑮ イナウを供えて お送りしますよ。 そのようにしましたら これから わが一族が 猟域を歩いても 決して 他にん扱いされずに 私達に恵みを与えて くださいませ。 こう祈ったと伝えられる。

2014-04-20 18:01:54
非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑯ だからカスシテの子孫たちは何かあれば Teeta wano 昔から ci=nomikamuy 祈る神が okay nankor .おられるでしょう。 Kuani anakne 私は Kaste-aynu カスシテアイヌ sannicipo の子孫

2014-04-20 18:11:05
非ウポポイ系アイヌ @aynuitak_jiji

⑰ ku=ne na . ですよ。 Ikaneypeka 決して cianunkopasak no 他人扱いなされ ikorpare ya ! ますな と唱えたと言う。

2014-04-20 18:14:14

クマへの懲罰に関するツイートを追加しました。

ここに繰り広げられている自然観、死生観は、私にとってはかなり異質で衝撃的でもありますが、今、この瞬間にもこうした精神的な世界は存在しているんですね。私たちが住む世界は多層的であり、本当に興味が尽きない対象だと思います。

再び東北よりもさらに北の地、アイヌの地を訪れたとき、その景色、自然はより豊潤と感じられ、多くの意味を持って、私の目に映ると思います。
(自然を情報としてとらえることの是非はまた別の問題として...)