加賀さん観察日記 Part12

キタユキ @k_t_y_k

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(『……は、……ゆび……な……』 『…………りを……ぜ』 …………########%¥>:#€###€ ーー◾︎◾︎◾︎さん。 ◾︎◾︎◾︎さん。 どこ。 からだ、うごかな# ###、ない。###も。####になにかはいってる。 いたい。 いた##) #加賀さん観察日記

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(##%>あたたかい、>### ◾︎◾︎◾︎さん##_#_##_ごめんね。 ごめんね。) #加賀さん観察日記

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「…く、提督」 酷い夢を見ていた。全身を焼けた火箸が突き刺さったような痛みと、断続的に体内から内臓を吸い出される鳩尾の気持ち悪さが交互に襲ってきて、特に腰から下はぎりぎりとねじまわされるような、気を遠くしないと到底耐えられない程に神経の断末魔が上がっていた。 #加賀さん観察日記

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薄く目を開けると加賀の手が近かった。タオル地らしき繊維が頬に当たっていて、汗を拭いてくれているとわかるのにそう時間はかからなかった。 「酷くうなされていたわ」 加賀は顔を包み込むように手を添え、頬に口付けを落とす。いつになく優しい。これも夢のように思える。 #加賀さん観察日記

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再び目を閉じて、添えられた加賀の手に意識を預ける。横顔を優しく撫でる指が暖かい。このままもう一度眠りにつこう…そう思った矢先、 「今何時だと思ってるんですか。起きてください。電車に乗れませんよ」 口の端に指が引っ掛けられ、そのまま横へ伸びる限り引っ張られた。 #加賀さん観察日記

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再び目を開ける。既に旅支度を終えた加賀が、見るからに不機嫌そうに人の頬をつねっている。艤装も装甲も外し、髪もいつものサイドアップでなく顎の下で緩くまとめられていた。タオルも先程の心配そうな面持ちも全くあった気配がない。まさかの夢オチ二段構えか。あと今何時だ。 #加賀さん観察日記

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【加賀さん観察日記 金沢出張編】 #加賀さん観察日記

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【DEBUG MODE】 「…テロップ、入りますかね…」 「いらんと思うが」 「じゃあ、消しておきます…」 【DEBUG MODE END】 #加賀さん観察日記

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<del:title_加賀さん観察日記 金沢出張編> #加賀さん観察日記

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【前回までのあらすじ】どこからともなくやってきた駆逐艦長波を呼び寄せたのは矢矧だった。矢矧は提督に「クリア」条件の一つである加賀との実績解除を迫り、加賀の分霊のオリジナルが鎮座する石川県への渡航と、駆逐艦浜風との逢合を言い渡す。彼女に聞けば、全てわかると。 #加賀さん観察日記

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加賀さんがクソ機嫌悪いのでアイス食わせてる #加賀さん観察日記

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加賀さんがアイスを食ってる他所に爆睡してたらいつの間にか金沢でした。危うく加賀さんにおいてかれるとこでしたがすんでのところで起きれてよかった。大阪と違ってまだまだ空気が冷たく、鼻の奥がツンとします。加賀さんの体温が高いのも頷ける気温です。 #加賀さん観察日記

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「乗り換えの手順は大丈夫かしら」加賀さんは春ニットにスキニーパンツでわりと寒そうな格好ですが、平然とした顔でメモを確認しています。提督としては朝飯食ってないので何かお腹にいれときたいのですが、そんなことも御構い無しにずんずん進んでいきます。 #加賀さん観察日記

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乗り換え線のホームにいくと、どうも電車が遅延しているようで、次いつ電車が来るかがわかりません。加賀さん、ほら、遅延解消されるまでどっかでお茶しよ。お腹空いた。そう言い続けてなんとか説得し、手頃な喫茶店に入ります。もうどっちが偉いのかわかんねえなこれ。 #加賀さん観察日記

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加賀棒茶、生麩のぜんざい、生麩煮のしぐれ。目の前に並ぶ三品に、「朝からぜんざいは重くないかしら」と加賀さんですが、そのぜんざいを頼んだのは他でもない加賀さんです。モーニングセットを頼もうとしたらしれっと注文を終わらせて人につけいる隙も与えません。こいつ。 #加賀さん観察日記

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空きっ腹にいきなりぜんざいはキツいので、まずはお茶からいただきます。白の急須を少し大きめの茶器に傾けると、とくとく音を立てながら琥珀の中心みたいに綺麗な樺色が注がれていきます。熱いので慎重に口をつけると、苦すぎず渋すぎずで、少し甘みが広がります。 #加賀さん観察日記

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お茶うめえうめえしつつ、加賀さんのぜんざいをパクろうとしたら手でガードされたので、その横にある生麩のしぐれ煮をつまみます。見た目は牛肉のしぐれ煮とほぼ変わらず、やや色が明るめな以外は言われなければ麩だと気づきません。ただ、ふんわりとした食感は紛れもなく麩です。 #加賀さん観察日記

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しぐれ煮の作り方を知らないのでなんとも何ですが、味は牛しぐれのようで食感が麩という組み合わせが面白いです。ぜんざいを黙々と食べる加賀さんに、アーンしてやろうと箸で取って差し出したところ、皿の残りを自分の箸でひょいひょい摘まんで食べ出しました。おまえ。 #加賀さん観察日記

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しぐれ煮は量が少ないので若干物足りないのですが、加賀さんはぜんざいをわけてくれそうにありません。しぶしぶ茶を啜っていると、急に鼻先を餡の濃厚な香りが掠めました。食えということなのでしょう。木のスプーンにぱくりと食いつくと、柔らかな感触が舌に触れます。麩です。 #加賀さん観察日記

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【再開】 #加賀さん観察日記

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麩そのものに味はないのですが、小豆の一つ一つが転がり落ちていきます。おいしいです。しかし加賀さんは人がもぐもぐし終わったと思うとすかさず次のぜんざいを流し込むので、熱々でホクホクの小豆が口の中へ流れ込んできます。くれとは言ったがせめて冷ます余裕ぐらいくれ。 #加賀さん観察日記

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あんまりにも人の口にぶち込んでくるので手首を掴んで引き剥がそうとしましたが、加賀も譲る気配がありません。互いに睨み合って牽制しあっていると、隣の席から噴き出し笑いが聞こえました。見ると、アイボリーのキャスケットを被った少女がコーヒー片手に笑いを堪えています。 #加賀さん観察日記

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「すみません、ちょっと面白くて…」こちらの視線に気づいたのか、少女はコーヒーを一口飲み干してから、キャスケットを脱ぎました。片方だけ長く伸ばされた銀髪が、さらりと解き放たれます。少女は白の手袋をはめたまま髪を整えますが、どこかで見たことのあるクール属性感です。#加賀さん観察日記