ツバメ・フライズ・ネオサイタマ#3
- EVO_Hitachi
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**これからニンジャスレイヤー(@NJSLYR )の二次創作テキストを2時間ほどかけて投下していきます。タイムラインにコンスタントに文章を投げますので、邪魔になりそうならミュートやブロックやフォロー外しなどでご対応下さい**
2014-04-30 16:05:21*# 1→ http://t.co/SBBoINR0Ow * *# 2→http://t.co/XiFZvqjtrG*感想とかケジメ案件のはっせいじには #owl_nj にお伝え下さい
2014-04-30 16:07:56(これまでのあらすじ:シロヤギチャン・ユウビンのヒキャク、オジロは、社長らの死の真相を葬儀の会場で知らされる。暗黒メガコーポからの非常識な買収をはねつけ、逆にそれを告発しようとして命を落としたのだ)
2014-04-30 16:11:35(下心から社長夫人の依頼を受けたオジロは、亡き社長の遺した買収に関わるデータを、あるジャーナリストへ配達することとなった。しかし、それをひとりのLED装束存在が妨害。ニンジャである!)
2014-04-30 16:13:39(急性NRSに陥りながらも、サイバネ脚力でひとまずニンジャ、クワドラプルをかわしたオジロ。しかし、パニックから闇雲な逃走を始めてしまう。彼は果たして無事データを届けられるのか!)
2014-04-30 16:17:08ウグイス・ストリートにある退廃ホテル「トロピカル発電」。バイオヤシやバイオハイビスカスで南国アトモスフィアを演出する高級ルームの野外プールで、酩酊した無軌道大学生たちがじゃれあう。長い髪をオイラン風にまとめた女が、ケモ・ビールで紅潮した顔を隣の男に向けた。 1
2014-04-30 16:21:20「実際オーガニックな交流ですね!ノードラッグ!人のぬくもり!」隣の伊達眼鏡男が微笑む。「我々のサークルはこうした物理接触によるセイシンテキを目標にしているんです」「ワースゴーイ!」男たちはネオサイタマ大学のジョック系イベントサークルだ。 2
2014-04-30 16:25:32「ドラッグパーティーなんてナンセンス!物理接触によるイベントを主宰することで、人脈も就活の実績も生まれ、実際WIN-WINなんです!」伊達眼鏡が安心感ある笑顔で続ける。クリーンさを演出し、彼女らをテゴメにしてしまう方便だ!なんたる欺瞞!「なのでぜひ他のお友だちも――」 3
2014-04-30 16:28:51SPLASH!「アイエエエ!」上がる水しぶきと女の悲鳴!十数秒後、「プハーッ!」水中から顔を出したのは、「安全」と編み込まれたネックウォーマーをつけたヒキャクだった。「危なかった……」そうつぶやくと、あっけに取られる男女達の間を難儀そうな立ち泳ぎで横断する。 4
2014-04-30 16:31:41「ここ思い出して良かったぜ」プールを上がったヒキャクのサイバネ脚が、水を反射して光る。ネックウォーマーを外して絞り、ヘアバンドめいて頭にかぶせた。そこでやっとジョックサークルたちに気づいたのか、ばつが悪そうな顔をした。 5
2014-04-30 16:35:29「ドーゾ、続けて」呆然とする彼らにヒキャクはそう言い残し、バイオヤシの間に消えていった。「エ……エート」ジョックたちは目配せした。アクシデントに上手い切り返しができれば、彼女たちのウケも実際倍点!「アー、こうしたサプライズも実際刺激になります!吊り橋エフェクトといって--」 6
2014-04-30 16:39:39FREEZE!「アイエエエ!」上がる氷の結晶と女の悲鳴!数秒後!ゴウランガ!水面に薄い氷が張ったではないか!そしてその氷上には、氷で作られたスケート靴を履いた、青黒いLED装束存在!「ア、アイエエエエ!」今度は男も悲鳴を上げる。 7
2014-04-30 16:43:30凍り付いたプール表面で加速をつけたLED装束存在は、ヒキャクの後を追って跳躍。男の鼻先をスケート靴が掠め、削り取られたプールの氷がきらめく。謎のLED装束存在は彼らに目もくれず、ヒキャクの消えた方向へと消えていった。残されたのは、薄氷から首だけ出した男女たちだけだった。 8
2014-04-30 16:46:15「ハックション!」オジロは身震いした。脚を冷やそうと手近な水場に飛び込んだのだが、体まで冷やしてしまっては世話がない。防水仕様の装備一式だったからできた無茶だった。((でもまぁ、頭は冷やせたから良かっ――良くねえよ!))前向きに考えようとしたが、バカバカしくなった。 9
2014-04-30 16:51:03((OK、状況を整理しよう))どこをどう逃げたものか、気づけばエンガワから遠ざかり、ウグイスまで来てしまっていた。サイバネ脚はオジロの全力逃走に耐えきれずオーバーヒートを起こす寸前だった。それを外から無理矢理冷やした。そこまではいい。 10
2014-04-30 16:54:23トロピカル発電のタージマハル風丸屋根を蹴りつけ、四車線道路の対岸にある別の退廃ホテル「三尺玉」へ跳ぶ。飛距離が足りない分は、巻き上げ機構つきのフックロープを「三」のネオンに引っかけて補った。体を引き上げる。 11
2014-04-30 16:58:25((追っかけて来てるのはニンジャだ。アイツは、ニンジャだ。取引の件はバレてる。アイツを引きはがさないと取引相手もヤバイ))三尺玉の非常階段を飛び降り、目抜き通りを覆うアーケード屋根に着地。猥雑看板やマネキネコのバルーンの間を駆け抜ける。このペースでは指定時間に間に合わない。 12
2014-04-30 17:00:49((ほんと何やってンだ俺))いつもこうだ。すぐ調子に乗って、勢いにまかせた状況判断でヘマをやらかす。((二人が生きてたら説教ものだぞ))ヤギ社長もタイシロも、オジロにとって無くてはならない二人だったが、同時に、頭の上がらない、おっかない二人でもあった。 13
2014-04-30 17:03:45カチグミの息子と乱闘騒ぎを起こし高校をドロップアウトしたオジロは、ヒョットコになるほどやさぐれていた。それを拾ったのが他ならぬ社長だった。反骨心の塊だったオジロの手綱を取り、ヒキャクとしてここまで育ててくれた。しかし、そこに至るジゴクめいたしごきは未だに悪夢に見る。 14
2014-04-30 17:07:12一方、タイシロは事務所からパルクール経路の情報などを伝えるアンドンで、司法試験の受験料目当てのアルバイトがそのまま居着いた変わり種だ。そのナビはオジロを的確に目的地まで照らしてくれたが、オジロの無茶や暴走を小難しくたしなめるお守り役でもあった。 15
2014-04-30 17:10:31そんな二人が今のオジロを見たら何というか。オジロはニューロンの彼方から二人の小言を聞いた。((オジロテメッコラー!ブツが濡れたらどうすんだコラ-!))((なんだその有様は。せっかくのサイバネ脚も、今のお前じゃ、ネコにコーベインだな)) 16
2014-04-30 17:12:53((そうは言うけど、こっちはニンジャとチェイスしてンだぞ……))オジロの反駁は、記憶の社長たちに一喝された。((ベランメー!ガタガタッテンナコラー!最小体力で最短経路!街と自分のコンディション把握重点できて半人前!))((お前がそんなだと、こっちはチャを入れる余裕もない))17
2014-04-30 17:18:44((説教モンだとは思ったがよ……))自分が思い出したにもかかわらず、オジロはいささか腹が立ってきた。なぜ自分は死人からも記憶の中で罵倒されねばならぬのか。((あんたらの代わりに仕事してンだぞ……もっとなんか!感謝とか!あるだろ!))記憶の二人はダンマリだ。 18
2014-04-30 17:23:39