茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1227回「ヒット曲は、突然に」

脳科学者・茂木健一郎さんの5月6日の連続ツイート。 本日は、さっきコンビニで思ったこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1227回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、さっきコンビニで思ったこと。

2014-05-06 07:10:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひと(1)というわけで、既報のように、さっきコンビニにいたら、カウントダウンで『アナと雪の女王』の主題歌Let it goありのままにが一位から三位を占めていてびっくりしたのだが、この歌は、久しぶりの、ヒット曲らしいヒット曲だと思う。街を歩いていて、突然流れてくることが多い。

2014-05-06 07:12:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひと(2)ぼくには、ヒット曲というのは、突然、脈絡なくやってくるものだというイメージがある。たとえば、『黒ネコのタンゴ』は、アポロが月に着陸した年に、突然はやった。今wiki見て、イタリアの童謡のカバーだったということを知ってびっくりしたのだけど、それくらい突然流行った。

2014-05-06 07:14:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひと(3)おそらく同じ頃、「若者たち」という曲も、突然流行った。「君のいくみちは〜 果てしなく遠い〜」っていうやつ。それからしばらくして、やっぱり突然流行ったのが、「泳げたいやきくん」。まいにちまいにちぼくらは鉄板の〜 っていう楽曲でサラリーマンの悲哀を描いたとか言われたりした。

2014-05-06 07:15:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひと(4)考えてみると、あの頃の楽曲は、突然どこからともなく現れて、街でそれがかかっている、というのが多かったように思う。「ハチのむさしは死んだのさ」とか、「オラは死んじまっただあ」とか、ばーっと現れて、ばーっと去っていく、一陣の風、みたいな雰囲気があった。

2014-05-06 07:16:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひと(5)今でも不思議に思うのは、「老人と子供のポルカ」で、あれは何だったのだろう(笑)。左卜全さんが、ほとんど音とれていない感じで歌っていて、子供たちのバックコーラス。「やめてけれ、やめてけれ、やめてけ〜れゲバゲバ。」その脈絡のない爆発力が、斬新であった。

2014-05-06 07:18:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひと(6)ヒット曲の中には、好きなアーティストの新曲が出たとか、新しいアルバムが出たとか、CMのタイアップしているとか、ドラマの主題歌だとか、そういう理由で流行るものもある。これらのものは、いわば、「プッシュ型」のヒットと言えよう。仕掛けて、その仕掛けが成功するのだ。

2014-05-06 07:20:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひと(7)一方、突然のヒットは、仕掛ける側はもちろん仕掛けているのだろうけど、受け取る側の認識としては、突然脈絡もなくその曲が現れて、わーっとチューリップ・バブルのように盛り上がって、熱狂の嵐になるというイメージがある。今回の「Let it go」は、これに近い。

2014-05-06 07:21:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひと(8)もちろん、ディズニーの映画だし、有名アーティストによるカバーということはあるんだけど、Let it goのヒットは、仕掛ける側のプッシュというよりは、聴く側が「あっ、これ何? もっと聴きたい。また聴きたい」となって成立した、突発的なものの性格が強いように思う。

2014-05-06 07:22:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひと(9)これについてはきちんとした認知科学の研究は知らないけど、「突発性のヒット」は、時代の元気を反映しているように直感的には思う。おもちゃで言えば「カチカチ」(アメリカンクラッカー)が突然流行ったあの頃は(今調べたら1971年だったんだね)、日本はとても元気だった。

2014-05-06 07:24:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1227回「ヒット曲は、突然に」でした。

2014-05-06 07:24:54