【長瀧重信氏が回顧する3.11後の放射能対策①】

宗教学者 島薗進氏の一連のツイートをまとめました。 首相官邸原子力災害専門家グループの一員として、 同時に低線量ワーキンググループの座長として、 原発事故発生後の健康被害評価と防護対策を主導してきた長瀧重信氏の文章を紹介し、検討を加えています。
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島薗進 @Shimazono

1【長瀧重信氏が回顧する3.11後の放射能対策①】長瀧重信氏5月2日掲載「原子力災害専門家に就任して4年目を迎えるにあたって(その1)3年間を振り返って」 http://t.co/Ndy7ZQQz2e 「首相官邸・原子力災害専門家グループ」コメント第64回

2014-05-05 09:06:21

首相官邸HP
原子力災害専門家チーム
長崎大学名誉教授
(元(財)放射線影響研究所理事長、国際被ばく医療協会名誉会長)
長瀧重信
原子力災害専門家に就任して4年目を迎えるにあたって
(その1)3年間を振り返って
http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g64.html

島薗進 @Shimazono

2【長瀧重信氏が回顧する3.11後の放射能対策①】1)反省はまったくない。①安定ヨウ素剤の配布・服用指示、②甲状腺被ばく線量測定の乏しさには触れず、③100mSv、20mSvについての情報提示について、④科学と政策の区分論は正当と、⑤「混乱」の責任は政府・専門家側にはないとの考え

2014-05-05 09:06:55
島薗進 @Shimazono

3【長瀧重信氏が回顧する3.11後の放射能対策①】①安定ヨウ素剤問題については、国会事故調報告書も政府事故調報告書も問題にしているところ。たとえば、『国会事故調報告書』4.4.2。専門家が関与していないという考え?その後の「混乱」の大きな原因となった事柄にふれないのは不誠実。

2014-05-05 09:07:24
島薗進 @Shimazono

4【長瀧重信氏が回顧する3.11後放射能対策①】2)政府がとって来た対策は長瀧氏(ら)の考えに沿って展開されてきたとの前提。3年間の5つのコメントを回顧しつつ、あわせて政府の対策の中で長瀧氏らが果たしてきた役割を説明。政府の対策は正しくそれは自分達の考えてにそってなされたからと。

2014-05-05 09:07:56
島薗進 @Shimazono

5【長瀧重信氏が回顧する…放射能対策①】4月15日の段階で「事故から約一か月後でしたが、日本社会の事故に対する怒り、恐怖、さらに災害時の流言飛語による混乱を改めて認識し、原子力災害専門家としての責任を身にしみて感じました」と述べているが、放射線健康影響専門家側の問題にはふれない。

2014-05-05 09:08:31
島薗進 @Shimazono

6【長瀧重信氏が回顧する3.11後の放射能対策①】また、「…IAEAは、『レベル7の放射能漏出があると、広範囲で確率的影響(発がん)のリスクが高まり…』としているが、各論を具体的に検証してみると、福島とチェルノブイリの差異は明らかである」と書いたのは正当だったと匂わせている。

2014-05-05 09:08:50
島薗進 @Shimazono

7【長瀧重信氏が回顧する3.11後の放射能対策①】この段階でどれぐらいの被ばくかの資料はなかったし、資料調査がネグられていた。楽観論が安定ヨウ素剤の服用指示がなされなかったこと、被ばく線量調査の欠落に作用しなかったか。専門家の情報提示が住民の怒りと分断を招いた点にはふれない。

2014-05-05 09:09:16
島薗進 @Shimazono

8【長瀧重信氏が回顧する…放射能対策①】2011年9月29日の第16回コメントについて。「100mSv, 20mSv, 1mSvなど、多くの人々が初めて知ることになった数値とその健康影響について、様々な主張が世の中を飛び交い混乱」と。これについて度々批判されている見解を反復。

2014-05-05 09:09:45
島薗進 @Shimazono

9【長瀧重信氏が回顧する…放射能対策①】「「健康への影響は認められない」という報告は≪サイエンス≫、「健康への影響があると仮定」した放射線防護の勧告は≪ポリシー≫という違いを示しました」。この叙述はi)科学的に妥当でない、ii)サイエンスとポリシーの対置は不適切と批判されてきた。

2014-05-05 09:10:20
島薗進 @Shimazono

10【長瀧重信氏が回顧…3.11後の放射能対策①】i)については、「具体的には…100mSv以下では、そうした影響が疫学的には認められない」というのは≪サイエンス≫」というが、これは内外の科学者から科学的に妥当でないと批判されている。たとえば、津田敏秀氏『医学的根拠とは何か』では

2014-05-05 09:10:50
島薗進 @Shimazono

11【長瀧重信氏が回顧…放射能対策①】「「統計的に有意さがない」ことと「影響がない(放射線いよる発がんがない)」こととを混同している」(p96)と批判されている。また原子力市民委員会『原発ゼロ社会への道―脱原子力政策大綱』http://t.co/uywppypQlO p50では、

2014-05-05 09:11:42

原子力市民委員会
「脱原子力政策大綱」
http://www.ccnejapan.com/?page_id=3000

島薗進 @Shimazono

12【長瀧重信氏が回顧する3.11後の放射能対策①】日本政府は100ミリシーベルト以下の放射線被ばく(低線量被ばく)では「危険性が証明されていない」ことをもって「安全である」かのような説明を繰り返してきたが、これは放射線防護の原則を踏み外したものであるとともに、無用の被ばくを

2014-05-05 09:12:29
島薗進 @Shimazono

13【長瀧重信氏が回顧する…放射能対策①】「避ける基本的人権を侵害するものである。実際には、低線量被ばくによる健康影響を示す疫学調査データは少なからず存在する 。政府や一部の専門家は、福島原発事故以降、放射線のリスクについて国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告などと比べても」

2014-05-05 09:13:05
島薗進 @Shimazono

14【長瀧重信氏が回顧する3.11後の放射能対策①】「さらに過小評価したメッセージを出しており、住民のリスク認識に対する混乱を助長している」と述べ、100mSv以下での健康影響を示す疫学データを列挙している(注51)。こうした科学的データを無視してきたことへの釈明はなされていない

2014-05-05 09:13:33
島薗進 @Shimazono

15【長瀧重信氏が回顧する3.11後の放射能対策①】このように批判的な見解が提示されているにもかかわらず、政治的な力を背景にそれをひたすら無視し続けて特定の見解を政策の基礎とするのは、科学的な態度とはほど遠いものだ。これはii)の「サイエンスとポリシーの対置」問題にも通じる(続)

2014-05-05 09:14:03