高山明「演劇を拡張する #1——いま、高山明が語る演劇原論」(2014.05.07 五反田ゲンロンカフェ)
ブレヒト教育劇は「観客」を否定している。つまり一本の線に従わせることを意図した中心化された演劇ではなく、観客に観客であることを止めさせるような運動のなかで、多くの線が交錯することを可能にする場。究極的には日常生活にまで演劇を「拡張」することを求めている。 #genroncafe
2014-05-07 20:37:32「客席」をなくし、観客に「観客」であることをやめさせるために、ブレヒト教育劇は演劇を拡張する必要があった。 #genroncafe
2014-05-07 20:39:03RT @tokada: ナチスの演劇はワーグナーの没入的な演出方法を自分達の党大会などの演出の模範とした。対してブレヒトは対ナチス、つまりファシズムへの対抗をかなり意識しており、批評と異化によりファシズムに対抗しようとした。 #genroncafe
2014-05-07 20:39:49「ブレヒトの教育劇」は、最終的には一人一人の生活にまで演劇を拡張させようとしていた。日常生活を演劇として見なして、観察し、批評することを目的としていた。 #genroncafe
2014-05-07 20:39:57RT @tokada: 「客席」をなくし、観客に「観客」であることをやめさせるために、ブレヒト教育劇は演劇を拡張する必要があった。 #genroncafe
2014-05-07 20:40:06「客席」を劇場から都市に拡張するために、『個室都市東京』をはじめとして活動を行ってきた。しかしこれらは奇をてらった訳ではなく、むしろ演劇は何なのだろうということを考えた結果、このようなものになっている。 #genroncafe
2014-05-07 20:40:42『個室都市東京』の紹介。僕も当時体験して衝撃を受けました。第二部の出会いカフェでは50代ぐらいのホームレスの人と対面で話して、公園で寝ていると大地の鼓動が聞こえる、周りの人間はせわしなく生き急ぎ過ぎている、といった話を聞きました。 #genroncafe
2014-05-07 20:44:27次にやったのは『完全避難マニュアル』。まだサイトが見れるが、クリックするとインタビューがはじまり、Yes/Noで答えていくと、あなたにおすすめの避難所はここですと表示される。山手線29駅それぞれの近くに避難所が設定されていて、その場所に行ける。 #genroncafe
2014-05-07 20:50:28山手線の駅間隔の均質性から降りると、近くにパキスタンのモスクや上野のホームレスのコミュニティなど、東京とは違う時間が流れている場所があることに気づかされる。東京の時間からの避難所。都市の日常を異化するツアー。 #genroncafe
2014-05-07 20:53:03参加者たちは自分たちを「避難民」と呼び、最終日に彼らが作った30番目の「避難所」に招かれたりした。避難民という身振りを可視化することによって、彼らのコミュニティのレイヤーが作られた。これはブレヒト的な演劇の実践だったと思っている。 #genroncafe
2014-05-07 20:57:37「光のないII−エピローグ?」では、ニュー新橋ビルを出発して新橋の雑居ビルに行くと、福島の写真があり、ラジオで福島に住む女子高生の声が聞こえる。新橋の中にいびつな形で福島をインストールすることによって、福島との距離を迷わせたかった。 #genroncafe
2014-05-07 21:13:452013年の東京ヘテロトピア。東京の中の様々なアジアを拾うプロジェクト。例えば代々木にあるアンコールワットというカンボジア料理屋に行くと、そこでありえたかもしれない(そこにちなんだ)物語をラジオで聞ける。 #genroncafe
2014-05-07 21:18:05東京ヘテロトピアの舞台に飲食店が多いのは、異国を「食べる」ことは重要だと考えた。食べることでその文化を受容している。演劇の機能をこのように拡張していきたい。 #genroncafe
2014-05-07 21:18:46今後、東京ヘテロトピアの拡大を考えている。これをスマートフォンの観光アプリにして、東京オリンピックに向けて250ヶ所を目標にしている。東京オリンピックに200ヶ国ぐらい参加するらしいので、こうなったら全部の国でやってやる、と考えている。 #genroncafe
2014-05-07 21:20:07今年はフランクフルトとその周辺の街を巻き込んで、フランクフルト完全避難マニュアルをやる。来年はフランクフルトヘテロトピアをやる。市と連携してある種の都市観光プロジェクトとして行う。 #genroncafe
2014-05-07 21:21:47劇場と美術館の違い、演劇と美術の違いとは何かという質問。違いにこだわりはないし、垣根も壊れているが、僕自身は演劇であることを考えて作っている。ただ、むしろ演劇を考えることで演劇を消去し、都市の機能に拡張されることを考えてやっている。 #genroncafe
2014-05-07 21:28:50空気を読むことの良さを見直しているという話。演劇でも「空気を読む練習」があって、数字を全員で1から数えていく(誰か一人が「1」と言うと皆が空気を読んで他の誰か一人が「2」と言う)のだが、ドイツだと何時間もかかるが日本だと一発で終わるらしい。 #genroncafe
2014-05-07 21:46:18