10周年のSPコンテンツ!
11
茂木健一郎 @kenichiromogi
連続ツイート第1236回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、一つのobservation。
茂木健一郎 @kenichiromogi
ばお(1)馬鹿には二種類あって、同じ名前で呼ばれている。これは実に深く、興味のある事象ではないか。良い馬鹿は、向こう見ずで、いろいろなことに挑戦してしまう。失敗を恐れない。自分がどう見えるかも気にしない。他人の評判も気にせずに、ただ、やりたいことをやる。これは、良い馬鹿だ。
茂木健一郎 @kenichiromogi
ばお(2)良い馬鹿は、常識にとらわれない。既成観念に従う、ということがない。良い馬鹿は、他人に良く思われようと、小心翼々、自分の言動をあらかじめ縛るということがない。彼ないし彼女は、人から批判されようと、そんなことを気にせずに、やりたいことをやってしまうのだ。
茂木健一郎 @kenichiromogi
ばお(3)批判する側になるより、批判される側になれ、とはしばしば言われることである。批判される側は、多くの場合「良い馬鹿」であるが、批判する側には、悪い馬鹿が多く潜んでいる。それでは、そろそろ、悪い馬鹿たちについて、語ることにしよう。
茂木健一郎 @kenichiromogi
ばお(4)悪い馬鹿の特徴は、卑劣なことである。匿名性の蓑に隠れ、自分自身は安全地帯において、身体を張って良い馬鹿の道を言っている人に罵詈雑言を浴びせて、チンケな満足感を得ている。悪い馬鹿たちは集団で、イナゴのように動く。バッシングの対象を見つけると、わーっとたかっていく。
茂木健一郎 @kenichiromogi
ばお(5)悪い馬鹿たちは、Dunning-Kruger効果に記述されているように、しばしば自分たちの能力を実際よりも高く見積もる。良い馬鹿がアホのように歩む、その後ろから、良い馬鹿だってとっくの昔に知っていることを指摘して、優越感に浸ることで、自分の小さな自我を保っているのだ。
茂木健一郎 @kenichiromogi
ばお(6)悪い馬鹿のことをあまり記述しても有益ではないので、これくらいにするが、その数は実に多い。さて、ここで、興味深い問題がある。良い馬鹿と悪い馬鹿は、人間のあり方として全く対極的なのであるが、日本語でも、英語でも、多くの言語において、同じ言葉で記述されているのだ。
茂木健一郎 @kenichiromogi
ばお(7)たとえば、Steve Jobsがスタンフォード大学の卒業式で、Stay hungry, stay foolishと言った時は、良い馬鹿を指している。ところが、「foolish」という同じ単語が、悪い馬鹿に対しても用いられる。これは、人間の迂闊か、それとも深い叡智か。
茂木健一郎 @kenichiromogi
ばお(8)トルストイの「イワンの馬鹿」は、良い馬鹿と悪い馬鹿が交錯する創作である。トルストイは、脇目もふらず、自分自身の道を行く「良い馬鹿」を信じ、その一つの象徴として「イワン」という人物を造形した。その良い馬鹿と、悪い馬鹿たちが行き交い、一つの物語をつくる。
茂木健一郎 @kenichiromogi
ばお(9)同じ言葉で記述されているということは、「良い馬鹿」が、無防備に、自らの道を行こうとしている時に、一見、「悪い馬鹿」の愚鈍に近づくことがあるということであろう。なぜ、fool はfoolで、馬鹿は馬鹿なのか。自分はどっちか。雨の日は、歩きながら考えて見るのが良い。
茂木健一郎 @kenichiromogi
以上、連続ツイート第1236回「馬鹿には二種類あって、同じ名前で呼ばれている」でした。

コメント

Jichael Mac Son @Jichael_MacSon 2014年5月15日
最悪な馬鹿は、自分が良い馬鹿だと思っている輩である。
煩悩な自意識(•ө•)♡ @satohiroid 2014年5月15日
こうやってすぐ白黒わけようとするお馬鹿もあるかな。
ぽち @urahatakepochi 2014年5月15日
馬鹿だろうが賢かろうが、批判されて当然な場合とそうでない場合がある。素直に、俺を批判する匿名は馬鹿、と言えばよろしい。
Jichael Mac Son @Jichael_MacSon 2014年5月15日
良いか悪いかは価値観の基づくから価値観が違えば、良し悪しも変わってくる。常にどちらかに触れるケースは稀であろう。こんなことを言ったところで、悪い馬鹿にラベリングされるだけかもしれない。
かもの ねねみづ @cmnnmz 2014年5月16日
たしかに西洋のfool(愚者)の概念は、日本人には分かりにくい、興味深い思想が含まれている。が、「批判されてる俺は良い馬鹿、批判しているだけのお前らは悪い馬鹿、バーカバーカ」みたいな小学生っぽい理屈を援用するものではないよ。匿名の不快感も気分の理論の域を出るものではないし。不快であるのも偶有性の海だよ。海に入って塩からい塩からいばかり言ってもしょうがない。
ひな @Karerllen 2014年5月16日
動機が善でも結果が善とは限らない。良いバカも悪いバカも社会に大変な影響を与えうるという面では「注視すべき対象」であることには変わりない。だから同じ単語で形容されるのだろう、と思う。
m1nkanj1nno @m1nkanj1nno 2014年5月16日
「馬鹿には二種類あって、同じ名前で呼ばれている。」いや、そもそも後者を「馬鹿」と呼んでる人はあんまりいないわけですが。
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする