5・17 ニュース深読み 今野さんのつぶやき。

八代氏の「今野さんはブラックが専門でしょう」みたいな発言にムッとし、八代氏の現実感のない発言にどうもなぁ・・・とため息をついて見ておりました。現場を知らない人は怖い。大企業信仰の姿勢も怖い。 今野さんの思いを改めて読みたいと思い、まとめました。
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今野晴貴 @konno_haruki

本日出演のNHKニュース深読み「労働時間改革」論議。八代尚宏氏と対談して、改めて、全く評価できるところがない。八代氏がいっていた話のほとんどがそもそも産業競争力会議のペーパーに書かれていない。労働時間の規制、監督官の強化、対象職種の限定。書いてすらいないから、全否定せざるを得ない

2014-05-17 09:46:32
今野晴貴 @konno_haruki

今日のニュース深読み。ツイッターでは私が「批判ばかり」との意見もあった。確かに、八代氏の解説が、そもそもほとんど産業競争力会議のペーパーから離れ、現実からも乖離していたので、突っ込みを入れざるを得なかった。本当は、上限規制を設けることと、職務給の導入は一致ポイントではあったのだが

2014-05-17 09:48:15
今野晴貴 @konno_haruki

NHK「ニュース深読み」では解説しきれなかったが、本当の論点はこうだ。「仕事に基づく賃金」は、非正規との格差改善や、短時間正社員の導入(WLB)のために、ぜひとも必要。ここでは八代氏と一致。だが、その「方法」が間違っている。規制を緩和すれば、勝手にうまくいくわけではないのである。

2014-05-17 09:51:22
今野晴貴 @konno_haruki

八代尚宏氏や濱口桂一郎氏は、「総労働時間の上限」があれば、サービス残業を合法化してもよいと説く。そして、EUなどの政策はそうなっている、と主張する。だが、問題は「規制」ではない。そもそも「目標管理」の中身を欧州では規制できているから、労働時間が短いのである。

2014-05-17 09:53:56
今野晴貴 @konno_haruki

逆に、八代氏は規制を緩和(本人の言い方では「組み換え」)すれば、目標管理が欧州のようにうまくいくようになるという。逆で、欧州は目標管理が可能だから、規制が緩くてもうまくいっているのである。その順番のあべこべさを説明したかったのだが、テレビでは、限界がある。本当に。

2014-05-17 09:55:11
今野晴貴 @konno_haruki

ニュース深読みの整理。①そもそも八代氏の解説は、産業競争力会議案の説明として正しくない、②職務給導入の目標では一致。③だが、八代氏の言ったとおりにやてもうまくいかない。④その理由は「規制」の在り方によって職務給が成立しているわけではないからだ。だから欧州の制度輸入は不合理。複雑だ

2014-05-17 09:57:57
今野晴貴 @konno_haruki

ないです。だから八代さん、今日は解説じゃなくて八代説の主張でした。財界の主張を最大限「合理的」にすると八代説になる、という感じでしょうか。@yas_igarashi 八代さんの主張…36協定による上限外しは違法化って条件がないと成り立たないと思うけど、産業競争力会議案にあった?

2014-05-17 10:07:54
今野晴貴 @konno_haruki

ありがとうございます。本当、そうですね。beatyayoi @hatarakikata 洗濯もの干しながらみてました。この残業代の話ほんとに普通の人には改悪にしか思えないのに、法律作る側の論点が最初から違ってるきがする。怖いです。

2014-05-17 10:09:01
今野晴貴 @konno_haruki

政策論ならもう少し話し合えると思うのですが、今回の長谷川ペーパーが土俵では、まともな話し合いにもなりません。ただ「現実」を主張するしかない状態は、こちらとしても、不毛感があります。@GAKU_IZ ご健闘お疲れ様でした!ほんとに八代センセは現実無視で言いたい放題で困りますね

2014-05-17 10:11:01
今野晴貴 @konno_haruki

番組途中で言おうと思って言えなかったこと。そもそも36協定など結ばずに、あるいは36協定の内容を超えて残業させている企業なんて、珍しくない。この場合、企業は刑事罰を免れない。だけど、珍しくない。労働時間の上限規制だけではまったく不十分なことは、これを見れば十分に理解できるはずだ。

2014-05-17 10:37:07
今野晴貴 @konno_haruki

視聴者向けに説明していくと、「36協定」を説明しているだけであっという間に時間が過ぎる。その上、「刑事的取り締まり」と「行政の取り締まり(ソフトロー)と、「民事的請求」の違いをし始めたら、その時点で番組が終了する。学校で労働法あるいは法教育そのものが行われていないせいであろう。

2014-05-17 10:42:36
今野晴貴 @konno_haruki

「専門的になりすぎていた」という批判もわからないではない。基礎的な労働や法律に対する知識を、日本の学校教育では「隠しているのか?」ってくらい教えない。教師も知らない。だから、まともに議論しようとするか、基本的な話をしておしまいか。テレビに出る時は、いつも二者択一を迫られる。

2014-05-17 10:44:15
今野晴貴 @konno_haruki

先日読んだ伊藤大一さんの論文にも書かれていたが、そもそも雇用政策を積極的に議論している経済学の権威が、法、制度、社会規範、等の違いを理解していないことが多々ある。つまり、自分が批判したり、導入を主張している制度が、現実にどんな「効果」を持つのか、わかっていない場合があるのだ。

2014-05-17 10:55:03
今野晴貴 @konno_haruki

今日のニュース深読みでも、まさにそういう「現実の法律の効果」に対する前提知識が共有されていないので、話が進めにくかった。本当は、「政策」を議論するなら、土台の部分。その点でいうと、厚労省の労働関連部署の人たちは認識が正確であることが多い。経産省と議論が食い違う要因の一つだろう

2014-05-17 10:57:10
今野晴貴 @konno_haruki

だんだん整理できて来た。こう説明すればよかったのだ。①目標管理設定をするとして、どうなるか。例えば、営業で月に二件契約が取れれば妥当な労働内容だとしよう。しかし、残業規制がなければ、「わが社では3件とるのが当たり前」などと目標がどんどん上がってしまうことを止められない。

2014-05-17 11:31:46
今野晴貴 @konno_haruki

こうした現象は、そもそも目標の設定や、成果の評価が、「個別企業ごと」に行われるからである。いわば、成果給は「わが社ルール」にならざるを得ず、その場合どんな「無茶ブリ」がくるかわからないのである。

2014-05-17 11:33:51
今野晴貴 @konno_haruki

②一方で、欧州では企業ごとのルールではなく、企業横断的にルールが設定される。この例では、「月に二件取れればだいたいOK」というように決められているわけだ。この方式なら非正規でも2件取れれば差別できないとなるし、どの企業でも同じように評価されるなら、ブラックからの転職もしやすくなる

2014-05-17 11:35:33
今野晴貴 @konno_haruki

だから、八代氏や産業競争力会議も主張するように、欧州型の「職務給」ならば、成果で公平に評価されやすくなるし、労働市場もより公平になる。③ところが、日本には「社内ルール」しかない。だから、成果は企業ごとの「無茶ブリ」で決定される。残業規制を緩和しても、この事情は何ら変わらない

2014-05-17 11:37:21
今野晴貴 @konno_haruki

もう一度説明し直したい。とりあえず、23日にラジオ文化放送で解説予定なので、そこではもっとうまく解説できるだろう。

2014-05-17 11:38:22