笹川濤平海軍大佐と軍艦「名取」短艇隊

simo@紗希＆ツチヤ教徒 @simoMC3

　実際、「指揮官がわけのわからないことを言う」事例はいっぱいあった。笹川大佐のすごいところは、普通の兵科将校であれば「例え無理難題であっても指揮官が言うことは絶対である」ということが多かっただろうが、そうではなく、逆を言ったということにある

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（陸軍も同様な問題を抱えていたわけだが、現代で海軍に人気があるのは、このように当時の大学卒・専門学校卒を大事にした、というところにもある。余談であるが、瀬間喬海軍主計少佐、戦後海将補の著作には「海上自衛隊は昔の海軍とは違っていて失望した」旨の記載がある）。

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　この言葉に痛く感動した軍医学生たちは「涛平さん」と言う追悼本を出したのだという。そしてそれが、冒頭にある黒羽由架様の手にある、ということなのである（お孫様だからあたりまえかもしれないのだが）。ちなみに、この本は私も読みたくて、水交会などにも問い合わせたことはあるのだが、

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「ない」との返答で終わった。それを５月１５日に検索したら、その記事があった、ということなのである。

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「技術者は誇りと識見を持っていなければならない。上司がわけのわからないことをいいだしたら、どうしたら良いか考えておけ」 笹川大佐の言葉は現代風に言うならばこうであろう。

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そして、この言葉は決して今も色あせてない、いやブラック企業だのそんなのがはびこる現代社会にこの言葉こそ大事だと思うのである（この言葉を読んで感動していながら考えてもいなかった私はリストラの対象になったけど：苦笑）。

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（注１）『先任将校～軍艦名取短艇隊帰投せり～』ｐ２８４では外川中尉は「第三十一魚雷艇隊派遣隊指揮官」と称しているが、「指揮官」は厳密に言うと「軍隊指揮権」（戦闘命令を出すなどの権利）を持っていないと言えないはずである。

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もっとも「軍隊指揮以外」であれば最高階級者としてその部隊の日常を管理する、と言う意味で指揮官を命じたのかもしれない。いずれにしても当時、将校不足は陸海軍共に困った問題であった（特に少尉中尉）。

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（注２）医務科（軍医長以下軍医薬剤歯科医、及び衛生兵たち）は総員退去にあたっては、通常治療室の傷病者を短艇に移す（カッターの場合人力なので傷病者は漕げないから通常機動艇に移す）ため、名取沈没後は行方不明であった（『先任将校』ｐ１４０）。

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もっとも、常にこんなことができるわけでもなく、渡辺清「戦艦武蔵のさいご」には「軍医たちは総員上甲板の命令後、負傷者を置き去りにして治療室から逃げてしまった」という話もある（武蔵については真偽不明）。

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　松永市郎大尉は３回の乗艦沈没を経験している。古鷹、那珂、名取である。古鷹沈没の際は、救助要請の際、駆逐艦４隻が出発したことは分かったが、古鷹にたどり着いたのは初雪たった一隻だったという。それくらい遭難の場所にたどり着くのは当時難しかったのである（ＧＰＳなどないのだから）。

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　外川清彦軍医中尉なのだが、この「涛平さん」を探すために何回も「外川清彦」で検索したことがある。そのたびに同姓同名なのか東京警察病院の「産婦人科」の先生のお名前が出てきた。もし同一人物だとすると、海軍軍医を経験して産婦人科医になった、という方は珍しいと思う

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（理事生という肩書になるが軍属としてタイピスト＝タイプライターを打つ人などがいたし、従軍慰安婦に関しては性病検査をやっていたという話もあるし、海仁会という下士官兵とその家族のために設立された財団法人が経営する病院に派遣されたりすることはあったようなので、

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産婦人科を経験した人はいるかもしれないが、それを専門にした人は珍しいと思う。海軍だと男性が子供を生む事はありえないから、なかなか珍しいとは思うのだが）。

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MixiやPixivでイラストを公開されてる方なのだから、そのアカウントを取って直接、とは思ったのだが、Mixiには嫌な思い出があり、Pixivは面倒だからTwitterにしました。ご本人に伝わると…嬉しいですね。