ラプラス変換のはなし

プロデューサーさん、中間テストですよ中間テスト。
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尿路結石おじさん @average33

ラプラス変換と微分方程式の話しますねーーーー

2014-05-17 20:40:47
尿路結石おじさん @average33

機種依存文字なんで、ラプラス作用素はL[f]って書きます 許せ で、結論から言えばラプラス変換は微分方程式解くときとかに役立ちます。それを念頭においたうえでいきましょう。

2014-05-17 20:43:29
尿路結石おじさん @average33

ラプラス変換とは、ある関数f(t)を次のような関数F(s)に変換することだ。 L[f] = F(s) = ∫[0,∞] f(t)e^(-st) dt このとき注意すべきなのが、変数はtではなくsに変化する。ラプラス変換したあとの関数F(s)は、変数sをもつのだ。

2014-05-17 20:45:56
尿路結石おじさん @average33

具体的にどう変換されるか見ていこう。 f(t)= 1 ⇒ L[f]=F(s) = 1/s f(t)= t ⇒ L[f]=F(s) = 1/s² f(t)= t^n ⇒ L[f]=F(s) = n!/s^(n+1) f(t)= e^(λt) ⇒ L[f]=F(s)= 1/(s-λ)

2014-05-17 20:49:56
尿路結石おじさん @average33

訂正 f(t)= cos(λt) ⇒ L[f]=F(s) = s/(s²+λ²) f(t)= sin(λt) ⇒ L[f]=F(s) = λ/(s²+λ²) 覚えておくべきはこのあたりまでだが、正直にいえば簡易なラプラス変換表がなければラプラス変換しても計算は楽にはならない。

2014-05-17 21:01:59
尿路結石おじさん @average33

ラプラス変換の強みは、逆変換があるところだ。 要するに、ラプラス変換可能な関数だったら、(超関数のように特殊な関数でなければ)ラプラス変換後と変換前の関数はそれぞれ一対一対応しているのだ。fが決まればFが決まるのと同様に、Fが決まればfも決まる。

2014-05-17 20:56:58
尿路結石おじさん @average33

正直言ってラプラス変換よりもフーリエ変換のほうが好きですねわたしは こちらはスペクトル解析やPCのプログラミングにもよく使われるのでおすすめです ただ、フーリエ変換とラプラス変換は非常に似てるのでラプラス変換も知っておくとよいでしょう

2014-05-17 21:03:53
尿路結石おじさん @average33

話を戻すと、ラプラス逆変換は L^-1[F] = f(t) = 1/(2πi) ∫[c-i∞,c+i∞] F(s)e^(st) ds と計算できる。しかし、このように計算する必要はあまりない。 ラプラス逆変換も、ラプラス変換表を使って気合で解くのだ。気合。例題をたくさんやろう。

2014-05-17 21:07:14
尿路結石おじさん @average33

ラプラス変換の重要な性質を紹介する。これらはラプラス変換だけでなく逆変換にも応用できる。 まず、「線形性」だ。 L[f]=F(s),L[g]=G(s)とする。定数a,bについて、 L[af(t)+bg(t)]=aF(s)+bG(s) が成立する。これは普通の積分と同じ性質だ。

2014-05-17 21:11:30
尿路結石おじさん @average33

次に重要なのが、 L[1/a f(t/a)] = F(as) あるいは、 L[f(t/a)] = aF(as) と書いてもよいだろう。この性質だ。 これはいわば変数変換だ。tやsを何倍かにしたい、というときに重要になってくる。

2014-05-17 21:15:38
尿路結石おじさん @average33

また、畳み込み積分のラプラス変換なんかも非常に重要だ。 関数f(t)とg(t)の畳み込みf*g=∫[-∞,∞] f(τ)g(t-τ) dτについて、 L[f*g] = F(s)G(s) が成立する。 といってもこのまま応用するのは難しいので、特殊例を紹介する。

2014-05-17 21:24:56
尿路結石おじさん @average33

まず、g(t)=1 (0≦t)の場合、f*g= ∫[0,t] f(τ) dτとなり、 L[1]=1/sより、 L[∫[0,t] f(τ) dτ] = F(s)/s となる。 積分は、sで割ったものにラプラス変換できる。もうこれだけで積分の方程式も解けてしまいそうだ。

2014-05-17 21:30:02
尿路結石おじさん @average33

次は……デルタ関数を含んでしまうので置き換えは略す。 L[f(t-λ)] = e^(-λs)F(s) L[e^(-λt)f(t)] = F(s+λ) が成立する。 この2つの式をじっくり考えると、ラプラス変換のイメージが掴みやすいかもしれない。変数の平行移動が、指数になるのだ。

2014-05-17 21:35:09
尿路結石おじさん @average33

ここで、ようやく微分形のラプラス変換をする。 L[df/dt] = sF(s) - f(0) が成立する。sかけたものに定数項をつけただけだ。 証明するには、d/dt (f(t)・e^(-st)) を変形していき、 ∫[0,∞]f'・e^(-st) dt に代入すれば良い。

2014-05-17 21:41:24
尿路結石おじさん @average33

2次の導関数も同様だ。 L[d²f/dt²] = s²F(s)-sf(0)-f'(0) が成立する。さっきの公式を2回使えばよい。 F(s)にs²をかけた項に、sの1次関数がひっついているだけだ。f(0)もf'(0)もただの都合の良い定数にすぎないので、難しく考える必要はない。

2014-05-17 21:45:49
尿路結石おじさん @average33

で、補足。実は積分や微分をした関数のラプラス逆変換も、ラプラス変換のそれとそう代わり映えはしない。 L[-tf(t)] = dF(s)/ds L[f(t) /t] = ∫[s,∞] F(σ) dσ だ。 (念のため言っておくと、τもσも突然出てきたただの変数で、特別な意味はない)

2014-05-17 21:50:56
尿路結石おじさん @average33

全体的に性質を見ると、「微分は掛け算に、積分は割り算に」ラプラス変換されていることがわかるだろうか。 これを利用すれば、微分方程式はただの有理式の計算に変換できるのだ。 (有理式とは、(多項式)/(多項式) の形の関数のこと)

2014-05-17 21:53:28
尿路結石おじさん @average33

例題を出そう。 f'(0)=f(0)=0である2階微分可能な関数f(t)について、 微分方程式: f''+3f'+2f = e^t を解け。

2014-05-17 21:56:20
尿路結石おじさん @average33

なんとなく勘付いたことなのだが、このラプラス変換で微分方程式を解くという手法、演算子法に似ている。微分作用素d/dt をDと置いて、ただの変数のように途中まで扱い、そして1/(D-λ)という作用素を考えて解く。基本的方針は、この演算子法となんら変わりないのだ。

2014-05-17 22:00:29
尿路結石おじさん @average33

ということで答えはf(t)=1/3 e^(-3t) - 1/2 e^(-t) +1/6 e^t だ。あっていただろうか……

2014-05-17 22:06:36
尿路結石おじさん @average33

ラプラス変換のおはなし おしまい

2014-05-17 22:08:07