「レールガン」の話

鋼鉄の咆哮にも登場するレールガンとはそもそもなんぞや?という話ね。
テクノロジー レールガン
12
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
今夜はなんとなく鋼鉄の咆哮シリーズにも登場する「レールガン」という兵器についてちょっと解説してみるわ。 http://t.co/qjuazecwi4
拡大
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
レールガンの起源は20世紀初頭のイギリスとフランス。そもそもの出発点は1827年のソレノイドの発見よ。理科なり物理なり、学校でやったわよね? http://t.co/QHm2DMwJjO
拡大
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
兵器に利用する研究を始めたのはWW1真っ最中のフランスの科学者。でも、実現には至らなかったわ。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
そして時は流れ1930年代なかば。英国のケンブリッジ大の弾道学の権威だったF・R・S・カピッツァ博士が、強力な磁界を発生させる電磁装置を製作。博士はこれにより「火薬が不要な火砲」即ち電磁砲を実現できると考えたわ。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
強力な発電機で強力な磁界を発生させ、反発磁力によって一秒間に百発の弾丸を打ち出す夢の火砲…彼はそれを目指していたのね。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
同じ頃のイギリスに居たウォール博士という科学者もまた同じことを夢見て同様の装置を製作。その装置から発せられる磁力は、靴に打たれた釘を引き抜く程だったといわれるわ。…例が時代を感じるわね。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
英軍はこれらに興味を持ったものの、実験設備はともかく通常の送電線でそんな電力を用いれば線が溶けてしまう上、非常に強力なコイルが多数必要だとされ、実用性が疑問視されたの。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
火薬が不要、また従来火砲より高初速長射程、砲身に耐圧性が求められないために通常の鉄材等で済むなど、考えられる利点は多くあったのだけど…それを上回る技術的な問題があったわ。画像は1930年代の雑誌に掲載された記事よ。 http://t.co/n2b84qZVLZ
拡大
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
そしてまた時は流れ場所も変わりドイツ。今度はV1、V2、V3と並ぶ「報復兵器」として、またもうひとつ、連合軍爆撃隊に対抗しうる兵器として、二種の電磁砲が計画されたわ。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
最初はジーメンス社のグループが陸軍兵器局に対して「ロンドン砲撃が可能な長射程砲」として提案したもの。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
ソレノイド形式のそれは200kg超の超大型砲弾を、最大射程248kmで撃ちだすことができるとされ、ドーバー海峡沿いに設置すれば充分な射程だと考えられたわ。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
そこで電力確保のため、電力確保のため無煙石炭の産出するリール鉱山の山腹に設置する計画が立てられたわ。しかしこれは1943年に軍需省に「現実的ではない」といわれ、破棄されたのね。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
ちなみにロンドン砲撃といえばV3号も有名よね。こちらは薬室を多数設けた特殊な砲で、砲弾を次々加速させていって長射程を確保しようとしたものよ。V1やV2の完成、更に連合軍の攻勢で計画中止になったけど。 http://t.co/sQ5xsPYX6S
拡大
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
さて、これまでの「電磁砲」はあくまでソレノイドを利用した、厳密に言えば「コイルガン」で、本来の「レールガン」とは別物よ。ドイツが次に計画したのは正真正銘のレールガンだったの。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
こちらは磁力ではなくローレンツ力で弾体を加速するもの。二本の金属製レールの上を滑っていくから「レールガン」なのよ。 http://t.co/EtsXEhNjI5
拡大
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
1944年。激化する連合軍の爆撃は、ドイツ空軍にとってなんとしても阻止しないといけない緊急課題になっていたわ。 http://t.co/w0Ec7k04JJ
拡大
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
そこへ「武器設備製造社」より、ヘンスラーという技術者が、対空用「電磁砲」を提案したの。これは多数の2cm砲身を束ねて毎分6000発というとんでもない発射速度を想定していたの。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
初速はなんと1892m/sec。これは現代の戦車砲弾であるAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)より速いわ。これで特別な2cm砲弾に500gの炸薬を詰めたものを撃ちだすのね。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
切羽詰まっていたドイツ空軍はこのプランに飛びつき、すぐさま従来の2cm火砲を利用した諸実験を開始、空襲から逃れつつも理論上の数値の達成に成功(!)するの。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
実験段階では一門あたり3900Wの電力が必要とされたものの、実戦用に作るとなるとより巨大な電力が必要なことがわかったわ。このために新型のコンデンサの開発もなされ、終戦間近に試作砲が製作できる状態になったものの…資材の供給等、組織的開発は不可能な状態だったわ。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
また同様の対空兵器として、通常の4cm砲から特殊弾を撃ちだすものも計画されていたわ。こちらは初速2011m/secと計算されたの。実物は完成しなかったものの、実験用の小型砲は完成いたのよ。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
高高度まで届く、それはもうドイツ空軍にとって夢の対空砲だったのだけど…結局電力の問題で引っかかるのよね。砲身の製作は何ら技術的問題は無かったわ。画像は当時のレールガンの概念図 http://t.co/I2ffSjS5uw
拡大
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
終戦後、資料を持ち帰った連合軍諸国でも検討され、魅力的だとされたけど…やはり問題は電力の確保。検討が必要とされて、本格的な開発・配備には至らなかったの。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
実験設備としては1960年代、550メガジュールの5m級レールガンで3gの弾丸を5.9km/sで射出することに成功しているの。今じゃ日本のJAXAだって持ってる設備ね。衝突実験に利用するらしいわ。
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
さて…レールガンの開発は変態技術国家ドイツ、イギリスの特権じゃないのよ。 実は… 日 本 も 作 っ て た のよ。
残りを読む(12)

コメント

腐ってもエビ @kusattemoevill 2014年5月20日
とてもじゃないけど避けられそうにないな……。近未来にレールガン搭載の海上戦闘艦とステルス戦闘機が戦ったらどうなるんだろう。すげえ地味な絵面になりそう
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする