ツバメ・フライズ・ネオサイタマ#5

ひたちえぼ @EVO_Hitachi

ツバメ・フライズ・ネオサイタマ # 5

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# １：togetter.com/li/653433 # ２：togetter.com/li/657515 # ３：togetter.com/li/661346 # 4：togetter.com/li/664573

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（これまでのあらすじ：社長の無念を晴らすため、ヒキャクのオジロはネオサイタマを飛び回った。しかし、受け渡し直前で彼のサイバネ脚はオーバーフロウを起こして動かなくなってしまう）

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（更に、彼のビズを妨害するべく追っていたニンジャ、クワドラプルにも追いつかれ、サイバネ脚を切断！もはや逃げ場なし！そこへオジロの取引相手が現れた！）

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（（オジロの無念に応えるような力強いカラテシャウトが駐車場の空気を震わせた。クワドラプルの纏う冷気が遠ざかる。オジロには見えなかったが、一枚のスリケンが空を切り裂き、オジロとクワドラプルの間に突き刺さったのだ。「だ、誰です！」うわずったクワドラプルの声。））

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（（カラテシャウトの主は、ジゴクの猟犬めいた声でアイサツした。「ドーモ、初めまして。ニンジャスレイヤーです」オジロの意識はそこで反転した。））

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スリケンアンブッシュの動揺から回復したらしいクワドラプルは、左手を腰にあて、芝居がかったオジギをしてみせた。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。クワドラプルです」そのオジギからコンマ2秒後、ニンジャスレイヤーはスリケンを投擲する！「イヤーッ！」 1

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「イヤーッ！」クワドラプルはスリケンを迎え撃つべく、右足を軸に上体を倒し、体を大きく斜めに旋回！ウインドミルスピン！振り上げた左足のエッジで、スリケンを蹴り返した！ニンジャスレイヤーは跳ね返されたスリケンをブリッジ回避！「イヤーッ！」 2

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しかし敵はその一瞬を突いた！「コリカグラ・ジツ！イヤーッ！」広い駐車場の床が、凍る！「これが私の本来のジツ！フーリンカザンだ！」「ヌゥーッ！」ブリッジ姿勢で重心が後ろに偏ったニンジャスレイヤーは氷でバランスを崩しかかる！その無防備股間へ更に追撃のコリ・スリケン！ 3

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ニンジャスレイヤーは腕力のみでバック転し、これを回避！着氷でややぐらつく。素早く体勢を立て直し、油断なくカラテ警戒と状況判断を行う。このフロア一帯がアイスリンクめいて一面の氷だ。しかし、己のニンジャ脚力を持ってしても、氷を踏み割ることが出来ぬ。これがコリ・カグラとやらの力か。 4

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「ニンジャスレイヤー＝サン。ご高名はかねがね」クワドラプルは、ニンジャスレイヤーからタタミ五枚分程の距離で円を描くように片足滑走する。「ニンジャと見れば辺り構わず噛みつく狂犬と聞いたが、噂は本当だったようだ。しかし、私のジツを破れた者は未だおらぬ」ニンジャスレイヤーは答えぬ。 5

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クワドラプルは低く笑った。「ベイン・オブ・ソウカイヤなにする者ぞ。私のフリープログラムが終わったときに投げ込まれるのは、花束でなく貴殿の無残な死体であろう」フリープログラムは通常五分間。つまり、それだけの時間で決着をつけようと言うのだ。不敵！ 6

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「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはクワドラプルの挑発に耳を貸さぬ。滑走位置を予測しスリケン投擲！「イヤーッ！」クワドラプルはイナバウアー回避！「イヤーッ！」再度スリケンを投擲！「イヤーッ！」高いバレエジャンプで回避！なんたるニンジャ柔軟性とフィギュアスケート技能の悪魔合体か！ 7

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「私のスケーティングはニンジャとなったことで更に研ぎすまされた。柔軟性、ジャンプ高度、体軸の安定感、Ｅ難度のワザも思いのままよ！イヤーッ！」前向きに滑走していたクワドラプルが跳ぶ！生身ではほぼ不可能な四回転半アクセルである！ニンジャでなければ行えぬ所行だ！ 8

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更にジャンプ中に同時に二枚のスリケンを投擲！一枚はニンジャスレイヤー、もう一枚は、倒れるヒキャクを狙っている！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーもスリケンを二枚投擲し相殺！最小限の腕の動きでバランスを崩さずやってのけた！ワザマエ！しかし、それはクワドラプルの目くらましであった！ 9

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「イヤーッ！」クワドラプルはニンジャスレイヤーの背後から跳躍でタタミ５枚の距離を詰める。空中で上体と左足を水平に倒す。その足の動きは後ろ蹴りめいて、ニンジャスレイヤーの背を切り裂いた！ 10

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足を取られまいと垂直に重心を取りベタ足立ちしているニンジャスレイヤーは、このアンブッシュに対応できぬ！「グワーッ！」背中から鮮血が吹き上がり、前のめりにたたらを踏んだ。その姿にクワドラプルはヴェールの下で酷薄な笑顔を浮かべ、競技スケートにあるまじき速度でスピンを始めた！ 11

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水平に倒した体をT字型に回転させる、基本のキャメルスピン！彼のエッジがサイバネ脚をカステラめいて両断したのは、読者の皆様も覚えているかもしれない。それだけの威力を持つエッジに回転が加わった、その破壊力たるや！ 12

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しかしカラテ距離ならばニンジャスレイヤーもアドバンテージがある！右足を軸に体を反転、回転の隙を狙ってチョップ・ツキを繰り出す！「イヤーッ！」しかしクワドラプルは軸足を変え、片足を伸ばし座るような姿勢を取る！キャノンボールスピン！流れるようなコンビネーション！加点！ 13

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ニンジャスレイヤーのツキは虚しく空を切り……ナムサン！クワドラプルのフリーレッグが、アキレス・ニンジャも弱点とした脛を狙う！「グワーッ！」ニンジャスレイヤーの脛当ては無残に切り裂かれ、足から血が噴き出す！ 14

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ニンジャスレイヤーは、おぼつかぬバック転で距離を置く。このままではジリー・プアー（徐々に不利）だ。相手は近距離でスピン、遠距離からはスリケン投擲とワンパターン。エッジ攻撃も彼のカラテにとって致命傷にはなりえない。本来ならば弱敵。 15

ひたちえぼ @EVO_Hitachi

ニンジャスレイヤーは無駄に華やかなステップシークエンスを披露する敵を睨む。厄介なのはジツだ。フーリンカザンが敵にある。思い通りのカラテが出来ぬ！このまま真綿を喉に詰め込まれるような持久戦を強いられてしまうのか？！ 16

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その時だ。((……フジキド、なんたるウカツか！))ニンジャスレイヤー……フジキド・ケンジのニューロンを、邪悪な同居人の声が逆撫でした。((みすみす奴のフーリンカザンに引きずり込まれおって！))((奴を知っているのか、ナラク)) 18

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((奴は知らぬ。しかし、コリ・カグラの使い手を殺したことはあるぞ。コリ・ニンジャクランの中でもジツに特化した一派よ。儂が奴らを相手にしたのは、極寒のクシャロ湖上……ジツの開祖エフゲニ・ニンジャはジツのみならずカラテ強者で))((無駄口はいい！対策を教えよ！)) 19

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((八つ当たりをするでない、フジキドよ))声……ナラク・ニンジャはフジキドを嗤う。((思うようにカラテできぬなら、カラテ距離に持ち込んでしまえばいいこと。コリ・カグラなどと気取っておるが、氷を滑るだけならアザラシにも出来るわ)) 20