茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1250回「めずらしい言葉、イイネ!」

脳科学者・茂木健一郎さんの5月29日の連続ツイート。 本日は、先日甲府で考えたことの続き。
5
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1250回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、先日甲府で考えたことの続き。

2014-05-29 06:38:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

めい(1)先日、山梨で『赤毛のアン』のシンポジウムがあった時、会場の人に、#花子とアン で話題になっている「こぴっと」とか、「てっ」みたいなことばを使うか、という質問があって、その回答が、使っている人が多数ではない、という実態が明らかにされた。

2014-05-29 06:40:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

めい(2)「こぴっと」も、「てっ」も、「ああ、使うつかう」という風に手を挙げられたのは、年配の方々で、今回の #花子とアン によるブームが、廃れかけていた甲州弁に新たな生命を吹き込んだんだなあということを、改めて思った。それから、言葉ということについて考えた。

2014-05-29 06:42:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

めい(3)言葉というのは面白いもので、辞書に載っているような言葉でも、日常では滅多に使わない、希少種、絶滅危惧種みたいなものもある。シンポジウムの時も、学生たちに「ちんちんかもかも」って知っているか、って聞いたらこの人は何を言うんだ、みたいな顔をしたが、ちゃんと広辞苑にもある。

2014-05-29 06:44:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

めい(4)「ちんちんかもかも」は、男女の仲のいいさまを言う。昔フジテレビに「たほいや」という番組があって、広辞苑に載っている聞き慣れない言葉の意味を競いあった。「ちんこきり」は傑作だと思うが、決してヘンな意味ではなく、お金をもらってたばこの葉を刻む人のことです。

2014-05-29 06:45:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

めい(5)英語も同じことで、ネイティヴの知っている単語数は約35000ということだが、その中には滅多に出会わない単語もある。ぼくは、swatchという単語(スイスの時計メーカーではありません)に、今まで一度しか出会ったことがなく、『三四郎』の英訳の中に、出てきた。

2014-05-29 06:46:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

めい(6)swatchは、「布の切れ端のサンプル」という意味があり、なるほど、あの時計のブランドの名前としては(swissのwatchという掛詞も含め)的確だとわかる。普通にDawkinsやGladwellを読んでいて、まずは出会わない単語が、英語という宇宙の中には無数にある。

2014-05-29 06:47:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

めい(7)Oxford English Dictionaryに出ている単語は、何種類あるのだろう。言葉は、日常生活の中で頻繁に出会うものもあれば、とれもレアなものもある。子どもたちは、昆虫でもカードでもレア物が好きであるが、言葉もまた、希少な表現こそ大切にしたいと思う。

2014-05-29 06:49:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

めい(8)僕には、自分でつくった単語もいくつかあって、「ぴぴたん」もその一つ。「ぴぴたん」=「ひとりで一生懸命喋っているさま」で、その起源は、セキセイインコが、「昔むかしあるところに」と桃太郎を暗唱して、最後に、思わず自分の名前を、ぴぴたん、ぴぴたんと言ってしまうのである。

2014-05-29 06:50:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

めい(9)「ぴぴたん」は、もちろん辞書にも載っていないし、日本語圏でも使われていないが、ぼくは自分で「あの人、ぴぴたんしているね」とか使うことがあり、親しい友人は知っている。世の中には、そんなヘンな言葉も含めて、たくさんのレアものがあるのが、なんかいい感じだと思う。

2014-05-29 06:51:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1250回「めずらしい言葉、イイネ!」でした。

2014-05-29 06:51:56