「経済学的な家族」ツイートまとめ　その５

本の虫（本体） @honnomusi

経済学的な桃太郎１：父「おや、息子よ、何を書いているんだ？」息子「文化祭に向けてシナリオを書いてるんだよ。題材は経済学的な桃太郎」父「ほほお、面白そうだな。できたところまででいいから聞かせてくれないか？」息子「いいよ。それでは、普通とは一味違う昔話の、始まり始まり～」

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経済学的な桃太郎２：息子「昔々あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に行っています。しかし、おじいさんの仕事は生産性が低い上に、国内市場も未発達なので換金ができません。戸別所得保障を請求しようにも再分配体制もなく・・・」

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経済学的な桃太郎３：息子「・・・そのためおじいさんは村落共同体の中で細々と物々交換経済を営んでいました。そして、おばあさんは・・・」父「桃太郎～！早く生まれてくれ～！」

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経済学的な桃太郎４：息子「桃を切ると、何とそこには小さな男の子がいました。」父「いよっ！待ってました！」息子「おじいさんとおばあさんは考えました。『生活は苦しい。この男の子を育てると更に苦しくなる。しかし、この子を育てて出世頭にすれば苦境を脱するきっかけになるかもしれない。』」

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経済学的な桃太郎５：息子「おじいさんとおばあさんはあらゆる選択肢を考え、制約付き最適化問題を解いた結果、この男の子を育てるのが最適解だと判断しました。」父「合理的だな！合理的経済人だな、じいさんばあさん！桃太郎、生まれるところ間違えたんじゃないか？！」

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経済学的な桃太郎６：息子「二人は桃太郎を育てるとき、ことあるごとに次のように言い聞かせました。『いいか、お前はこんなところで終わる子じゃない。グローバルな視点で世の中を見るんだよ』」父「えっ、既に国際視点？！昔話だよな、これ。二人とも先見性ありすぎ！」

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経済学的な桃太郎７：息子「桃太郎はすくすくと育ち、一人前になるとおじいさんおばあさんは桃太郎に鬼退治をするように勧めました。話によると、鬼たちはここら一帯の村を荒らしまわっているそうです。桃太郎は意を決し、旅に出ることに決めました・・・。とりあえず、出来たところはここまでだよ。」

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経済学的な桃太郎８：父「うむ、話を聞いていてお父さんもいくつかアイディアを思いついたぞ。続きを一緒に考えないか？」息子「いいよ。」妹「二人とも何やってるの～？あたしも混ぜて～。」父「よしよし、みんなで一緒に考えよう。」

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経済学的な桃太郎９：（数日後のクラスの集まりにて）学級委員長「では、シナリオを発表してください。」息子は前で読み上げる。息子「桃太郎が鬼ヶ島に向けて歩いていると、猿に出くわしました。『やあ、お猿さん。僕はこれから鬼退治に行くんだけど、きび団子をあげるから仲間にならないかい？』」

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経済学的な桃太郎１０：猿「そのお団子は今後ずっと継続してもらえるのかい？」桃太郎「そうだね、あげるつもりだよ」猿「それは能力給かい、それとも基本給として？あと、福利厚生は充実してるかな？有給休暇はもちろんあるんだろうね。年金保険料の半額負担も付く？」

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経済学的な桃太郎１１：桃太郎「え？うっ、う～ん。分かった、つけるよ。だから仲間になって」猿「OK、契約成立だ。じゃあ、契約書にサインを。」桃太郎「なっ、何かすごく大きな負債を抱えたような・・・」猿「これが本当の猿知恵！」

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経済学的な桃太郎１２：息子「桃太郎はその後、猿を引き連れながら旅を続けました・・・」桃太郎「おや？あそこにいるのはキジではないのか？お～いキジさん」キジ「あら、私に何か用？」桃太郎「きび団子を揚げるから仲間になってくれないかい？」キジ「私はそんなに安い女じゃないわよ」

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経済学的な桃太郎１３：キジ「効率賃金理論を知らないの？そんなに安く買い叩いたら労働者はやる気をなくすわよ」桃太郎「え？そうなの？」キジ「それに、雇用者が高めに給料を払えば購買力が増して景気も良くなるわよ。金は天下の回りもの。払ったお金は巡り巡ってあなたのところに帰って来るわ」

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経済学的な桃太郎１４：桃太郎「うん、そう言われればそんな気もするな・・・」キジ「節度ある資本主義が大事よ。だから、私を雇いたいならもっと待遇を良くして」桃太郎「そうだね、君の言うとおりだ。もっと大きな視点で物事を見るべきだった。」キジ「私は世の中全体を俯瞰してるのよ、キジだけに」

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経済学的な桃太郎１５：息子「桃太郎は一時的にはCSRを果たした気になって満足していましたが、すぐに自分が実現しなくてはいけない収益率を計算して青ざめました」桃太郎「うう、これだけのキャッシュフローを実現しないと俺は破産だ。今度雇う仲間はよく考えなくては・・・」

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経済学的な桃太郎１６：桃太郎「やあ、犬さん。どうしたんだい？顔色が悪いね」イヌ「ああ、近くの村で飢饉があって、ここ何日か何も食べてないんだ・・・。たのむ、何か食べ物をくれ。くれたら何でも言うことを聞くから・・・」桃太郎（こいつは御しやすそうだな。しめしめ）

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経済学的な桃太郎１７：桃太郎「分かった、きび団子をあげよう。だから、僕のところで働いてくれ」イヌ「おお、お安い御用だ。ありがとう」桃太郎（やったぞ、仕事は基本的にこいつに任せて、他の奴には成果主義を導入すれば労働分配率は低くて済む。「分断しつつ統治せよ」だ！）

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経済学的な桃太郎１８：猿「おっ、新人だな」イヌ「よろしくお願いします」キジ「仲良くやっていきましょう」イヌ「みなさんも食べ物に困って仕事をするようになったんですか？」猿「何、食うのに困って？どういうことだ？」イヌ「実はかくかくしかじかで・・・」猿「お前、それは搾取されてるよ！」

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経済学的な桃太郎１９：イヌ「ええ！同じ職場なのにそんなに待遇が違うんですか？」猿「これはちゃんと訴えないと駄目だぞ。じゃないと、お前はこれからずっと負け犬のままだ。」キジ「すぐに労働三権の請求をしましょう。そのためには組合を作らないと」猿「よし、設立の宣言だ。労働者よ団結せよ！」

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経済学的な桃太郎２０：桃太郎「どうしたんだ、お前たち。いきなり乗り込んできて」猿「経済社会のあり方を歪めるブルジョワジーはやっつけろー！」桃太郎「えっ、ちょっ、いきなり何・・・ぎゃああああああああああ！」

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経済学的な桃太郎２１：ずたぼろになった桃太郎。桃太郎「くそお、これじゃあ鬼退治なんてできないぞ。世の中には奴らに困らされている人がたくさんいるのに・・・」猿「ん？何だそりゃ。そんな話聞いたことないぞ」桃太郎「え？」猿「あいつらは基本的に島から出ないから、人に悪さするはずがないぞ」

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経済学的な桃太郎２２：おじいさんとおばあさんの家に戻ってくる桃太郎。おじいさん「おや、どうしたんじゃ、桃太郎。もう鬼退治は終わったのかね？」桃太郎「おじいさんおばあさんどういうこと？鬼は悪さなんてしてないって聞いたよ。なのに、どうして退治をする必要があるの？」

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経済学的な桃太郎２３：おじいさん「ううむ、ばれてしまったか。ばあさん、どうする？本当のことを教えるかい？」おばあさん「いいんじゃないですか。いまさら隠しても無駄でしょう」おじいさん「実はな、桃太郎。わしたちがお前に鬼退治を勧める目的は別にあるんじゃ。」桃太郎「何？」

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経済学的な桃太郎２４：おじいさん「鬼が島にはな・・・石油が埋まってるんじゃよ。」桃太郎「え？マジで！？」おじいさん「鬼を退治してそこの所有権を手に入れれば、埋蔵された石油はわしらのものじゃ。そうすれば莫大な富が転がり込んで一生ウハウハな生活じゃよ。財閥を作るのも夢ではない」

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経済学的な桃太郎２５：息子たちのクラスは、体育館のステージで劇を行なう。桃太郎は猿たちを集めて交渉をする。桃太郎「ぜひうちに働きに来てくれ。給料はどーんと弾むぞ。」（鬼が島にて）桃太郎「行け、お前たち！」猿・キジ・イヌは鬼たちに襲い掛かる。鬼たち「ひえええ！」