アイドルの語り方についての批評田中秀臣さん

6月1日 アイドル論の多くが参照と引用の記述をおろそかにし、自説と他説の境界があいまいになっていることへの批判
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田中秀臣 @hidetomitanaka

さわやか、岡島さんたちこそが、アイドル論で過去の貢献などを無視していながら、類似の議論をしている典型的な人だと思っているのだが。今度のベルサンのイベントでもどんな過去貢献の無視をやるのか注目している。

2014-06-01 11:37:19
田中秀臣 @hidetomitanaka

この著作もそういった過去の文脈を切断したアイドル論の成果をなんの問題意識もなくまたびきした無残な貢献だと理解している。>「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う (青弓社ライブラリー) 香月 孝史 amazon.co.jp/dp/4787233726/… @AmazonJPさんから

2014-06-01 11:38:54
田中秀臣 @hidetomitanaka

要するにアイドルのファン層の断絶が80年代と現在であるだけではなく、通時的にも教示的にもアイドル論の相互参照がきっちりなされないまま、特に若手の論客には「好きなアイドル」への強い思いいれがある一方で、客観的な文献考証とその評価がまったくなおざり。自説と他説の位置づけがいいかげん。

2014-06-01 11:43:48
田中秀臣 @hidetomitanaka

そんなものは、少なくとも僕の理解する「論」でも「批評」でもまったくない。さわやか氏や岡島さんらの書き物にはそういう傾向がはっきりしているし、他にも多い(ツイートでも話題にした北川昌弘の本など)。たぶん無自覚なんだろうけど、僕には知的なものへの脅威にしかみえない。

2014-06-01 11:47:14
田中秀臣 @hidetomitanaka

過去のアイドル論の参照をきちんとおさえてる貢献で、若い人たち(年齢で限定するのもなんだけど)では、矢野利裕さんたちの『ジャニ研!』や、誰もアイドル論と気づかれてもいないことも問題だと思うが、村上裕一さんの『ゴーストの条件』は例外的。

2014-06-01 11:52:51
田中秀臣 @hidetomitanaka

例えば、多くのアイドル論が媒体(ネット等)×「物語」消費について肯定的にも批判的にも言及しているが、そもそもこの観点が誰が言い出したのかまったくなおざり。大概は自分たちが最初であるともいいたげ。ちなみに媒体×物語消費、という表現をとっていずに類似の言い方をしてるものも多い

2014-06-01 11:55:10
田中秀臣 @hidetomitanaka

簡単にいうと、「俺様が最初にいってるからエライ」と大してかわらないアイドル論が多い。紙幅が足りないとか、言及する時間がないとか、しょぼい理由はたあるだろうが、そんな弁明さえ聞いたことがない。要するに無自覚なだけ。

2014-06-01 11:58:13
田中秀臣 @hidetomitanaka

マンガ批評も相当にへんてこな世界だったが、アイドル論の方はへんてこ以前に、無自覚俺様ワールド。亡くなった安西信一氏の『ももクロの美学』は、自分の主張がどんな着想をベースにし、それを批判的に乗り越えていったかを、参照文献をその都度引きながら、きわめてフェアな書き方になっていた。

2014-06-01 12:03:47
田中秀臣 @hidetomitanaka

この安西氏の本と真逆な位置にあるのが北川氏の『山口百恵→AKB48 ア・イ・ド・ル論 』だと思う。例えば、いまのアイドル論評価の貧困は、栗原さんが前者には否定的で、後者は(僕の批判などはスルーして)称賛する、というダメぶりにも象徴されていると思う。

2014-06-01 12:06:26
田中秀臣 @hidetomitanaka

まあ、僕のフォロワーの9割以上は経済関係にだけ興味があるのでw アイドル論で昼間から連続つぶやきしても誰も反応しないがww。アイドル論で行われてることと、経済論壇で起きてることは通底している。分野が違うだけで想像力が働かないのは面白くはないね。同じ日本的空気の産物だってこと。

2014-06-01 12:08:42
田中秀臣 @hidetomitanaka

岡田康宏さんと以前、アイドルの現場で会った時に、香月 孝史氏の『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う 』を賞賛したので、僕はかなり驚いた。なぜならさっきも書いたけど、この本ほどいまのアイドル論の歪みを体現したものはないからだ。

2014-06-01 12:19:12
田中秀臣 @hidetomitanaka

なにか「論」や「批評」書くときの基本動作ができてるかできてないか、できてる人には当たり前の評価をしてるか、してない人にはそれなりの批判をしてるかどうか、そういう基礎ができてないかぎり、アイドル論は同じところ(=俺様主張と好きなアイドル推し的状況)無限ループする可能性が大きい。

2014-06-01 12:25:47
田中秀臣 @hidetomitanaka

無限ループしないためにも「参照」が必要。先ほどの安西信一氏の本を例示すれば、安西氏のももクロ論には、類似した論点を提起した宇野常寛、中森明夫、そして僕へのそれぞれへの言及と、それら三者と自説との差異が明白に書かれてる。これで引用された三者は「それ違う」「同意」など“化学”反応可能

2014-06-01 12:31:12
田中秀臣 @hidetomitanaka

また第三者も、安西論と(安西氏が参照した)三者の説の違いを独自に検証することが可能になる。そうやって「論」は育つだろう。紆余曲折しながらも。その紆余曲折の一例をあげれば、安西氏の参照は、稲増氏の『アイドル工学』の中の“物語”を見落としているなどという批評も可能にするだろう。

2014-06-01 12:34:49
田中秀臣 @hidetomitanaka

なぜ「紆余曲折」かというと、稲増氏の“物語”と、現在のアイドル論者が(積極的ないし否定的に採用する)物語消費的問題圏とはずれてるので。稲増氏の『アイドル工学』にかような“物語”論があり、現在のアイドル論とのずれがあるなどと言及した人はほとんどいないだろう。ここにも「無視」がある。

2014-06-01 12:37:52