水野和夫著『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書)を読みましょう。by 太陽のイビキ @taiyonoibiki さん
@taiyonoibiki ②なんだか新左翼のアジビラみたいで、ちょっと前なら一般の人が読むなんて考えられないようなタイトルだけど、著者の水野さんは、国際金融などにくわしいエコノミスト、いま世界で進行中の事の本質を経済人類史的に裏付けしてくれるかっこうの本です。
2014-05-31 22:34:38@taiyonoibiki ③ここで言う資本主義とは、東インド会社創立の1600年から代一時石油危機の1973年までの約400年間、世界を支配した人類史上でもきわめて特殊な経済システムのことで、資本がさらなる資本を生んで際限なく増殖していくという、
2014-05-31 22:35:07@taiyonoibiki ④資本家にとってはまさに〈打ち出の小槌〉だったもの。分業や地理的条件などによる産物の偏りを調整すべく、バーター取引や貨幣を場機会にした広い意味での市場経済、たとえば室町時代、洛外の六斎市などで見られた経済活動などは、ここで言う資本主義に数えません。
2014-05-31 22:35:29@taiyonoibiki ⑤資本主義の終焉は、しかし、マルクスの予言したような階級闘争の結果ではないようです。もはや投資が利子を生み出さない、資本主義の飽和とも言うべき、システムの自己矛盾が顕在化することによる。長引く超低金利をとデフレがそれを明確に示していると水野さんは説く。
2014-05-31 22:35:53@taiyonoibiki ⑥さて、資本が資本を際限なく生み出していくためには次の条件が必要だ。
2014-05-31 22:36:26@taiyonoibiki ⑦❶地理的・物理的フロンティアの存在:例えばテレビを持っていないけどテレビを欲しいたくさんの人々。車を持っていないけど、車が欲しいたくさんの人々の存在。つまり、そこに商品を持っていけば売れる無限とも言える市場の存在。
2014-05-31 22:36:48@taiyonoibiki ⑧❷低い生産コスト:利潤をあげるためにはコストを抑えなければならない。そこで、a.湯水のように使える安価で豊富な資源。b.低賃金長時間重労働、もしくは徹底したオートメ化による大量生産システム。
2014-05-31 22:37:10@taiyonoibiki ⑨低コストで大量生産した商品が高価格でどんどん売れてくれる限り、投資した資本は増殖し続けることができる。 しかし、今や資本は世界の果てまで行き尽くして、フロンティアがなくなってしまった。
2014-05-31 22:37:35@taiyonoibiki ⑩テレビも車も世界中にあふれて、〈ゆるキャラ〉とか〈色〉とか市場の動向はますます気まぐれになっていく一方であり、かつての〈冷蔵庫欲しい〉〈洗濯機欲しい〉〈テレビ欲しい〉〈車欲しい〉にあったような切実さ、情熱は求めようがない。
2014-05-31 22:38:08@taiyonoibiki ⑪いきすぎた医療、健康産業とかリニアカーとか、運転手のいらない自動車とか、そんなもの本当に欲しいのかな?むしろ、あふれかえるモノ自体が生活や精神に圧迫感を与えているのが現代社会。
2014-05-31 22:38:32@taiyonoibiki ⑫証券取引上の百万分の一秒、億分の一秒の差での取引で、利を稼がなくてはならなくなっているという事実がすでにフロンティアの消滅を意味している。
2014-05-31 22:38:52@taiyonoibiki ⑬生産コストについて考えると、a.台頭して来たかつての途上国との取り合いとなり、資源が比べ物にならないくらい高くなって利潤を圧迫している。b.海外に行きさえすれば人件費が安いという時代はどんどん終りに近づいている。
2014-05-31 22:39:12@taiyonoibiki ⑭c.かつて生産の主要を占めていた組み立て部門が、台頭して来た中国、韓国、インドなドと競合し、ドングリの背比べだから、価格競争しかなくてそれが利潤率をますます低下させている。(独創的なアイデアはブラックボックスの中で、アップルが独占している。
2014-05-31 22:39:36@taiyonoibiki ⑮「みんなと同じが良い」な日本、韓国、中国は組み立て部門に合っているので、どうしてもそこで競合してしまうのだ!)d.作った商品は畢竟すべてゴミになる。ゴミは環境を圧迫する。ゴミを処理するコストが利潤を圧迫する。
2014-05-31 22:39:59@taiyonoibiki ⑯生産によって人間は豊かになるはずだったのに、かえってかつて無料だった美味しい空気、美味しい水、安全な食品、きれいな景色、豊かな人情などが消えていき、いまや生産が逆にマイナスの付加価値になっている。(有機水銀だの伝子操作だのあげくの果てはベクレ食品!)
2014-05-31 22:40:35@taiyonoibiki ⑰つまり、いまや資本主義では儲からなくなってしまったのです。延命策のためにいろいろやってるけど、それが今、世界が直面している末期症状というか悪はことごとく、そこからきている。
2014-05-31 22:41:03@taiyonoibiki ⑱もう、おわったものを無理に延命しようしても、そこから生まれるものはさらなる悲惨でしかない。中産階級の没落、貧困の常態化、もう戦争でもしようかってことになる!?
2014-05-31 22:41:13@taiyonoibiki 貴重な連ツイ、ありがとうございます。小川さん宛ツイ「..人類私(史)的に現在を理解しておく事が必要なのだと思います」、同感です。水野和夫著「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか 」を前に読み、世界は変わってしまってるんだとその時感じました。
2014-06-02 16:27:49@jerico4 たとえばCSなんかで「何百何千チャンネル視聴できます!とか言われても、自分の人生の持ち時間はきまっているし、そんなにたくさん見れないわけです。でも、「視聴してください!視聴してください!」ってウルサく言ってくる。それが一つところからでなくてたくさんあるわけです。
2014-06-02 21:55:26@jerico4 ②以前、物を選ぶときの基準の一つとして〈丈夫で長持ち〉と言うのがあったわけですが、今は2、3年を寿命としてあらかじめ設計されているんです。それで壊れても「買った方が安いです」と言われる。それで新しいのを買う。そうやってけんめいに利ざやを稼ごうとする。
2014-06-02 21:55:49@jerico4 ③そう言うメーカーがもちろん日本だけでなく、アメリカでもヨーロッパでも韓国でも中国でもインドでも世界中が目白押しで価格競争しているわけです。
2014-06-02 21:56:21@jerico4 ④あと、郊外の外食フランチャイズの建物なんか見てもわかるんですが、恒久的な建物ってなくて全部数年で建て替えるみたいなペラペラなものばっかでしょ。イタリアン、中華、インディアン、コリアン、回転寿し、ラーメン、蕎麦....と、ゆるキャラグッズなんかも同じ、
2014-06-02 21:56:46@jerico4 ⑤みんな消費者の気まぐれをあおって秒刻みで利ざやをかせごうとしてる。携帯とかスマホとかも、使いもしない、そしてすぐに飽きてしまう様々の機能盛り込んで、本当に百万分の一、億分の一秒の勝負をしてる。
2014-06-02 21:57:06@jerico4 ⑥それでいて、いっけんモノやサービスに豊かにあふれ帰っているようだけど、本当に魅力的なものがそれほどあるわけじゃない。アップデートしたソフトが前のより使いにくくなってるなんてこと、このごろありませんか?
2014-06-02 21:57:27