環境省HP掲載の安斎育郎氏のリスクコミュニケーションについて 高岡滋さんのツイートまとめ

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高岡 滋 @st7q

①環境省のHPに安斎育郎氏の資料あり。「原子力被災者等との健康についてのコミュニケーションにかかる有識者懇談会」env.go.jp/jishin/rmp/con… この資料は非常に興味深い。基本スタンスとして「隠すな、ウソつくな、故意に過小/過大評価するな」とある。

2014-06-04 08:40:50
高岡 滋 @st7q

②リスクを「過小/過大評価するな」と述べておられるということは、ある主張を過小あるは過大と決定する基準が、客観的そして安斎氏の中に存在するということになる。当然、安斎氏にとってリスク評価の具体的方法は何なのかということが問われてくる。

2014-06-04 08:41:01
高岡 滋 @st7q

③現地の人々の生活上の不安や差別についての問題点を考慮し、対策を立てなければならないのはもちろんのことである。しかしその前に、安全を語る科学者はそのリスク判定の手法を持っていなければならないはずである。しかし、安斎氏の資料の中にも語りの中にも、判断の要となる情報はみられない。

2014-06-04 08:41:16
高岡 滋 @st7q

④「過度に恐れず、事態を侮らず、理性的に怖がる」の項目で、その基準は被曝量の測定値であるらしい(p.11-12)。しかし、リスクは被曝値のみでは推定できず、同じ値に対して異論も存在する。残念ながら、実際の人間を対象としなければ、本当のリスクは分からない。

2014-06-04 08:41:30
高岡 滋 @st7q

⑤フェスティンガーの認知的不協和理論が持ち出されている(p.14)。喫煙のリスクと認知の不協和を和らげる方法として「喫煙が肺がんの原因だとしても交通事故で死ぬよりはマシである」と考えて、不協和を和らげる手法は態度の変容の一つとされている?らしい。

2014-06-04 08:41:56
高岡 滋 @st7q

⑥もしそうだとすれば、この方法は、個人的にどうにもならない状況で「私」個人の慰めにはなるかもしれないが、社会的には悪しき「リスク比較」が推奨されてしまうことになる。

2014-06-04 08:42:09
高岡 滋 @st7q

⑦認知的不協和理論を持ち出すのであれば、むしろ、安斎氏自身の中での認知的不協和の存在とその解消がどうであったのかを尋ねてみたい。科学を語る安斎氏自身のなかでの科学と心理の定義と役割分担がどうなっているのかが重要な問題なのである。

2014-06-04 08:42:28
高岡 滋 @st7q

⑧そして、解決のカギは「信頼関係を築くこと」となっている。確かに信頼は重要なこと。その基礎としての科学的命題の真偽をめぐる問題については、「科学外的な価値判断が影響を与えないよう…」とされているが、リスク判断の科学が何であるかによって、この言葉の意味は180度反転しうる。

2014-06-04 08:42:43
高岡 滋 @st7q

⑨「被害者・被災者と心寄り添い、リスクの極小化に向けて、実行可能な方法を実践」として、(1)実態把握、(2)防護原則、(3)相談助言体制とある。驚いたのは実態把握の中に健康モニタリングが含まれていないことである。環境省がこの姿勢に大賛成であることは間違いない。

2014-06-04 08:43:01
高岡 滋 @st7q

⑩おそらく、安斎氏は真面目に考えてこられたのだと思う。被災者の方々に対する思いがあることも間違いない。良心的に考えれば、安斎氏のなかに、放射線リスクというものはかなりのところ既知のものとなっている、という理解が存在するのか?いずれにしても、リスクに関する科学は見えてこない。

2014-06-04 08:43:21
高岡 滋 @st7q

⑪おそらく悪意はないであろう安斎氏に対して、語るに忍びないのであるが、「隠すな、ウソつくな」というスローガンとは裏腹に、環境省の実態隠しに事実上手を貸しておられることになる。環境省がホームページに転載するのも当然のこと。喜んで。

2014-06-04 08:43:57
高岡 滋 @st7q

⑫確かに、現状を真正面から受け止めるのは難しい。しかし、根本的な問題は、行政の責任者が住民の健康に責任をとる政策を実行せず被災者を孤立させていること。安斎氏がリスクの専門家であるなら、第一になすべきことは、加害者と行政に責任ある行動をとらせるために闘うことである。

2014-06-04 08:44:17