101109 小山龍介講義@新潟大学まとめ

小山龍介さんの再現つぶやきをまとめました。
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小山龍介 @ryu2net

昨日の新潟大学の講演をツイッターで再現してみよう

2010-11-10 09:13:47
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(1)ライフハックは複雑な世界に対応するための方法論。世界が複雑でなければ必要ない。しかし世界は複雑化している。今日はその世界観(ワールドモデル)を伝えたい。それがきっと社会に出たあとに役に立つ

2010-11-10 09:15:06
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(2)天文学から気象学という言い方で説明したのはサイバネティクスで有名なウィナー。天文学は何万年後の星の位置がわかるが、気象学は明日の天気もわからない。複雑な関係性があり、小さな差異が大きな変化になる世界では、明日のことすら予測できない。

2010-11-10 09:16:58
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(3)200人の人がこの教室にいるが、誰が成功するかわからない。たかをくくってはいけない。5年前にSNSはなかったが、今やTVCM出稿量がもっとも多い業界の一つ。Wikipediaは10年前に生まれたばかり。10年後を予測できるだろうか?

2010-11-10 09:18:23
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(4)世界観のポイントはネットワークの把握。ランダムネットワークは、高速道路網。ひとつのノード(点)につながるリンクの数は、それほど大差はない。平均的な数に収束し、ベルカーブを描く。身長などと同じ。偏差値教育も似たようなものだ。これまでのみなさんはベルカーブに住んでいた

2010-11-10 09:20:25
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(5)しかし社会はスケールフリーネットワークである。ある少数のノードが沢山のリンクを集めてしまう。航空網がそれ。羽田はたくさんのリンクが集まるが、地方空港はほとんどリンクがない。突出した才能はスケールフリーで現れる。偏差値で測れないだろう。

2010-11-10 09:21:43
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(6)ランダムネットワークは分散型ネットワークであるとも言える。ノードはすべて平等であり、出る杭はない。この反対のネットワークが一点集中型。これはあるひとつのノードだけが特権的。実際の社会はこの中間の多中心型である

2010-11-10 09:23:40
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(7)特定のノードがリンクを集めるのは、ふとしたきっかけである。ヒット作品、ヒット商品が生まれる理由はひとつに特定されない。だれもその因果関係を「すべて」解き明かすことはできない。複雑系である。

2010-11-10 09:26:09
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(8)ブラックスワンの登場もそう。ベルカーブで見ると、めったに起こらない確率の低い事象が、ものすごいインパクトをもたらす。911のテロを誰が予想したか。サブプライムローンの破綻からリーマンショックはどうか。社会が一変してしまうようなできごとが起こるのが社会。

2010-11-10 09:29:47
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(9)就職活動をベルカーブでするひとは、ブラックスワンに足をすくわれるだろう。何一つ確実なことはない。就職ランキングほどあてにならないものはない。JALの破綻は、学生にとってのブラックスワンだった

2010-11-10 09:31:06
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(10)ナイトの不確実性。リスクは確率によって予測できること。不確実性とは確率によって予測できない一回生の事象。リスクで就職活動を考えている人は多い。しかし、就職で支配しているのは圧倒的に、不確実性である。

2010-11-10 09:32:53
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(11)優良企業に就職しても、配属される部署によって運命は大きく変わる。10年20年40年先を考えたとき、今、どの企業に就職し、どの部署に行ったほうがいいのかというのは、判断が非常に難しい。どうすればよいか。

2010-11-10 09:35:09
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(12)不確実性に対処するための三つの基本能力を上げるとすれば、まずは(1)差異の感受性だろう。ちょっとした差を感じ取ること。胸に抱えている違和感に気づくこと。

2010-11-10 09:36:10
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(13)ふたつめが、感じ取った異常値のインパクトを予見する力である。どんな結果をもたらすのか、ぼんやりでもいいから見通す。

2010-11-10 09:36:55
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(14)みっつめが、不確実性を受け入れる柔軟性。想定と違ったことが起こってもそれを受け入れ、それを前提に考え、行動すること。インパクトを予見できていれば、難しくはない。どう世の中を認識するかという認識論

2010-11-10 09:37:59
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(15)自分の過去の話をしてみよう。小学校の時にはゲーム作りに熱中した。高校では生徒会で、機関誌を毎日発行した。大学では映画作りに熱中した。こうしたことが、今の仕事に結果的につながっている

2010-11-10 09:39:10
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(16)ポランニーは、暗黙知というコンセプトを提案した。暗黙知とは、言葉にならないけれどもなぜか知っていること。Tacit knowing。その当時、そのことが将来にどう役立つのか、はっきりとは知っていなかったけど、どこかで暗黙のうちに知っていた

2010-11-10 09:43:36
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(17)ポランニーは優秀な化学者でノーベル賞受賞も間違いないといわれる研究を複数行っていた。研究を始める頃には確証がないのに、なぜすぐれた発見ができるのか。自分の経験を振り返った。そこにはある原則があった

2010-11-10 09:44:47
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(18)それが近位項と遠位項。「近位項から遠位項に向かって注意を移し、遠位項の様相の中に近位項を感知する。」これがポランニーの発見した暗黙知の構造。

2010-11-10 09:45:34
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(19)近位項という、手元にある情報の意味というのは、それ自体では理解できない。なので、そこから遠位項という、全体像へと注意を移すことが重要である。そうすると、遠位項の様相の中に、近位項を感じ取ることができる。近位項の意味を理解することができる

2010-11-10 09:48:41
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(20)ポランニーは顔の認識を例に説明している。顔の個々のパーツのサイズや色、形状をみても顔を認識できないが(モンタージュのパーツを見てもわからないように)、全体に目を向けると認識できる。(モンタージュとして合成されると「顔」として認識できる、似ている人を探せる)

2010-11-10 09:51:55
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(21)ポランニーのもとには日本人の研究者もいた。彼らが口を酸っぱくして言われたことは「ワールドモデルを持て」ということだった。ポランニーは、ワールドモデルという遠位項を通じて、実験データななどの近位項を「感知せよ」と言ったのだ

2010-11-10 09:52:45
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(22)研究を始める頃は、それがうまくいくかどうかは誰もわからない。不確実性の中にある。しかし「遠位項の様相の中に近位項を感知する」ことによって、ノーベル賞級の発見につながる。近位項ばかりに注意を向ける人には、その僥倖は訪れないだろう

2010-11-10 09:54:51
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(23)就職活動において、近位項に注意を向けすぎていないだろうか。遠位項の様相を捉えているだろうか。たとえば、40年後の自分という遠位項を想定して、そこから今の現状である近位項を感じ取ってみたらどうか。違う世界が広がるはず

2010-11-10 09:56:01
小山龍介 @ryu2net

新潟大学(24)この講義で伝えたいワールドモデル。それは不確実の世界と、そこでどうやって成果をあげるか。ポランニーの研究と、みなさんの就職活動は、分野は違えども、同じような不確実性を抱えている。必要なのはテクニックではない。不確実性に向かうためのワールドモデル

2010-11-10 09:57:33