憲法学者・木村草太による同性婚と憲法の関係について

木村草太の力戦憲法 同性婚と憲法の関係 http://blog.goo.ne.jp/kimkimlr/e/6f997602541ba03928e7e79f1171d0a3
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乙武洋匡 @h_ototake

「両性の合意のみに基づいて成立」とは、保護者などの承認を必要としないとの意だと憲法学者・木村草太氏は言っていた。この不受理を裁判にしてみては、とも。/ 青森の女性カップルが婚姻届、市は憲法根拠に不受理(Web東奥) - Y!ニュース headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140606-…

2014-06-06 23:12:58
木村草太 @SotaKimura

@h_ototake 「夫婦」という言葉や、子供の親の「父母」という言葉など、全体の条文からして、当然「男女」を意味している、と推察される。というのが、現行実務の根拠なのではないでしょうか。

2014-06-07 01:08:18
木村草太 @SotaKimura

この記事についていくつかご質問をいただいたので、少しコメントしたいと思います。 青森の女性カップルが婚姻届、市は憲法根拠に不受理(Web東奥) - Y!ニュース headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140606-…

2014-06-08 15:01:18
木村草太 @SotaKimura

憲法24条を不受理の理由とするのは、おかしいと思います。不受理にするなら、「民法が想定していない」的な理由をつけるべきだったでしょうね。24条は、男女が婚姻する場合に、男性の一方的意思のみでは結婚できないこと、親族会の同意等は不要であることを確認したもの、と理解されています。

2014-06-08 15:03:25
木村草太 @SotaKimura

したがって、24条は同性婚については何も述べていないというのが通説的な理解で、たいていの教科書・コンメンタール類でも、同性婚禁止条項だという解説はありません(嘘だと思う人はしらべてみよう!)。

2014-06-08 15:05:13
木村草太 @SotaKimura

いきなり憲法を持ち出してしまったのを見ると、役所の方は、「民法・戸籍法では婚姻が異性婚のみをさすとは読めない」と考えたのかもしれません。民法の婚姻の成立要件(民法731条以下)をみると、案外婚姻当事者が「男」と「女」でなければいけない、と明示する規定はありません。

2014-06-08 15:06:47
木村草太 @SotaKimura

「夫婦」という言葉や、子供の親の「父母」という言葉など、全体の条文からして、当然「男女」を意味している、と推察される。というのが、現行実務の根拠なのではないでしょうか。

2014-06-08 15:06:55
木村草太 @SotaKimura

「受理した場合にどうなるのか?」とのご質問を乙武さんより頂きました。 窓口が受理しても、戸籍に記載する部署などで、疑義が生じ、前例がない、想定外、などとして、戸籍の記載がされない、という措置になるかと思われます。

2014-06-08 15:09:50
木村草太 @SotaKimura

戸籍が通っても、他の社会保障や税務署などで、その取扱いについて疑義を呈され、婚姻関係として扱われないという可能性はあります。

2014-06-08 15:11:47
木村草太 @SotaKimura

また、相続の段階で、他の親族より、相続分を巡って、婚姻無効の訴訟がなされる可能性はあるかとも思います。

2014-06-08 15:12:42
木村草太 @SotaKimura

窓口の不受理、戸籍の不記載、税務署等の扱い、いずれにおいても、婚姻当事者としては、取り消し訴訟や、国賠訴訟の道を模索することになると思われます。

2014-06-08 15:15:57
木村草太 @SotaKimura

ちなみに、集団的自衛権は行政に含まれないとされているので、憲法が積極的に授権していないと、国は行使できません。 他方、婚姻を含む、私人の共同生活にどういう法的保護を与えるかは、行政権に含まれるので、憲法に違反しない限り、法律で決めるべき事項です。

2014-06-08 15:21:44
木村草太 @SotaKimura

@mekurayanagi1 ご連絡ありがとうございます。確かに、窓口で受理というのは厳しいですよね。不受理証明が出たそうなので、訴訟やると面白い訴訟になるでしょうね。

2014-06-08 16:27:45
木村草太 @SotaKimura

@gryphonjapan 何年か前に学会でも議論になった記憶がありますが、さしあたり、それらの結合をどの程度保護するかは立法裁量の問題であって、禁止しても許容しても合憲だから、あとは立法府の判断だ的な議論に落ち着くと思います。

2014-06-08 16:38:37
木村草太 @SotaKimura

@mekurayanagi1 私も、記憶の範囲ではそうだったということで、今度、丁寧に基本書・コメ・起草過程・主要論文などさらってみます。どうもありがとうございました。

2014-06-08 17:04:09
木村草太 @SotaKimura

@gryphonjapan (1)は立法裁量の範囲だと思います。(2)ただ、相続などでの区別が不合理なら、平等権侵害で別制度の設定を請求できるはずです。解釈改憲?的問題についてはブログ記事をご参照ください。 この件は、少し調べて原稿書きます! ので細かい点は少しお待ちください。

2014-06-08 17:10:36
木村草太 @SotaKimura

同性婚のために憲法24条削除を主張する人もいますが、単純削除だと、親族同意や男性の一方的意思での婚姻を合憲化する改正だと理解される危険もあり、注意が必要です。 この問題の記事、ブログにまとめましたが、いずれ原稿書きたいと思います! blog.goo.ne.jp/kimkimlr/e/6f9…

2014-06-08 18:19:07
mekurayanagi @mekurayanagi10

ざっと見、基本書憲法で24条につき同性婚触れてるのは渋谷・赤坂『憲法1』(有斐閣)で「文言上困難」と。他は当然男女前提。行政窓口にそれ以上求めるのも酷な気が @SotaKimura 全体の条文からして、当然「男女」を意味している、と推察される。というのが、現行実務の根拠なのでは

2014-06-08 16:12:49
mekurayanagi @mekurayanagi10

@SotaKimura 棚に並んでいる主要な基本書を本当にざっと拾い見ただけなので、酷い見落としがあるかもしれません(と思います…)。ご迷惑にならなければよいのですが。 訴訟は、提訴する方の負担は大変だと思いますが、おっしゃるように面白い訴訟を、結果を含め、私も期待しています。

2014-06-08 16:43:17
Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) @gryphonjapan

木村先生、突然専門家に質問する失礼お許しください。 同性婚の憲法論から発展した一種の空想として(似た実例ありますが)…「姉と弟の結婚禁止は憲法違反だ」「1人が2人を妻(or夫)にできないのは憲法違反だ」との主張があったら、現憲法は、どう答えるのでしょう? @SotaKimura

2014-06-07 23:15:42
Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) @gryphonjapan

ありがとうございます。ただ2点ばかり…(1)ならば「結婚は男性と女性の間に限る」というのも「立法裁量の範囲」になるのではないか。(2)そもそも<結婚の定義>は男女。相続などで同様の権利が欲しいとして、そういう別制度(シビルユニオン)のほうが自然だ論(続き)@SotaKimura

2014-06-08 16:58:57
Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) @gryphonjapan

あと一つは、現在の安倍解釈改憲論批判とパラレルですが 「素朴に、ふつーの人には『両性』や『夫婦』が男と男、女と女も含むなんて解釈は腑に落ちない。それもOKなんてのは恣意的な『解釈改憲』で、本当に同性婚を求めるなら堂々明文改憲を主張せよ」と。こんな論者には?@SotaKimura

2014-06-08 17:02:55
リンク gooブログ 同性婚と憲法の関係 - 木村草太の力戦憲法 この記事についていくつかご質問をいただいたので、少しコメントしたいと思います。 青森の女性カップルが婚姻届、市は憲法根拠に不受理(Web東奥) 憲法24条を不受理の理由とするのは、いささかおかしな話で、 不受理にするなら、 「民法が想定していない」 「民法における婚姻とは異...