Blades-H" 6日目前半

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Blades-H @Blades_H_

「沮桐さんを止められないから……私を止めるんですか?」彼女が続けて口にする言葉が、胸に刺さる。その言葉は正しい。俺は沮桐を止める機会が有った。しかし、出来なかった。ただ、俺はもう、彼女を十分に傷つけてしまっているのではないか。そんな気がして。

2014-04-20 21:54:28
Blades-H @Blades_H_

三好が悪い、と言ってしまうのは簡単だ。だが、彼女から目をそらし続けているのは、誰だ?それに。俺は、彼女に原因があると分かって、内心喜んではいなかっただろうか? ……俺はどうすればいいのか?

2014-04-20 21:57:32
Blades-H @Blades_H_

この段になって、俺は漸く沮桐の言の正しさに思い至る。結局、同じ人を想ったならば、どちらかが傷つくしか無いということに。皮肉にも、今回は……本当にどんな数奇な事情なのか……その対象が俺だったという話。さて。縋るような顔をしている彼女を俺はこのまま犠牲(傲慢な表現だ)にし続けるのか?

2014-04-20 21:59:27
Blades-H @Blades_H_

……問を変えよう。俺は責任を取ると言った。その目的だけは、今もきっと変わらない。だがそれは、誰のための責任だ?そのために、どれだけの、どんな犠牲が許されるというのか?

2014-04-20 22:01:59
Blades-H @Blades_H_

/* 選択肢 ①沮桐のため ②俺のため ③世間のため ~22:30 */

2014-04-20 22:05:07
Blades-H @Blades_H_

/* 選択肢に関する説明 Blades-H"はゲームシナリオを用いた連載のため、選択肢が途中に存在します。そのため、リプライによって展開が分岐するシステムを採用しています。 追記:ルートが既に確定しているため、ここから先はほぼ一本道です。 #blades_h */

2014-04-20 22:07:11
Blades-H @Blades_H_

/*..②が選択されました*/

2014-04-20 22:32:52
Blades-H @Blades_H_

/*今回は、送られてきた選択肢のすべてが②を選んでいた事を追記します*/

2014-04-20 22:34:00
Blades-H @Blades_H_

「……違う。俺は、止めやすい方を選んだだけだ」悩んだ末に、俺はそう答えた。これは俺の責任だ。自分の中の何かを握りつぶした感触が、微かにした。「三好さんなら、話せば分かってくれる。そう思ったから」沮桐は止まらない。俺が止める事も出来ない。だから、俺は合理的な方法を選んだにすぎない。

2014-04-20 22:36:52
Blades-H @Blades_H_

「沮桐を、許して欲しい」それを正直に吐露して、俺は頭を下げた。俺がやりたいことを。……それが、俺の。責任という名の自我(エゴ)であることは覆い隠して。訪れる沈黙。その後に、「……それは、買い被りだと思いますよ?」三好はそう告げた。微かな、微笑みと共に。

2014-04-20 22:40:14
Blades-H @Blades_H_

「……そうか?」三好は、沮桐とは違う。危うさこそあるが、根本的な所で壊れてはいない。そう思ったから、俺はこの選択をしたのだが。「まぁ、事情を話せば、少し長くなります。まずはお茶でもどうぞ」「ああ、……悪い」そういえば、彼女が折角淹れてくれたお茶があるのだ。有り難く頂こう。

2014-04-20 22:45:29
Blades-H @Blades_H_

お茶を啜る。少し変わった味だが、これは何のお茶なのだろうか?「蓮根のお茶です」そんな物があるのか。2/3ほどまでお茶が減ったところで、湯呑みを戻す。「そうですね、何からお話しましょうか」「沮桐と戦う理由、だろ?」何故だろう。三好の話し方が、酷く持って回った様に感じるのは。

2014-04-20 22:54:29
Blades-H @Blades_H_

「沮桐さんと戦えば……何かが分かる気がしたからでしょうか」何か?命のやりとりは、それはそれで斬新な経験なのかもしれないが……それで何かが得られるというのか?いや、そんなことで得られる物は。きっと、まともな物であるはずがないのだ。「それで一体……何を」

2014-04-20 22:59:13
Blades-H @Blades_H_

「それは、わかりません。でも、剣を学んだことの意味くらいは、知りたいと思うのが人の性ですから」だから、剣で戦うのか。そうして三好は、昔話を始めた。祖父に剣を教えられたこと。幼い彼女は、嬉々としてそれを教わったこと。……その一部の意味を、今でも理解できないでいること。そんなことを。

2014-04-20 23:10:10
Blades-H @Blades_H_

「……そうか」俺は、それを相槌を打ちながら聞いていた。その話を聞く限り。彼女はとても真っ当な育ちをした人間のようだった。何故、彼女は俺にこんな話をするのか?相槌ばかりだからだろうか、段々呂律が回らなくなるのを感じながら俺はそう思った。そして、「ああ……それと」

2014-04-20 23:15:22
Blades-H @Blades_H_

ひと通り話し終えて。彼女はそう言って、言葉を切った。「ん?」「だから、都久志さんの見立ては当たってると思います。確かに私は、沮桐さんみたいな、最初から『違う』人間じゃありませんから。もしかすると、頼まれれば、聞いてしまうかもしれない。……でも、一つだけ間違いがあります」間違い?

2014-04-20 23:20:51
Blades-H @Blades_H_

なんだろう。俺は、何故か酷く眠いのに。彼女はそんなことを言ってくる。「だって私は、『そうなりたくないんですから』」おぼろげな感覚で理解する。確かなのは、俺の言動の何かが、彼女の逆鱗に触れたこと。俺は、一体何を間違えたのか。そんなことを最後に考えてから、俺の意識は闇に落ちた。

2014-04-20 23:23:22
Blades-H @Blades_H_

「ありがとうございます、都久志さん。手間が省けました。……都久志さんに迷惑をお掛けすることは、ありませんから」そんな内容の言葉が、耳許で囁かれた気がした。

2014-04-20 23:25:57
Blades-H @Blades_H_

視界がぼやけている。……見上げた先にあるのは、知らない天井。俺は何故か、布団に寝かされていた。記憶の前後関係を整理しよう。俺は確か、三好を訪ねて。話をしているうちに……眠ってしまったのだろうか?

2014-04-20 23:32:03
Blades-H @Blades_H_

なんという無作法。布団から体を起こす。まずは、三好を探し、謝罪とお礼を言わなくては。……外はもう暗いようだ。俺は何時間寝ていたのか。何故か、境内のカラスが酷く騒がしい。「……三好?」何故か酷く不安をお覚えて、俺は彼女の名を呼んだ。

2014-04-20 23:35:17
Blades-H @Blades_H_

……外に居るのだろうか?何時ものように、境内を箒で掃いているのかもしれない。そう思って俺は社務所の玄関で靴を履き、外へ出る。 ーーーー俺が、そこで見たのは。

2014-04-20 23:38:06
Blades-H @Blades_H_

横たわる三好と、血に染まった日本刀を持った「誰か」の姿。月灯に照らされた、二人のシルエットを俺は見た。そのセーラー服を着た「誰か」は俺の方には一瞥もくれず、境内から去った。俺は三好に駆け寄ろうとして、足を止める。……三好の腰から下は、

2014-04-20 23:44:02