#変態不知火さん 『Please,Don't call my "Name"!』

高峯みやび @sukamelancholy

関西のおばちゃんではないが、飴は常に持ち歩いている。大した理由はない。ただ、煙草を吸えない状況の時に吸いたくなった時の為に常備している。飴を口内でころころ転がす榛名、カモメの鳴き声。 ニャア、ニャア。ぴゃんっ♪ ……別の鳥のような鳴き声も聞こえた。多分酒匂。 #変態不知火さん

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日が落ちると遠征艦隊も皆鎮守府へ帰還し、休息に入る。だが夜は夜で訓練もある。特に駆逐艦と軽巡、重巡の艦娘は夜戦で戦艦を葬る。故に夜戦訓練をしているのだ。基本的には参加自由だし、付き添いには必ず戦艦と重巡が一人居る事を義務付けている。あと、飯の時間までには戻る事。 #変態不知火さん

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夜戦訓練で指揮役を買って出ているのは華の二水戦旗艦であった川内型の神通。夜戦といえば一番艦の川内のイメージがあるが、着任が少々遅かった。川内型の中でも一番練度が低いのもある。それでは納得しなかったので、じゃあ鎮守府の夜間警備やってと言ったら喜んで引き受けた。 #変態不知火さん

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では川内型の三番艦、那珂は何をしているのかというと、専ら遠征の旗艦だ。遠征先で自ら営業をし、ファンを獲得している。一度那珂ではなく能代を旗艦にしたら「俺達の那珂ちゃんを連れてきてくれよ！」という苦情が来たのにはビビった。那珂の歌を聴かないと落ち着かないそうだ。 #変態不知火さん

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夜も更けてそろそろ今日も終わるという頃、川内は起きだす。大好きな夜戦（鎮守府の見回りだけなのに）が出来るという事でテンションも高い。激しいギターの音楽と共にヘドバンしながらメロイックサインを掲げ、「や！　せ！　ん！　や！　せ！　ん！」と叫びながら。何してんねん。 #変態不知火さん

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「何って、夜戦だよ！　今日もばっちり鎮守府警備するよー！　ｳﾞｫｫｫｵ！！」テンション高いのはいいがデスボイスはやめろ。……とまぁこんな感じで毎日夜間警備隊長として頑張っているのだ。他の子は日替わり。「夜戦夜戦万歳夜戦夜戦万歳夜戦夜戦万歳人間！」うるせえ。 #変態不知火さん

しゅま＠_(_ _ε:)_ @9289schmaisen

「やせん！やせん！」 「うるせえ！」 #変ぬい pic.twitter.com/BEIMlzcnpr

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日々のストレスの解消法ってのは人によって様々だ。何も考えずに走り込みをし汗を流す。筋トレをする。甘い氷菓子を食べる。寝る。ドラム缶を殴りまくる。それと――セックス。艦娘によって色々だが、俺の場合はゲームである。消灯時間、そんなものはお構いなしでやる。 #変態不知火さん

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そしてその趣味が一致している艦娘が一人いる。叢雲である。彼女は俺以上にゲームを愛しやり込む。以前やったゲームだとハンブラビのウミヘビの電撃で俺の期待は爆発四散されまくった。超強い。……が、何故かぷよぷよやテトリスは苦手で唯一俺が勝てるものでもある。 #変態不知火さん

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さて今日もゲームの時間と洒落込むかと休憩室に行くと、珍しい背中が見えた。左に髪を結って長身で、青のスカートの艦娘。正規空母の加賀さんだった。気付かれないようにそっと近づくと、叢雲と並んでテトリスをやっていた。……意外な一面である。 #変態不知火さん

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加賀さんは黙々とブロックを積み、縦四つの棒を一つだけ開けた隙間に容赦なく捻じ込む。対する叢雲は一列一列すぐに消していくスタイル。見ている限りでは接戦だ。なのだが二人は黙ったままプレイしている。加賀さんが寡黙なのもあるし叢雲も集中しているのだろう。 #変態不知火さん

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と、加賀さんがまた四列の一気消し。それによって叢雲の方に妨害用の隙間だらけの列が下から上がってくる。ギリ、と微かに歯を食いしばる音が聞こえる。加賀さん相手に罵声は浴びせないのか。俺がやったら「何するのよこの馬鹿！ 阿呆！」と言ってくるのだが。なにこれ扱いが違う。 #変態不知火さん

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ただ、加賀さんも加賀さんで積むのが遅い。全てかっちりと嵌めないとと気が済まない性質。故に叢雲の妨害も受ける。息を潜めて戦いを見守っていると、叢雲が先に頂上までブロックが到達し、敗北。「あー負けたわ」コントローラーを持ったまま後ろに転がる叢雲と目が合ってしまった。 #変態不知火さん

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眉を顰めて、叢雲は俺を睨む。「何をしているのよアンタ」二人の戦いを見守ってた。「なら声かけなさいよ。盗み見るなんていい趣味ね」そのまま唾を吐き捨てかねない表情である。やっぱ扱い酷くね？ もうちょっと優しくしてくれてもいいじゃん。「馬鹿じゃないのアンタ」はい。 #変態不知火さん

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俺がいると気付いた加賀さんはコントローラーを渡してきた。あれ、もういいの？「貴方の戦いを見せてもらうわ」プレッシャーかけるのやめてくれませんかね……。やるけど。「今度こそアンタを殺す！」物騒な言い方やめてください本気で怖い。 #変態不知火さん

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こうして叢雲との何度目になるかもわからないテトリス勝負の火蓋が切って落とされた。見守るのは加賀さん。すっげえ見られてる。怖い。だがまぁ身体というか脳はテトリス脳になってるもんで、加賀さんの戦法と同じく四列一気に消すやり方で攻める。「早いのね」……あ、はい。 #変態不知火さん

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さて待望の縦四つの棒がやってきた。一気にこれで消してやろう。フヒヒ。「あっ、待ちなさい、それをハメたら殺すわよ！ 酸素魚雷顔面にブチ込むわよ！？」何で俺の時だけそんな物騒やねん。だがハメる。「あっ、やだっ、ハメるなぁぁ！」はっはっは。聞く耳持たん。死―――― #変態不知火さん

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ね、と続ける筈だったのだが、急に観戦していた加賀さんが俺の顔を急に両手で加賀さんの方に向かせて、思い切り唇を押し付け、さらには舌まで一気に入れてきた。いきなりなんだよ。テトリスしてんだけど。あと画面見えない。しかし加賀さんはお構いなしに続ける。 #変態不知火さん

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加賀さんはこういう事を前振りもなしにやってくる。仕事してても、寝てても、飯食ってても、煙草吸ってても。いきなりこちらの唇を蹂躙しつくしては満足して居なくなる。やめろと言ってもやめないのはもうわかりきってるのでされるがままなのだが、何も今やらなくたって。 #変態不知火さん

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恥も何もなく、場所さえも弁えずに俺の口内を犯す加賀さんの舌が、何か別のぬめった生き物のように感じてくる。びちゃり、びちゃり。そのまま俺の喉奥へ侵入し、胃やその奥までも犯されていくのではないかという恐怖感すら。「何やってんのよそこの馬鹿は」見てないで止めて。 #変態不知火さん

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顎を上に向けさせ、今度は分泌される唾液を流し込まれる。熱い液体が口内、喉、そして胃へと到達する。濃厚な媚薬を直接流し込まれているかのように、身体が急に火照ってくる。身体の中心から微熱が広がっていく。「勝ったけど、なんかあんま嬉しくないんだけど」だったら止めて。 #変態不知火さん

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引き剥がせば事は済むのだろうが、悲しいかな、加賀さんの両腕は俺の身体をがっちりとホールドしているのだ。獲物を絶対に離さない食虫植物のように。――と、急に加賀さんが吸い始めた。唾液を、ではなく、俺の呼吸さえも奪う。急激な吸引に舌が引っこ抜けそうだと錯覚する。 #変態不知火さん

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ちょ、ちょっと、あの、加賀さん。息。息出来ない。出来ないって。それを伝える為に加賀さんの肩をタップするのだが全く離す気配がない。故に今度は叢雲に止めてもらうよう、激しく加賀さんの肩を叩く。「お熱いのね。見てるだけで胸焼けするわ」ちゃうねん叢雲、止めて欲しいねん。 #変態不知火さん

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「……ぷ、ぁ」銀の糸を引いて、加賀さんは漸く唇を離した。肺から失われた酸素を補おうとしてむせる。「何してんのよアンタ……」呆れた顔で叢雲は俺を見るが、さっきまで殺されかけていた。気付いてました？ 「あぁ、だからタップしてたの。いつもの事だと思ってスルーしてたわ」 #変態不知火さん

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身体に酸素が行き届き、落ち着いた。いい時間だし、そろそろ寝た方がいいか。「私はもうちょっとやるわ。もうちょっとでトロフィー貰えそうなの」そうかい、地球防衛頑張れよ。ということで加賀さんと休憩室を出た。加賀さんにも挨拶して、一人だけの時間がくる。まぁ寝るだけだが。 #変態不知火さん