
三国文化のバトンを持たずに疾走した有能なランナー宮城谷氏について
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宮城谷『三国志読本』読んだ。長い年月かけて長い話を書いても、著者自身が振り返って独自性を発揮した!と思えるのは、わずか数点なんだなと思った。脱『演義』の初の歴史小説、楊震を起点にせねば三国志は描けない、劉備は「玄徳」な老荘思想の持ち主と。他は史料をノートにまとめて引き写す苦行。
2014-06-11 06:27:18
陳舜臣『秘本三国志』は章末で手の内を暴露。北方謙三『三国志読本』、宮城谷『三国志読本』は、書名が同じで、手の内の暴露本としても同じ。いずれも長い小説を書いても、独自性を発揮したのは、主要人物1人か2人分で、あとは代わり映えのない荒れた景色を、根気強く歩いただけな感じ。
2014-06-11 06:29:59
それは文学と言えるのだろうかQT@Hiro_Satoh: 宮城谷『三国志読本』読んだ。長い年月かけて長い話を書いても、著者自身が振り返って独自性を発揮した!と思えるのは、わずか数点なんだなと思った。脱『演義』の初の歴史小説、......
2014-06-11 07:14:55
@AkaNisin 宮城谷氏は「吉川も柴田もおもしろいが『演義』ベースだからダメ。それなら私が正史ベースで書こう」みたいに言ってました。「ダメ」はもう少し婉曲させてましたが。彼の作品及び自作解説は、「演義バカ、正史タダシイ」という歪んだ言説の震源の1つかもです。
2014-06-11 07:31:48
@AkaNisin 中国史は独学のようです。大衆小説や一般向け解説本に飽きたらず、いきなり原典に飛ぶ、という学び方のようです。歴史小説の志望者には『詩経』『通鑑』を原文で読め、と無理な助言をされます。漢字は象形文字だから、見てれば意味が分かるとか。先行研究には疎そうです。
2014-06-11 07:59:17
@AkaNisin そこまでが真価だと思います(笑)>宮城谷三国志。あれは宮城谷ファンのための三国志なのであって、既存の三国志ファンに対して供する(or挑戦する)ものではないかと。
2014-06-11 08:07:12
@AkaNisin そう言ったら方方から怒られるとは思いますが(笑)少なくとも新たな三国志ブームの中核になり得るような作品と評価することはできないと思います。まあ、ここまで三国志コンテンツが飽和している状態で、そのような作品を創出することが極めて困難なのは承知の上で言ってみる。
2014-06-11 08:49:18
@Hiro_Satoh それを「苦行」と言ってしまう段階で、宮城谷氏は三国志には手を出すべきではなかったと暴言を吐いてみる。
2014-06-11 09:02:39
@TAKEUTIMasahiko @Hiro_Satoh すごい悪口になるんですけど、脱『演義』と言いつつ、やったことは結局『演義』の藍本である『通鑑』の真似事なのでは...
2014-06-11 09:11:21
@AkaNisin @TAKEUTIMasahiko 宮城谷『三国志』は、『ホボ通鑑』なんです。『通鑑』等を読んで手書きでノートに年表を作る→1日に原稿用紙1枚半書く、という作業だそうです。結果、話の順序は『通鑑』に準拠。セリフを開きつつ、人物や時代を模索した結果が紡がれました。
2014-06-12 00:39:13
@AkaNisin @TAKEUTIMasahiko 春秋時代とか、物語化の蓄積がない分野では彼に新規性があります。三国のように先行作品が多い場合、今さら感が強まります。「実は」有能な曹操、「実は」魔術を使わぬ孔明などが作品のウリにカウントされ、正史読め派の純粋さがまぶしいです。
2014-06-12 00:43:32
@AkaNisin @TAKEUTIMasahiko 「なぜ日本人の自称・歴史通(のおじいちゃんたち)は、『三国演義』を軽視するような発言をするのか」が、日本の三国志受容史の分析のネタになりそうで、宮城谷『三国志』は、そのサンプルとして活用しやすいと思いました(笑)
2014-06-12 00:45:58
@Hiro_Satoh @AkaNisin 「物語化の蓄積がない分野では彼に新規性があ」るというご指摘が本質を突いているでしょうね。宮城谷氏を読む前からの三国志ファンで、宮城谷氏のファンだと言う方に、宮城谷三国志の感想を聞いてみたいものです。
2014-06-12 00:53:59
@TAKEUTIMasahiko @AkaNisin 「宮城谷氏を読む前からの三国志ファンで、宮城谷氏のファン」の話も聞きたいですけど、宮城谷氏のファンだったかの前歴を問わず、「宮城谷『三国志』で、三国志のファンになった」という人がいるなら、話が聞きたいです。いるんでしょうか、、
2014-06-12 01:00:20
@Hiro_Satoh @TAKEUTIMasahiko @AkaNisin 元々の三国志ファンで、高校生のとき宮城谷のの小説に感動して、夏殷周の研究を志しました。ハンドルネームも「夏姫春秋」の巫臣と「布衣の人」の俊(帝舜)を合成したものです。
2014-06-12 01:31:16
@fushunia @TAKEUTIMasahiko @AkaNisin 巫俊さんは、宮城谷『三国志』はどのように読まれましたか?ご感想が知りたいです。
2014-06-12 01:36:59
@Hiro_Satoh @TAKEUTIMasahiko @AkaNisin 宮城谷の三国志は、連載開始を待ち望んでいましたが、いつしか違和感を感じていました。宮城谷の本来の持ち味は、白川静の小説化に成功したという点にありますが、それは清流派士大夫を絶賛する道では有り得ないのです
2014-06-12 01:41:37
@fushunia 『三国演義』や、歴史学・文学の先行研究に拠らず、『後漢書』や『資治通鑑』と無媒介に向き合うことで、清流と濁流の対立構図をうまく史料批判できずに、飲みこまれてしまった印象がありました。白川静の『詩経』の世界観?とは、関係なくなりましたよね。
2014-06-12 01:49:33
@Hiro_Satoh 白川静の世界観は、三国志ファンには受け容れ難いのではないかと思っています。では、私は何だ?と宙ぶらりんな気分ですけども。それで宮城谷も盛り込むのを諦めた可能性はありますね。小説1巻の『説文解字』が献上される場面では、白川静の業績を興奮して讃えているのですが
2014-06-12 01:58:20
@fushunia 宮城谷氏が小説化に成功した所の「白川静の世界観」って、どんなものですか?白川氏の著作はいくつか読みましたが、うまく言語化できずにいます。巫俊さんのご理解を教えてください。『説文解字』献上の場面は、読んだはずでしたが、忘れていました(笑)
2014-06-12 02:07:00