三国文化のバトンを持たずに疾走した有能なランナー宮城谷氏について

宮城谷昌光氏の「三国志読本」を通して宮城「三国志」がどのような手法で書かれていたのか。そこから話題が発展し様々な意見が飛び交います。 【※宮城谷ファン閲覧注意】
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

@Hiro_Satoh 白川静の世界観は「“失われた世界”にこそ、私たちの拠り所になる文化や価値観がある」というものですね。例えば『尚書』堯典には、書き手の儒家が解釈に困ってかなり強引に直した文章がありますが、実は殷代の甲骨文の「四方風神」神話が伝承されたものでした。

2014-06-12 02:53:25
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@Hiro_Satoh 儒教は、春秋時代当時の新興宗教であり、当時既に散逸しつつあった周の古典を手に入れた孔子が、非常に前衛的な解釈を施して「聖人の教え」として布教したものです。『論語』の名言「鬼神を敬してこれを遠ざく」は、古典に依拠しながら古典本来の自然信仰を排除するということ

2014-06-12 03:02:21
巫俊(ふしゅん) @fushunia

ある書かないといけない原稿が煮詰まっていましたが、今日は思いがけないところで宮城谷についてのご質問を頂き、自分の求めるものが何だったか再確認することができました(*^。^*)

2014-06-12 03:10:23
巫俊(ふしゅん) @fushunia

『三国志』で言うと、その著述の中心にある儒教中国よりも、辺境にのこる「夷蛮文化」の方に先秦時代の風俗との深いつながりを感じます。宮城谷さんにはそこを突っ込んで頂いて、孔明よりも魏延を発見してほしかった。「魏延は義陽蛮の君長と付き合いがある漢族地主の子息」だろうと言うのが巫俊説です

2014-06-12 03:20:06
巫俊(ふしゅん) @fushunia

趙雲が趙範をボコボコに殴るという場面(殴るのは、演義でしたっけ?)も、南方の先住民と雑居する地方では、婚姻の仕組みが違うという話なのですよね。

2014-06-12 03:24:26
巫俊(ふしゅん) @fushunia

殴られた方は迷惑だけど、孔明のようなもっと怖い士人がいるので、その後の教化政策は怖ろしいものだったでしょうね

2014-06-12 03:25:46
にゃも @AkaNisin

@TAKEUTIMasahiko @Hiro_Satoh うちの先生も同じこと言っておりました。そこが面白味だったのに、結局メジャーな三国志に来てしまいつまらない

2014-06-12 07:11:04
にゃも @AkaNisin

@Hiro_Satoh @TAKEUTIMasahiko 『演義』は軽視するのに、歴史文学って点では同じはずの司馬遼太郎をありがたがる...って傾向がある気がします

2014-06-12 07:22:14
佐藤大朗(ひろお)@『晋書』完訳プロジェクト @Hiro_Satoh

@AkaNisin @TAKEUTIMasahiko 司馬遼太郎は尊敬すべき目標なんですが、羅貫中ら白話小説の著者は、異ジャンルという意識のようです。日本の歴史大衆小説というジャンルの開拓や確立への使命感を語ってました。通俗三国志は無視でした。

2014-06-12 07:49:36
にゃも @AkaNisin

僕は歴史文学の醍醐味は、作者が史料(史実)をどう料理したかどんなフィクションを盛り込んだかを楽しむことにある...と思ってます。でもこれは、読者もその歴史に精通してないとできない読み方であります。しかし...

2014-06-12 07:54:16
にゃも @AkaNisin

@AkaNisin きっと少なくない読者が、歴史文学を歴史を知る術として見ていませんか。そういう読者にとっては、いかに「史実」に忠実であるかが重要なのではありませんか。たとえば司馬遼太郎とか...

2014-06-12 07:54:41
にゃも @AkaNisin

@AkaNisin 演義が現在低く見れらる理由も同じでは。演義による三国志イメージが根強かった一昔前、その払拭のため演義と正史の比較が流行ったと聞きます。そのとき、演義は正史とこんなに違う「だからそこが面白い」ではなく、「だから間違ってる」って見方に流れてしまった...?

2014-06-12 07:55:52
にゃも @AkaNisin

@Hiro_Satoh @TAKEUTIMasahiko それまでの講談や通俗文学を越えるため、近代歴史文学を切り開いた司馬遼太郎の役割はすごく大きいと思います。ただそれが同時に、史実しか見ない偏った読者を生んだことにもなったのでは、と感じています

2014-06-12 08:00:29
にゃも @AkaNisin

@AkaNisin 正史と演義の区別が定着したことは何より重要です。でもその影で演義の楽しみ方はー...

2014-06-12 08:06:31
佐藤大朗(ひろお)@『晋書』完訳プロジェクト @Hiro_Satoh

@AkaNisin 吉川英治でさえ食人の件で申し訳なさそうなように、小説家が作中で注釈をするのは、誰が決めたか知りませんが禁忌です。この禁忌を緩めたら、歴史小説も味わい方の幅が広がる気がします。娯楽と歴史のお勉強が両立するジャンルができそうです。娯楽派は注釈を読まねば良いわけで。

2014-06-12 08:07:40
佐藤大朗(ひろお)@『晋書』完訳プロジェクト @Hiro_Satoh

宮城谷氏も『三国志』執筆中は、史料と格闘し、解釈やアレンジをしたはず。この思考過程を全て意図的にメモり忘れ、連載完結後に「15年を振り返って」とか総論的なインタビューをするから、台無しになる。歴史小説こそ、学術論文ばりに注釈(出典や著者の解説)を付けたら、おもろかろうに。

2014-06-12 08:14:19
にゃも @AkaNisin

今、正史に準拠することを「脱演義」と言うなら、それは『演義』が進めた針を逆行させるだけで、とくに面白味はないと僕は思います。『演義』が取りこぼした正史の妙味を拾うってことも、もうずいぶん果たされたと思いますし

2014-06-12 09:23:03
にゃも @AkaNisin

@AkaNisin 晋代の『三国志』とも明代の『演義』とも違う、現代の感性が作る三国志作品、たとえば『三国無双』とか『蒼天航路』とか『レッドクリフ』とか。そうゆう作品が「脱演義」なんだと思ってます

2014-06-12 09:24:27
にゃも @AkaNisin

@Hiro_Satoh 注釈作業は面白そうですね。DVDの副音声解説なんかが、ちょうどそんな感じじゃないでしょうか

2014-06-12 09:26:52
にゃも @AkaNisin

@Tesshu8 比較によってどんな結論を持ってくるか、なんだと思います。比較したはいいけどその先がないってことは、卒論でもけっこうありますし...

2014-06-12 09:37:01
にゃも @AkaNisin

ひろおさんの指摘がずばりな気がします。1000年以上の蓄積がある三国志史を踏まえずして「脱演義」ができましょうか twitter.com/hiro_satoh/sta… twitter.com/hiro_satoh/sta…

2014-06-12 17:01:33
佐藤大朗(ひろお)@『晋書』完訳プロジェクト @Hiro_Satoh

@AkaNisin @TAKEUTIMasahiko 宮城谷『三国志』は、『ホボ通鑑』なんです。『通鑑』等を読んで手書きでノートに年表を作る→1日に原稿用紙1枚半書く、という作業だそうです。結果、話の順序は『通鑑』に準拠。セリフを開きつつ、人物や時代を模索した結果が紡がれました。

2014-06-12 00:39:13
佐藤大朗(ひろお)@『晋書』完訳プロジェクト @Hiro_Satoh

@AkaNisin @TAKEUTIMasahiko 春秋時代とか、物語化の蓄積がない分野では彼に新規性があります。三国のように先行作品が多い場合、今さら感が強まります。「実は」有能な曹操、「実は」魔術を使わぬ孔明などが作品のウリにカウントされ、正史読め派の純粋さがまぶしいです。

2014-06-12 00:43:32
佐藤大朗(ひろお)@『晋書』完訳プロジェクト @Hiro_Satoh

@AkaNisin 渡邉義浩を引用した三国志の物語を、いつか書きたいですw

2014-06-13 14:10:05
にゃも @AkaNisin

@Hiro_Satoh 僕も『三国志読本』を読みました。感想はひろおさんと同じであります。それと、本作にように歴史をひたすらに追求するのならば、宮城谷さんは勉強不足だとも感じました

2014-06-13 14:13:23
にゃも @AkaNisin

@Hiro_Satoh 宮城谷さんは石井先生の『曹操』を参考文献に挙げてましたw 『諸葛亮孔明』の方は読めなかったようです

2014-06-13 14:15:09
佐藤大朗(ひろお)@『晋書』完訳プロジェクト @Hiro_Satoh

@AkaNisin 春秋時代を扱って成功した勉強法を、三国時代に無批判に流用したから、良くも悪くも、これが限界だったのでしょう。吉川忠夫『後漢書』と、『全訳後漢書』を、「画期的な出版企画」と評する感覚が、ちょっと分かりませんでしたw

2014-06-13 14:19:37
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