雨に唄えば#pw雨唱組

2014年6月15日0:00~24:00
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梁川梨里(やながわりり) @riri_yanagawa

傘の上で跳ねる、ぽわん、ぼわわん きゃっ、きゅっ、きょっ 世界は雨粒こびとの声で満ちて 輪唱のように音符も跳ね、水溜りに映るわたしも、あなたも、五線譜の中、スタッカートの靴こびと 指揮者のいないオーケストラ 耳が過敏に連鎖する まあるく捻れた音の波を耳こびとが泳いでる #pw雨唄

2014-06-15 00:00:38
梁川梨里(やながわりり) @riri_yanagawa

タイトル入れなかった!くみちよの見て気付く。ぼわん。

2014-06-15 00:04:17
草間小鳥子 @eureka13_28

ハナミズキの熟れた実が潰れている きっと道が乾いたら蟻が運んでゆく。 ああでも 都心のアスファルトはすでに陽に灼け革靴とパンプスにならされ 昨晩の雨などなかったかのように乾いているだろう。 それはとても とてもさびしい。 #pw雨唄組

2014-06-15 00:01:56
梁川梨里(やながわりり) @riri_yanagawa

嵐のような梅雨が続き、 倒れたアリスとロメリアが 翌朝には立ち上がっている わたしも人間の端くれとして せめて乾いた土を、都会のアスファルトを、カツンと鳴らす 歩けない植物の代わりに せめて地に音を返すことで わが身の在ることを示そうか (雨に唄えば)#雨唄組

2014-06-15 00:17:05
春森しゆう @junju_usako

あんなにも水を含んだトマトが 雨に打たれて萎れている 赤くなるにはあなたの熱が足りない 青臭いまま目にとまることなく 雨に喰われてしまう 命の色が欲しい (雨に唄えば) #pw雨唄組

2014-06-15 00:25:23
十三 @_Xiii13

満ち欠ける月。それが遙か遠い昔に定められた遺伝子なら止めてあげることは叶わない。泣き続けたのなら雨がその瞳を拭ってはくれるのでしょうか、或いは、煌めき降り注ぐ月灯りへ捧げる祈りすらも希うことがない定めだったのでしょうか。雨が散る宵にゆたう唄声に捧ぐ (雨に唄えば) #pw雨唄組

2014-06-15 00:39:57
梁川梨里(やながわりり) @riri_yanagawa

アブラムシのついたミニ薔薇が 色を無くしてゆくように、誰かの栄養は誰かの生となって循環する 美しさだけを求めているのは 仮想現実 食うか食われるかは 世界のそこらじゅうで 当たり前のように繰り返されて 当たり前のように 死んだものを超えた朝が来る (雨に唄えば)#pw雨唄組

2014-06-15 00:43:10
春森しゆう @junju_usako

寄せた植木鉢の下から 蠢くミミズとダンゴムシが出てくる 湿り気を求めて 生き延びようと必死なのは 人間だけではない おいしい水には優しい雨が必要 (雨に唄えば) #pw雨唄組

2014-06-15 00:50:27
梁川梨里(やながわりり) @riri_yanagawa

雨は太古の匂いを カプセルみたいに包み 零れてゆくものたちは また空を目指す わたしが死んだ日 晴れならば わたしを焼いた骨の煙の微粒子が 内包されて降ってくるだろう 雨ならば 川に流れ海を目指し 最後は名も知れぬ者の肩に落ちるだろう (雨に唄えば)#pw雨唄組

2014-06-15 00:58:32
Yuka Yoshida @yoshida_nenka

うちつけるものによって落とされる宛先、膨れあがる家々に封をし、声をひき剝がす、形から逃れても同じことだ、おまえの一言で下から上へ降りしきるだろう、ぬぎ脱がされた皮膚が、ひとびとの背中に似る、乾くな、一度として、水に引き寄せられたなら。 (雨に唄えば)#pw雨唄組

2014-06-15 00:30:09
梁川梨里(やながわりり) @riri_yanagawa

水の行方を追った背が、魚眼レンズの様を呈し、停止した時間の発狂した声が降る 実在しない何者かに、刃をあてられ、飛び込まされた雨音の、耳の中の貝が海に逃げたいと訳しても 赦されない 乾いた喉の奥から漏れた嗚咽が 部屋を満たした 逃げられない (雨に唄えば)#pw雨唄組

2014-06-15 01:15:51
Yuka Yoshida @yoshida_nenka

翻訳されたふたりの、季語を炙りだすしかない耳だ、消失点の手前でいったい何が見留められる、すでに瓦解している一室に、誘う塩気、開ききった喘ぎのうえでは、誰しもが標本になる。 (雨に唄えば)#pw雨唄組

2014-06-15 02:01:56
加藤生物くん @katouasuka1

自分の名前を読み 心の下に落ち ぐしょぐしょの顔を記憶した。 #pw雨唄組

2014-06-15 01:06:58
梁川梨里(やながわりり) @riri_yanagawa

傘なんかさすんじゃなかった ドウセカサノナカニモ雨はフル フル、フラレル、フリ、フラレ 傘なんかでさすんじゃなかった あなたへの想いをヒトツキで どうせ グシュグシュのわたしなんか 温めてくれるヒトなんていない 傘なんか、モウイラナイ (雨に唄えば) #pw雨唄組

2014-06-15 07:10:26
加藤生物くん @katouasuka1

@riri_yanagawa 応えますたう。 傘なんてさすもんじゃない! グラグラと目が燃えた 良くもやったな! 風はふらつく 泥酔 じじい ひょっとこ どっこい みず かかる (雨に唄えば) #pw雨唄組

2014-06-15 02:16:12
独り言 @n_b_k_

水のなか、声を遮って 聞こえるのは雨音ひとつ 傘を差したのは 濡れない為ではなく 距離を取りたいから 傘で囲まれた水牢 性の壁を切り裂いて 一人唄った、誰かへと (雨に唄えば) #pw雨唄組

2014-06-15 02:34:00
みいと かろ @KaroMiito

雨粒は どうして落ちこまないか なんて 考えたりする部屋の中で 雨にキラキラ覆われるのは、なぜ?円いシミを見るたび わらう鯨が何とう跳ねたかなんて 水柱を聞き分けるより暗いのである。いっしょに 木琴でも叩いて 楽しんどくれ。 (雨に唄えば) #pw雨唄組

2014-06-15 03:01:59
梁川梨里(やながわりり) @riri_yanagawa

縁取りされた軌跡の上で うっかり海水と共に巻き上げらて しまった鯨が、海までの距離を測る ものの、あまりにも遠い記憶に項垂れて、くじら雲の準備を始めた くじらは幾ついてもいい 鯨は空には大きすぎる クジラは机の瓶の中 (雨に唄えば)#pw雨唄組

2014-06-15 07:30:52
sample @kaibutsu_head

活字中毒者は雨さえ読書の対象にする。上野恩賜公園を駈け抜けた驟雨に新聞書体を写植する。不吉だ。そう淡古印の声音で呟く。棚から崩れる書籍のようにカラスが翼を広げ飛んで行く。地面が濡れるたび行間は近接しやがて黒く塗りつぶされる。活字中毒者は読む物がなくなりやっと傘をさす。#pw雨唄組

2014-06-15 03:19:07
梁川梨里(やながわりり) @riri_yanagawa

部屋ごと遮断された、傘の上を雨音が時間差で打つ日にしか開けない本 黒く塗り潰されるスピードが緩やかになる 行間を黒い影が彷徨いて、猛禽類の眼をしている 炙り出された行間が、ここだよと招き入れた先で、雨は消えている (雨に唄えば)#pw雨唄組

2014-06-15 07:45:44
二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

振り切れる暴力が雨の中に一本足で立ち竦む。私のもう一方の足を探して下さい。水溜りの波紋が所在を宛て処なく掻き消して、それは音を失うと同じことだった。欠損していく世界を埋めていく雨音がやがて子守唄になるならば、教えておくれよ。二度ベルを鳴らす理由を。 (雨に唄えば) #pw雨唄組

2014-06-15 07:54:55
春森しゆう @junju_usako

八畳分の雨色が 悠々と飛ぶのを見上げると 笑い顔にも泣き顔にも見えて 浮かんでみたくなる しがみつく場所のなさがまた 郷愁を呼ぶ 群れていてもひとりに見える雄大さに 太古のわたしを想う (雨に唄えば) #pw雨唄組

2014-06-15 08:01:26
梁川梨里(やながわりり) @riri_yanagawa

傘に足を生やした妖怪が目の前を通り過ぎて行った、水溜りの波紋が螺旋を組んだ世界の中を 足を下さい、須らくもらえるものだとばかり思っていた 失った足は溺死体で上がった、足のない傘ばかりの世界に食傷している魚どもよ あと何回ベルが必要ですか (雨に唄えば)#雨唄組

2014-06-15 08:14:12
二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

コインランドリーから出る。 傘がないから濡れてしまうよ、紫陽花を噛む君は毒気にやられて咲く。花びらを撒き散らし、歩道橋にモザイクの装飾が潤んでいく。 爪先立ちは天国への憧れ、水溜りに浸した爪先から広がる贖罪のような波紋が、どうか届きますように。 (雨に唄えば) #pw雨唄組

2014-06-15 08:15:34