西沢大良氏(@tairanishizawa)tweetまとめ

建築家西沢大良氏の考えさせられ勉強になるツイートまとめ。 続きを読む
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西沢大良 @tairanishizawa

→最初に読んだときは「こんなことやっちゃっていいのか〜」と驚いた、というのが正直な感想。つまり当時は80年代だったから、近代建築・近代都市を批判する一派はすでに大量にいたわけで(ポストモダニズト)、だから近代批判それ自体には驚かなかったんですが、その批判の仕方に驚いたわけです。→

2014-04-17 00:31:48
西沢大良 @tairanishizawa

→つまり近代建築・近代都市を批判するにあたって、ジェイコブスが論拠にしているのは、ようするに彼女が自宅の近所で見聞きしたことなわけですね。NYのグリニッジビレッジ界隈に住む、多国籍で低所得な人たちの生活から、近代都市計画批判をしているわけです。→

2014-04-17 00:32:33
西沢大良 @tairanishizawa

→いわば自分たちこそ真のインターナショナルスタイルであり、コルビュジエだの何だのは偽物だ、というようなライトモティーフです。そんな角度からモダニズム批判をした本は読んだことがなかったので(というかその後もないです)、このちゃぶ台返しはスゴいなあ、と思ったものです。→

2014-04-17 00:32:50
西沢大良 @tairanishizawa

→蛇足ながら、高校時代に音楽や文学をカジっているとわかるんですが、ジェイコブスがいた頃までのグリニッジビレッジは、ちょっと特殊な場所です。ビート派もあそこから出てきたし、ボブディランも家出してあそこに逃げたし、フルクサスの連中もあそこにいたというような、非常に有名な街区群です。→

2014-04-17 00:33:16
西沢大良 @tairanishizawa

→そこの住人がコルビュジエ批判を繰り出すわけだから、ほとんどケルアックなりディランなりがコルビュジエのことをボロクソに言ってるような気がしてくるという、めまいのような感じのする本です。「都市の原理」も好きですが、「アメリカ大都市の死と生」にはそういう面白さがあります。

2014-04-17 00:33:26
西沢大良 @tairanishizawa

昨日亡くなったガルシアマルケスは、小説家としてよりもジャーナリストとして優れていたのかもしれない。キューバのカストロとの個人的な交流は良く知られている。マルケスは中南米のなかに一瞬でも光が差すと、パナマであれベネズエラであれ取材に行った。→

2014-04-19 00:14:26
西沢大良 @tairanishizawa

→彼はチャベスと面会していたかもしれないし、9年前のメキシコの不正選挙デモも取材したかもしれないし、チアバスにも入れたかもしれない。戦後の中南米の姿は、戦後の世界の姿の凝縮版なのだ。マルケスは中南米を題材にした小説家であるよりも、中南米を専門とするジャーナリストだったかもしれない

2014-04-19 00:17:00
西沢大良 @tairanishizawa

PS 若きマルケスがパリの屋根裏部屋でカフカの『変身』を読んだとたんにベッドから転がり落ちたという有名なエピソードは、カフカのエピゴーネンである証拠ではなくて(つまり不条理小説派とかイマジネーション派という意味ではなくて)、カフカの政治性によって目が覚めたってことではないのか。

2014-04-19 00:33:32
西沢大良 @tairanishizawa

一昨日の朝まで、必要があってコルビュジエ全集を徹夜でめくった(25年ぶり)。その時の感想。戦後の「ボゴタの都市計画」は気になるぞ。あれはNYの国連程度には継承されたの?いや、4年前にボゴタに行ったときは影も形もなかったぞ。何が起きたんだ?そもそも誰が依頼した仕事なの?誰か教えて。

2014-04-20 16:44:52
西沢大良 @tairanishizawa

PS 一昨日の講義の後に質問しにきた学生さんへ:インドにはチャンディガールやショーダン邸もあるけどラマヌジャンの故郷もある(タンジャーヴール)。ラマヌジャンは空前絶後の数学者。コルビュジエとミースを足して2で割らず、20倍にしたようなスゴい人。ただし、治安は相当悪いかもしれない。

2014-04-20 20:51:02
西沢大良 @tairanishizawa

ラマヌジャンはケンブリッジでウィトゲンシュタインとは会わなかったの?じゃあケインズとは? やっぱ会ってないか。惜しいなあ。。ハーディはいい奴だけど、事の重大さがわかっていない。当時の英国でそれがわかるのはウィトゲンシュタインだけだわな。それが目の前にいたんだよ!(あとケインズも)

2014-04-20 22:18:11
西沢大良 @tairanishizawa

だいたいがウィトゲンシュタインは、カントールでなくデデキントを小馬鹿にしたのです(『数学の基礎』)。カントールは発明家、デデキントは論証家だからです。切断なんて数学じゃない、クリエイティブじゃないと数学とは言えない(カントールは『往復書簡』でデデキントにほとんどそう言ってるよ)。

2014-04-20 22:43:25
西沢大良 @tairanishizawa

20世紀に教育を受けた人間は、たいていラッセルの悪い影響を受けているのです。数学が論理的だという考えは、ラッセルの致命的な誤解です。でも数学は本来、途轍もなくクリエイティブなジャンルです。建築やアートもクリエイティブだと言われるけど、数学に比べたらクリエイティブとは言えないです。

2014-04-20 23:25:29
西沢大良 @tairanishizawa

数学のできない人の集まるジャンルでは、その程度でクリエイティブだと言われてしまう。でも事実はそうじゃないんで、若い人たちはだまされちゃイカンです。(建築やアートがクリエイティブだっていうのは業界の都合みたいなもんです。そう言ってないと失業しちゃうっていう、大人の都合ですね)

2014-04-20 23:37:39
西沢大良 @tairanishizawa

20cのケンブリッジの惜しい点をもうひとつ。数学の基礎をめぐるウィトゲンシュタインの講義に、若きチューリングが聴講に来た。そんで物別れに終ったという話(チューリングが出席しなくなった)。これも惜しい。。惜しいわ〜。あれウィトゲンシュタインもちょっとチューリングを誤解してるけどね。

2014-04-23 02:30:57
西沢大良 @tairanishizawa

→チューリングは決してラッセル病(論理学=数学)の患者じゃないよ。軍に頼まれればそういうフリもするってだけで(エニグマ解読)、本質的には発明家だもん。『形態生成の化学的基礎』を書いちゃう人だよ。生物の模様は化学現象なんだから、数学的な記述が可能であると、さくっと思いつく人だもの。

2014-04-23 02:34:59
西沢大良 @tairanishizawa

→だいたいね、チューリングマシンにしても何にしても、エジソンみたいなもんなんだよ。エジソンみたいに厚かましくないってだけで、発想は発明家なんだよね。『形態生成の化学的基礎』は、模様の証明じゃあないんだよ。波動方程式の「用法」を発明したんだよ。ウィトゲンシュタインと同じじゃん。

2014-04-23 02:42:20
西沢大良 @tairanishizawa

→チューリングのあの論文は、ウィトゲンシュタインの死後1年位で出た。もしウィトゲンシュタインがあれを読んでいたら何て言ったかな?コメント聞きたいぞ。プレプリント読んでたりしないの?ゲイ同志で文通とかしてなかったの?まだ未発表の手稿あるんでしょ。誰か調べてくり。

2014-04-23 02:46:36
西沢大良 @tairanishizawa

→さらにその1年後、チューリングのところにプリコジンが会いに来た。これ本当のところは何があったの?チューリングの形態生成とプリコジンの散逸構造は、アイデア的には似てるわな。いったい2人は何を話したの?科学史の専門家とか調べてない?かなり重大な局面ですよ。誰か教えて。

2014-04-23 03:18:23
西沢大良 @tairanishizawa

昨日のツイートの「生物の模様の形成は化学反応であり、ゆえに数学的な記述が可能である」について。そこで言う「数学」とは代数のことですよ。幾何学のことじゃないですよ。建築界では数学と言えば幾何学のことだと思ってしまうけど、それは悪い癖なのです。というか、致命的な癖かもしれん。

2014-04-24 01:02:16
西沢大良 @tairanishizawa

→代数を幾何に還元できるという思想は、近世数学のもたらした病気です(デカルト病)。この病気が、近代建築を全面的に蝕んでいるのです。近代建築は何でもかんでも幾何学にしてしまう。だけどデカルト座標は、代数を幾何に還元したのではなくて、それでも還元できない代数の事実性を解放したのです。

2014-04-24 01:05:06
西沢大良 @tairanishizawa

→だからデカルト以降の数学の歴史は、むしろ幾何と代数の違いを発達させていった。近代建築は、本来ならばそちらの数学を、つまり近世数学でなく近代数学を、モデルにすべきだったのです(例えばモダンアルジブラとか)。近代建築は、参照すべき数学のモデルを間違えたんじゃないかな。

2014-04-24 01:12:10
西沢大良 @tairanishizawa

ウィトゲンシュタインがどこかで「数とはカタチである」と言ってたね。それしか言わないから黙殺されてきたけど(ウィトゲンシュタインは天才すぎて説明しないのよ)、あれはいいアイデアだったと思うなあ。。。「数とはカタチである」って数字の形じゃないよ。数学の基礎論・起源論みたいな話です。

2014-04-26 01:19:59
西沢大良 @tairanishizawa

→ようするに桃が2つある状態と、豚が2匹いる状態は、カタチが同じであるという意味です。面白いねえ。認識として優れてるよなあ。つまり数の起源みたいな話でしょう。ラッセルの欠点を突いてるでしょう。桃が2つある状態と、桃の木が2本ある状態も、カタチが同じなんだから。それが数学だから。

2014-04-26 01:25:53
西沢大良 @tairanishizawa

→数学は論理学じゃないのよね。ロジカルタイプを無視するのが数学だからね。だからウィトゲンシュタインはラッセルを馬鹿にした。でもカントールについては本気で攻撃してないと思うな。ちょっと遠慮してる。ラッセルの言うのはたいてい言語的なパラドクスなんだけど、カントールは違うもの。

2014-04-26 01:29:23
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